末広がり
ちょうど一年前に怪我で緊急手術し、1週間の入院で完治した母の米寿の祝いを父の米寿の祝いと合わせて一年遅れで開催した。
コロナ禍で会う頻度が少なくなりぎくしゃくしていた親族との関係も、昨年の母の突然の入院を機に関係性が修復できたように思う。
まさに母が身をもって子どもたちの関係性を修復してくれたのに違いない。
気難しい父も年齢とともに毒気が少しづつなくなってきたように思う。
今回の祝いの宴会場は、妹が手配してくれたが、個室ではなく他の客と一緒の宴会場であり、私も瞬間、あれっと違和感を感じた。父も瞬間、不満そうにぶつぶつつぶやいたが、すぐに平静となり、子からの祝福を受け止める姿勢になったことでその後の流れもおだやかなものとなった。
妹がサプライズとして紅白の餅を88に並べ、自分で「祝米寿 まだまだ人生末広がり ありがとう」の文字を和紙に書き、餅にを包む形で手渡した。
手づくりで気持ちのこもったサプライズに両親とも喜んでくれた。
米寿の父へのお祝いは、最初は盆栽にしようと思っていたが好き嫌いもあり、妹と相談して日本酒にした。
亡き義理の母が毎年のように大阪の高島屋で桐箱の純米酒を父に贈ってくれていたので句会の帰りに梅田に寄ったが、高島屋は梅田にはなかった。
結局、梅田の阪急本店のお酒売り場での催事場で兵庫の無農薬のお米でつくられた桐箱の純米酒が1本だけ置いてあり、それを求めた。
無農薬で、桐箱入りの大吟醸純米酒と出会えたのも、高島屋の場所を間違えて阪急に行き、たまたま期間限定の催事場で限定の1本と出会えたということも偶然ではないと受け止めた。
また、米寿の祝いをする昼の食事も、最初は別の店に親族全員で行く予定であったが、私たち夫婦以外は都合がつかず、結局は妹が数年前に行ったお店が浮かび、その店を訪れることができた。
茅葺の門があり、庭や建屋も歴史を感じる落ち着いた風情で、両親もとても喜んでくれた。オーナーが美術品の収集家であったようで、棟方志功の版画の原画がさりげなく掛けられており、驚かされた。
食事もその日に入手できた新鮮な海のもの山のものでつくられるとのことで
とても手が込んでおり美味しくいただいた。父はとてもこの宿を気にいったようで、次回は、泊まりに来ようとしきりに繰り返していた。
このお店においても最初に行く予定にしていたお店が満席で、且つ他のメンバーが参加できないこと、そして妹が数年前に訪れていたこの店のことを
教えてくれて、予約ができ、結果的に父がとても喜んでくれた流れは先ほどの日本酒と同様に導かれた感じがしてならない。
そして、祝いの宴を行った大社の近くの宿の壁には祝凧が吊るされていた。
古くから出雲大社の祭祀を司る千家と北島の両家に祝い事があった場合は、稲佐の浜であげられていたとのこと。千家家は鶴、北島家は亀を象徴しているとのこと。
出雲の伝統工芸紹介「大社の祝凧」 | 出雲市 (city.izumo.shimane.jp)
翌日は、天気予報は雨だったが、空は明るいので、近くの出雲大社を参拝した。30分ほど参拝して駐車場に戻ってきたところで、雨が急に激しく降りだし、みんなずぶ濡れにならずに帰路につけた。
父はスマホを持っていないので、この米寿のお祝いの日の出来事をフォトブックにまとめて両親に手渡そうかと思う。
今回は、司会をしたりしてカメラを取り出す余裕はなく、すべてスマホでの撮影となったが、SNSを重ねていく中、写真への抵抗がなくなり、フォトブックのレイアウト作業もスライドショーの動画を作成する要領も生かされたように思う。
花は葉に紅白の餅八の字に
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