ふわふわに誓う
頭のほかほか。
鼻をうずめてその体温を堪能する。
柔らかな髪が鼻先をかすめて、しあわせがやってくる。
上から見たときの、ちょこんと尖った唇。
横から見たときの、突き出たふわふわほっぺ。
まっすぐ、何の疑いもなしに見つめてくる黒い瞳。
柔らかい。
柔らかくてあったかくて、力強くもあって、
あー、赤ちゃんて、なんて幸せの塊なんだろうと思う。
わたしの両親は凄まじく不仲で、物心ついた頃から暴力ありの喧嘩が繰り広げられていた。
幼心ながらに、あーはやく離婚してほしいと思ったものだ。
母は病み、そんな彼女が残した(もう亡くなっている)育児日記をパラパラと読んだことがある。
読んでてつらくなった。
読んで不快になる人も多いと思うのでここに書くのは省くが、
赤ちゃんなのに、赤ちゃんなのに、、かわいそうでたまらなかった。わたしというより、わたしと同じ名前の赤ちゃんが。
大人になった今では、父母も相当しんどかったとわかる。
ただ、救ってあげたい。
大人も辛いだろうが、赤ちゃんだけはまず幸せでいてほしい。本能レベルで。
だから誓った。
わたしは絶対同じ轍を踏まない。
自分の赤ちゃんを幸せにする。
というか、赤ちゃんは、ある程度の環境のなかでは、ニュートラルで幸せなはずだ。
それを大人の都合で制限したり奪ったりしない。
幸せにするというより、幸せを守ると書こう。