土の道
1
赤川のそばのみやげ屋で 季節がぽつんと終わる
命の曖昧な食卓について
大鳥が窓から飛び込むのに 待ちくたびれて
二人はできるだけ離れて歩く
土の道
2
ガラスで出来た虫が 壊れながら鳴いてる
モノクロシネマのトンネルを抜けた、たしか
雨の似合う街並みはそびえ ふる里からは遠い
冷たい夢はとうに終わった
はずだけどな
3
最後の一枚は孤独な 裏切りのカード
交差点ですれ違う顔に 嘘を暴かれる
捨てたものは 愛しい光の中で暮らす
神妙な顔で 今日も同じ
水を飲むんだ
4
退屈の滝は音もせず また見えもしない
優しい電話を待つ間 噂は神話を装う
あきらめの中で見つけた情熱の鉛筆で
強く塗りつぶされた顔に何を 言えただろう?
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