
僕と妻との544日間の記録_4 ステージ4B
現在:2024年12月8日
今日は妻の月命日。
あれから1ヶ月。
悲しみは癒えない。
時間は容赦なく過ぎていく。
この先自分はどこまでいくのだろう。
妻のいない世界で。
ステージ4B
2023年5月15日:544日
妻が異常を感じクリニックを受診。
その日のうちに総合病院に入院。
2023年5月19日:540日
退院
結果的に
更に大きな病院での再検査となった。
2023年5月22日:537日
その病院は県内でも最大の癌専門の病院だ。
第一印象は今でも覚えている。
「なんてところに来てしまったのか」
普通の病気なら絶対にこない病院だ。
それからの流れはこのようだった。
2023年5月26日:533日 CT
2023年5月27日:532日 検査結果
2023年5月30日:529日 PET
2023年6月6日:522日 MRI
2023年6月8日:520日 検査結果
2023年6月13日:515日 入院
癌がわかっておよそ一ヶ月。
入院と検査を繰り返した。
この時すでに515日しか残ってないことは知る由もない。
検査結果
先生に呼ばれる。
何かの間違いであって欲しいと願っていた。
癌ではなかった。
とか。
癌であっても治る。
とか。
とにかく明るい情報を期待した。
結果は
卵巣粘液性癌ステージ4B
粘液性癌?
ステージ4B?
初めてきくワードだ。
ステージ4にB
Bがあることを初めて知った。
つまりは進行が更に進んでいるってことだ。
腹膜と肝臓に転移が見つかった。
粘液性?
先生はこの癌のことを詳しく説明してくれたけど
あまり覚えていない。
ブラックジャックという漫画に出てくるそうだ。
妻は知っていて「うん。うん。」と聞いていた。
覚えているのは
この癌はとても珍しい癌であるということ。
婦人科の先生が生涯を通して
一度あるかないかというほど稀な癌であること。
そんなに珍しい癌なのか…。
標準治療が少ないということになる。
更に先生はこう言った。
「予後があまり良くない。」
予後?
よご?
よごがよくない?
なんとなく意味はわかった。
病院に来るたびにいつも悪い知らせを聞いてきた。
いつもいつも。
毎回、現実を突きつけられる。
これが病気か。
これが癌なのか。
チクショー!って心の中で叫んだよ。
ふざけるな!
誰にも、どこにも、
やりきれない想いで一杯だった。
僕らはこの先、先生に告げられるまで余命について聞くことはなかった。
あとどれくらい生きられるか。
これ以上悪い知らせは聞きたくなかったんだと思う。
この現実に更に叩きつけられるような数字は僕自身も耐えられなかった。
今振り返って当時と同じ状況になってもやはり余命は聞かない。
知らない方がいい。
人それぞれだと思うけど。
マイナスのことより最後までプラスを信じて生きていきたい。
そう願っていた。
[写真について]
ここで使用する写真は全て私や妻が撮った写真を使用しています。
[写真]
撮影者:JUN08
場所:横浜
カメラ:フィルムカメラ
時期:2022年5月
次の記事はこちら
前の記事はこちら