だから生涯結婚しない男女が増えた…社会学者が指摘する「結婚前の男女交際」40年前との決定的な違い
ヤフーニュース/プレジデント・オンラインの記事より。
結婚という制度は、長い歴史を通じて多くの変化を経験してきました。しかし、近年日本では、結婚を選ばない男女が増加しているという現象が見られます。これは、単に個人の選択の多様化だけでなく、社会的な交際のパターンの変化が影響していると考えられます。
社会学者の山田昌弘氏は、この現象について興味深い指摘をしています。彼によると、40年前と比較して、異性との友人関係が大きく変わったことが、結婚しない男女の増加につながっているとのことです。
かつては異性の友人という存在が特別視されていましたが、現在では同性の友人と同様に普通の関係として認識されるようになりました。これにより、異性との関係においても「分散投資」が可能になり、一人の異性とだけ深い関係を持つのではなく、複数の異性とさまざまな形で関わることが一般的になってきています。
この変化は、日本の男女が授業やランチなどで自然と別々になる傾向にも影響しているようです。ドイツ人の大学講師が日本の大学で目にした、男女が別々に座る現象は、日本特有の社会的距離感を示しているとも言えます。これは、他人の目を気にする日本人の特性と関連している可能性があります。
このような社会的な変化は、結婚という選択肢に対する価値観の変化をもたらしています。結婚をしないという選択が、以前よりも社会的に受け入れられやすくなっているのです。また、結婚以外の生き方が豊かになり、個人の自由やキャリア、趣味など、自分自身の充実に重きを置く人が増えています。
山田氏の指摘は、現代社会における人間関係の変化を理解する上で非常に重要な視点を提供しています。結婚を選ばない人々の増加は、単なる統計上の数字ではなく、私たちの生活様式や価値観の変化を反映しているのです。これからの社会は、多様な生き方を受け入れ、支援する方向に進む必要があるでしょう。
結婚しない選択をする人々が増える中で、社会はどのように対応していくべきか、私たちはどのように理解し、支えていくべきか。これらは、これからの時代を生きる私たち全員にとって、考えるべき重要な課題です。。
結婚しない選択をする人々の増加は、日本だけの現象ではありません。世界中で未婚化・非婚化の傾向が見られ、多くの先進国で婚姻率が下がり続けていることが報告されています。特に、ヨーロッパでは事実婚の影響もあり、婚姻率が低い傾向にある一方で、アメリカでは近年、婚姻率の低下が顕著です。
アジア諸国に目を向けると、日本、韓国、中国では結婚と子どもを持つことが強く結びついているとされていますが、未婚化の進行も深刻です。例えば、韓国では「未婚大国・日本」よりも未婚化が進んでいるとの報告があります。
北欧諸国では、未婚で子どもを持つことに対する抵抗感が低く、特にスウェーデンでは「抵抗感が全くない」と回答した人が8割近くに上るという調査結果が出ています。これは、結婚に対する価値観の違いや、社会福祉制度の充実が背景にあると考えられます。
このように、結婚しない選択が世界的な傾向となっている背景には、経済的、社会的、文化的な要因が複雑に絡み合っています。個人の価値観の変化、女性の社会進出、経済的自立、都市化、教育水準の向上、医療技術の発達など、さまざまな要素が影響していると言えるでしょう。
未婚化・非婚化の進行は、単に個人のライフスタイルの変化だけでなく、社会全体の構造変化をも示唆しています。結婚という伝統的な制度が、今後どのように変化していくのか、また、社会はそれにどのように適応していくのか、引き続き注目されるテーマです。未婚化の進行は、新たな家族の形やコミュニティのあり方を模索する契機ともなり得るでしょう。
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