短距離で後半失速せずに駆け抜けたいあなたへ
こんにちは。良いトレーニングはできていますか?
大変お久しぶりです。
長く更新を止めていましたが、また細々と書いていこうと思います。
今回のテーマは「後半の失速を減らそう」です。
そもそもですが、短距離選手の中には、前半型とか、後半型とか、
そうやって走りを分ける傾向にあります。
俗に言う「後半型」と呼ばれる選手たちの何が優れているかといえば、
後半にスピードを上げているのではなく、
「一度上げたスピードが減速しにくい」のです。
よって今回は、その減速を防ぎ、後半失速せずに駆け抜けられるためのトレーニングを紹介したいと思います。
後半の失速に悩んでいる選手はもちろん、
俗に言う「前半型」の選手が後半もリードを保てるようになることも期待されます。
では早速。今回は2つのトレーニングを紹介します。
本記事はそのひとつ目です。
加速走バウンディング
みなさんは普段、学校やクラブチームなどで「加速走」をやっていますか?
10mくらい走ってから、その先30mから100mくらい走るというものです。
トップスピードを維持することに目的があり、これ自体にも後半の失速を防ぐ狙いもあります。
ただこれには、技術トレーニングとしての要素が低いという弱点もあります。
加速して走るだけ、と考えてしまえば、目的を見失いがちです。
そこでお勧めしたいのが加速走バウンディングです。
(YouTubeで「スピードバウンディング」と検索すると、YouTuberの動画がいくつか出てきますので
どんな感じのものなのかはわからない人は検索してください)
10m加速(ここは普通に走る)したのち、30mから100mはバウンディングで進む、というトレーニングです。
この時、測るのは
・バウンディングのタイム
・バウンディングの歩数
の2つです。
もちろんタイムは速く、歩数は少なくなることを目指してください。
このトレーニングでは、走るよりも減速が明らかに見えるバウンディングを行うことによって、
速いスピードの中で、ブレーキの少ない重心移動を覚えるという目的があります。
これが上達するとも、走りの効率が良くなり、結果、後半も失速しにくくなることが期待されます。
このトレーニングの面白いところは、
タイムを速くしようと思ったらバウンディングの歩数が無駄に増え、
歩数を減らそうとすると、どうしても上にジャンプしてしまい、
タイムが遅くなってしまうというジレンマが生じることです。
以前、ピッチとストライドの関係を書いた記事があるのですが、
ここに階段を駆け上がる時のことを書きました。
6段抜かしで階段を上がろうとすればピッチが落ちて進むスピードは落ち、
1段ずつ走ると、努力の割に進まない、というものです。
加速走バウンディングにも似たようなところがあって、
いかにスピードを殺さず、かつ歩数を減らせるか、というものを目指さないといけません。
言い換えれば、バウンディングの1歩を、スピードが落ちないギリギリまで長くするということです。
そこで。普段バウンディングをトレーニングに取り入れている人も、
正直苦手な人も、おすすめの練習方法があります。
それは、「二兎は追えないから一兎だけ追ってしまおう」練習です。
二兎を追う者は一兎をも得ずという言葉があるように、
加速走バウンディングは、うまくやらないと、スピードも歩数も中途半端な練習になりがちです。
なので、いきなり理想を求めるのではなく、まずは
・歩数は気にせずとにかくタイムを速く
・タイムを気にせずとにかく歩数を減らす
の2つに振り切ってやってみましょう。
もちろんこの時にも、それぞれタイムと歩数の両方を測ります。
そしてここから、やりやすい方で構わないので
・バウンディングの1歩を伸ばしてみようかな
・もっと次の足をつくタイミングを速くしてみようかな
と、自分の中で少しずつ自分の殻を破っていってみてください。
先ほど引用した記事にも書いてありますが、あくまでも目的は速く走ること、
記事を引用すれば「自分に合ったピッチとストライドを見つけること」です。
ぜひこのトレーニングでも最適なバウンディングの歩幅と歩数を見つけて、
タイムを縮めてくださいね。
このトレーニングおこなうにあたっては、バウンディングの技術がどうとかの前に
大きな動きで行うようにしてください。
大きく身体を動かすことが推進力につながります。
バウンディングに慣れていない人はまずはそれだけ意識しましょう。
また、中学生の選手は、地面が柔らかい土の上で行い、
10m加速後は、どんなに長くても50mにしましょう。
はじめは30mで良いと思います。
成長期の骨には割と負荷が強めですので、アフターケア(足の裏のマッサージ)も行いましょう。
今回で一気に2つのトレーニングを紹介するつもりでしたが、
長くなったので記事を分けようと思います。
次回も加速走の話をしようかと思っています。
また違った視点で後半の失速を考えたいと思います。
それでは。