【連載小説】アウトロー 第二話「裏切りの代償」
第二話:裏切りの代償
リョウは狙撃ポイントからカズマを狙い続けていたが、引き金を引く直前に思い出が蘇った。かつての仲間だったカズマとの友情、そしてミサキとの裏切りの瞬間が彼の心を揺さぶった。
「リョウ、何をためらっているんだ?」依頼人の声が無線から聞こえた。
「…わかっている。」リョウは深呼吸し、再び狙いを定めた。しかし、その瞬間、カズマの背後にミサキが現れた。
「ミサキ…」リョウは驚きと共に、引き金を引くことを躊躇した。
ミサキの告白
ミサキはカズマに何かを伝えようとしているようだった。リョウは無線を通じて依頼人に報告した。「ミサキがいる。計画を変更する。」
「何を言っている?任務を遂行しろ!」依頼人は苛立ちを隠せなかった。
リョウは無視して、狙撃ポイントを離れ、ミサキに接触することを決意した。彼は静かに近づき、ミサキの背後に立った。
「ミサキ、何をしている?」リョウは低い声で問いかけた。
ミサキは驚いて振り返ったが、すぐに冷静さを取り戻した。「リョウ…あなたがここにいるとは思わなかった。」
「カズマを狙っている。だが、お前がいる理由を知りたい。」
ミサキは一瞬ためらったが、やがて口を開いた。「カズマは私たちを裏切った。彼の汚い取引を暴くために、私は彼の側にいる。」
「裏切り者が裏切り者を暴く…皮肉だな。」リョウは冷たく言った。
「そうかもしれない。でも、私は自分の過ちを償いたいんだ。」ミサキの目には決意が宿っていた。
共闘の決意
リョウはミサキの言葉に心を動かされた。彼は依頼人に無線で報告した。「計画変更だ。ミサキと共にカズマを暴く。」
「何を言っている?そんなことは許されない!」依頼人は激怒した。
「俺のやり方でやると言ったはずだ。」リョウは無線を切り、ミサキに向き直った。「一緒にやろう。カズマを暴くために。」
ミサキは頷き、二人は共にカズマの汚い取引を暴くための証拠を集め始めた。彼らはかつての仲間としての絆を取り戻しつつあった。
決戦の時
リョウとミサキは、カズマの取引現場に潜入し、証拠を押さえることに成功した。だが、カズマも彼らの動きを察知していた。
「リョウ、ミサキ…お前たちが裏切るとはな。」カズマは冷笑を浮かべた。
「お前の罪を暴く時が来た。」リョウは銃を構えた。
「やれるものならやってみろ。」カズマは挑発的に言った。
リョウとミサキは、カズマとの最後の対決に挑むことを決意した。彼らの運命は、この瞬間にかかっていた。
To be continued…
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