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2024年のバイリンガリズム:驚くべき統計と多言語社会の実態

私たちが生きる現代社会は、かつてないほどグローバル化が進んでいます。そんな中、複数の言語を操る能力、すなわちバイリンガリズムの重要性が高まっています。今回は、2024年現在のバイリンガリズムに関する最新の統計と興味深い事実をご紹介します。

世界のバイリンガル人口

まず驚くべきは、世界のバイリンガル人口の多さです。最新の推計によると、世界には約33億人のバイリンガルが存在し、これは世界人口の43%にも及びます。さらに、17%の人々が3言語以上を話すマルチリンガルだとされています。つまり、世界の半数以上が複数の言語を流暢に操ることができるのです。

この統計は、私たちが思っている以上に、多言語社会が現実のものとなっていることを示しています。

イギリスのバイリンガル事情

イギリスに目を向けると、興味深い事実が浮かび上がります。2023年10月に実施された2,000人の成人を対象とした調査によると:

  • イギリスの成人の36%、つまり約2,450万人が複数の言語を流暢に話せます。

  • 17.5%が2言語を話すバイリンガル、6.5%が3言語以上を話すマルチリンガルです。

  • 驚くべきことに、0.1%の人々が5言語以上を流暢に話せると回答しています。

年齢別のバイリンガル率

さらに興味深いのは、年齢別のバイリンガル率です:

  • 16-24歳の若者が最もバイリンガル率が高く、24.5%が2言語を流暢に話せます。

  • 35-44歳が2番目に高く、18.5%がバイリンガルです。

  • 55歳以上の層が最も低く、15%がバイリンガルとなっています。

この結果は、若い世代ほど言語学習に積極的であることを示唆しています。グローバル化が進む現代社会において、若者たちが複数言語のスキルの重要性を認識していることがうかがえます。

アメリカのバイリンガル事情

アメリカでは、状況が少し異なります。U.S. Census Bureauによると、アメリカ人の21.6%、つまり5人に1人が家庭で英語以外の言語を話しているそうです。

興味深いのは、アメリカ人が学びたがっている言語のトレンドです。オンライン検索分析によると:

  1. スペイン語(月間75,300回検索)

  2. 英語(月間24,800回検索)

  3. 日本語(月間20,600回検索)

  4. 韓国語(月間18,000回検索)

  5. フランス語(月間13,200回検索)

この結果は、アメリカ社会の多様性と、人々の言語学習への関心の高さを反映しています。

バイリンガリズムのメリット

複数の言語を操ることには、数多くのメリットがあります:

  1. 子供の記憶力と注意力の向上

  2. アルツハイマー病の発症遅延

  3. 創造性の向上

ランカスター大学の応用言語学教授、パノス・アタナソポウロス氏は次のように述べています:

「言語を学ぶことは、単に文法規則や語彙を覚えるだけではありません。新しい思考方法を学び、別の文化への窓を開き、しばしば自分の文化を映し出す鏡にもなります。また、2つの言語を学び使用するプロセスは、脳を長期間活性化させるため有益です。多くの研究が、バイリンガルの人々では認知症やアルツハイマー病の発症が最大5年遅れる可能性があることを示しています。」

結論

2024年の世界は、かつてないほど多言語化が進んでいます。バイリンガリズムは単なるスキルではなく、グローバル社会を生きる上で欠かせない能力となりつつあります。若い世代を中心に、複数言語を操る人々が増加している現状は、私たちの社会がより多様性を受け入れ、異文化理解が深まっていることの証左とも言えるでしょう。

あなたも新しい言語の学習を始めてみませんか?それは新しい世界への扉を開く、素晴らしい冒険になるはずです。

(参考文献:Preply. (2024). Bilingualism in 2024: US, UK & Global Statistics. https://preply.com/en/blog/bilingualism-statistics/)

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