【閑話休題09】AQKで出会ったお爺さん
ふと私の頭をよぎった。
あのお爺さん、元気にしてるかなあ…
コロナが騒がれる前の2019年夏くらいだったか、
博多から電車に乗ってAQK劇場にやってくる、
とあるお爺さんに劇場で出会った。
黒縁メガネをかけ、細身の、優しそうな風貌のお爺さん。
お爺さんの指定席は、決まって入り口入ってすぐ左側の一番後ろの席。
その一番後ろの席でに座り、優しい眼差しでステージを見守る。
ある日私が、「お爺さん、被り席が空いてるから、そっちでご覧になった方が、演目がよく見えるよ?」と、被り席に促すと、
「僕は、間近で見るのが、すごく恥ずかしくて、照れちゃうから、この場所からみるのが丁度いいんだょ」と。
休憩室でお爺さんと雑談をした。
お爺さんは、病気がちのお姉さんと一緒に住んでいて、看病の時間が空く昼間の時間に、唯一の楽しみであるストリップを、1回目のみ見にくるらしい。
1回目を見終えたら、電車に乗り、博多の帰途につくらしい。
故に、次回いつ来れるかもわからないから、ポラも撮れないらしい。
踊り子さんの素晴らしいステージ、お客さんとの会話がすごく楽しみにして、毎回劇場に足を運んでると、嬉しそうに話されていた。
コロナが猛威を振るい出した、2020年3月以降、そのお爺さんとはお会いできてない。
あの優しい眼差しでステージを観てたお爺さん。
もう一度お会いして、ゆっくりお話ししたいなあ。
今日もまた、小倉のステージでは、踊り子さんの素晴らしい演目と、そのステージを照らす照明、ステージ音楽に合わせながら一緒に踊り楽しむ観客が、いる。