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#4 卵白アルブミンタンパク変性とは何か??

今回のシャンプー開発においてとても重要な指標とされているのが「卵白アルブミンタンパク変性率」です。
この内容について少し詳しく述べたいと思います。

生卵の白身部分に含まれているタンパク質が「アルブミン」です。
そして、タンパク変性というのは熱や酸、その他の刺激によって性質が変化して別の物となり、元に戻ることができなくなった状態のことを言います。

わかりやすい例が熱変性です。
生卵を割り、フライパンなどで加熱すると白身や黄身は固まります。
これがタンパク(熱)変性です。
一度固まった白身を元に戻すことはできませんよね。

人間の身体はタンパク質で構成されています。
タンパク質が変性しない=刺激が少ないということになるのです。
このタンパク質が活性剤の刺激によって変性していないか?を評価するのがタンパク変性率測定です。

<資生堂の論文>
界面活性剤の組合せによる物理化学的性質とタンパク質変性作用
宮津清、小川正孝、光井武夫,SCCJ-18-96(1984)

この方法を用いて安全性の高い活性剤と使用感、パフォーマンスなどを考慮して作ったのが資生堂「スーパーマイルドシャンプー」だと思われます。
(しかし、すごいネーミングです💦)

そして、ことタンパク変性率だけで言うとサルフェート(硫酸)系は悪者になってしまいました。

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このアルブミンタンパク変性試験は一つの評価方法であり、”全て”であったり、”完璧”ではありません。
卵が殻に守られているように、人の皮膚も様々なバリアに守られています。それを一足飛びに生のタンパク質に触れて変性が起こるわけではありません。
あくまでも一つの代替評価法であるということは頭の片隅に置いておかなければなりません。

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