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オールドを楽しむ

この写真、しっかりゴーストが出てくれています。
ゴーストが出るようにある程度狙って撮りました。

これは
Voigtlander NOKTON classic S.C 35mm f1.4 Ⅱ
というレンズの特性の一つです。
「S.C」とはレンズコーティングが"シングル"であることを表しています。
マルチコートであれば「M.C」となります。

現在はレンズ設計や研磨技術、コーティング技術、コーティング剤などが発達しているので、レンズはほぼ完成されていて、色被りやゴースト、開放時の低解像度、周辺減光などなんの問題も無く使えます。

しかし、レンズ設計や研磨技術、コーティング技術、コーティング剤などが未発達であった時代のレンズでは様々な"個性"があり、それを使いこなしていくのが使い手側に求められました。

現在のレンズは何も考えずに撮影しても失敗はありません。
それほど優秀に出来ているのです。
でも逆に個性的な画作りがしにくくもなっています。

今はデジタルになっているので加工が簡単に出来ます。
むしろ"加工"してオールド感を出します。
なんだか矛盾していますよね。

"個性"="クセ"を消そうと、完成度を高めた結果、完璧になったし、誰でもどんな条件でもきれいな写真が撮れるようになったけど、"個性"を失い、味が無くなり、後で味付けの加工を施してオールド感を出す。

結局のところないものねだりなんでしょうね。

この写真はフィルムで撮影しています。
これもまた今に逆行していて、想うところもあります。

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