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「確定申告」は自由にSaaSをいじくり回すチャンス

どうも、エンジニアのgamiです。

先週、確定申告を無事に完了しました。

僕は細々とした副業やふるさと納税くらいしかしていないのですが、とはいえあれこれ考えるのが面倒なのでfreee会計のスタータープランを年間契約して確定申告と戦っています。

僕はSaaSを提供する会社で働き、SaaSに関するnoteを何本も書くくらいにはSaaSが好きなのですが、とはいえ目的も無いのにSaaSをあれこれいじくり回すほどの変態でもありません。それもあって、普段から個人でSaaSを触るきっかけを常に探しているようなところがあります。

世の中で確定申告は嫌われがちで、僕も「全ての決済をトラッキングして自動で納税額決めてくれー」と常に思っています。とはいえ確定申告という事務作業の塊に直面しそれを効率的にこなすための仕組みをあれこれ考えるという作業は、割と好きで楽しいと思っています。確定申告は、SaaSを使った軽いエンジニアリングを体験するのにもってこいのイベントではないでしょうか?

今回は確定申告を題材にしつつ、個人でSaaSを使うことの価値について考えます。


確定申告で工夫したポイント

僕は経済学部の出身なのですが、残念なことに会計については大して詳しくありません。確定申告も最初は「マジでわからねえ。。。」という感じだったのですが、今年で4回目ともなると、「ここは雰囲気でいける」とか「ここは自動化できる」みたいな勘所が徐々にわかってきました。

僕の確定申告人生で工夫したポイントをまとめると次の通りです。

・とりあえずfreeeのスタータープランを契約する
請求書はfreeeで発行する
・個人用と別に事業用の銀行口座をつくる
・freeeのリピート取引登録アプリを使う  ← New!
・freeeの取引テンプレートを使う ← New!

「とりあえずfreeeにお金払う」というのは最も重要な意思決定で、業務特化のSaaSは知見の塊なので、月1,000円の出費をケチって毎年地獄を見るならその知見を借りて楽をした方がいいと思います。ちなみに、特に意志を持ってfreeeを選んだわけではないのでマネーフォワードでもやよいの青色申告オンラインでも良いです。

確定申告で最もボリュームが大きい作業は収入や支出などの取引登録であり、ここをいかに効率化できるかが全てです。業務フローをfreeeに寄せたり、freee上であれこれ自動化したりすれば、かなり楽ができます。

副業先から請求書ベースでお金を貰う場合、これまではMisocaで請求書発行をしていました。ただ、freeeを使うようになってからはfreeeで請求書発行をするとそれに紐づく取引が自動作成されるので、そうしています。

また銀行口座を事業用で別に作ってfreeeと連携すると、入出金の明細から半自動で取引登録できます。僕の場合は、個人用に使っていたSMBCの口座を事業用に切り替えて、住信SBIネット銀行の口座を新たに個人用に開設しました。これも実際の取引が複数まとまって入出金されるケースでは個別に取引する必要が(たぶん)あったりするので万能ではないですが、事業用口座の動きを見るだけで事業収支の全体像をチェックできるので便利です。

今回の確定申告では、さらに2つのfreeeの機能を知って使い始めることができました。

1つは、「リピート取引登録アプリ」です。たとえば僕が副業で使っているnoteプレミアムやWraptasなどサブスクサービスは、毎月同じ額の利用料を支払うことになっています。こうした繰り返される同額の取引を予め登録しておくことで、定期的に支出取引を自動登録してくれます。

2つ目は、「取引テンプレート」機能です。よく使う取引をテンプレートとして登録しておくと、取引登録時に選んですぐに値をセットできます。地味に知らなかった。

「取引テンプレート」機能

とまあ色々と書いてきましたが、年に1回しかまともにfreeeと向き合わないので、いざ確定申告に取り組もうとしても去年やったことはほとんど忘れています。自分の記憶力への信頼の無さは30年も生きてきたら分かりきっているので、作業ログやTODOリストは年ごとに分けてesaに残すようにしています。

仕事で使うSaaSの運用は制約が多い

見てきたように、僕にとっての確定申告は「freeeを使って攻略すべき対象」みたいな節があります。確定申告そのものを目的にすると辛いですが、「最も楽して確定申告を終わらせるためのfreeeの使い方」を考えるゲームだと思うと楽しくなってきます。(本当か?)

個人でSaaSを使い倒すのが楽しいのは、「何をやってもいい」という自由さにも起因します。

われわれは会社の中の業務でもSaaSをたくさん使っています。しかし、普通は複数人や複数チームが共同で使っているので、設定変更の影響が読みきれなかったり、利用ルールが細かく決まっていたりします。新しくSaaSを契約して使い始めたいと思ったときも、会社のお金を使うための承認フローを通さなきゃいけなかったり、セキュリティチェックが必要だったりします。会社のみんなでSaaSを使うとき、不自由を感じるタイミングはとても多いはずです。

その点、個人でSaaSを使うだけであれば、こうした制約がほとんど無い中で、自由に使い始めたり使い倒したり壊したり直したり解約したりできます。SaaSの導入や運用について最初から最後まで自分の意志で全て決められるのは、なかなか仕事ではできない体験です。素晴らしいですね。

「そこまでして別にSaaS使いたくないです」という声が聞こえてきそうですが、そんな人は以前書いたこの辺りのnoteを読むと気が変わるかもしれません。

そもそもある特定の業界や職種に特化したSaaSプロダクトは、その業務の理想的な進め方について考え抜いた結果をソフトウェアとして表現したものです。営業であればSalesforceを使いこなすことを、人事労務であればSmartHRを使いこなすことを、最初にやるべきwhatに置くことでひとまず一歩進むことができます。各SaaSプロダクトには利用者がプロダクトから価値実感を得るまでのオンボーディングプログラムがあり、それに従って使い慣れていく中で、自然と自部署の理想の業務プロセスを再考させられます。

SaaSは仕事を「価値」にフォーカスさせる|gami | エンジニア|note

個人利用はSaaSの実験場

もちろん、個人ではとても利用できない料金がかかるSaaSもたくさんあります。一方で、無料や月額1,000円くらいまでのプランでも十分便利に使えるSaaSもたくさんあります。

たとえば、僕が日々の生活や個人活動で使っている主なSaaSを挙げてみると次の通りです。

# 有料プラン利用中
- freee: 確定申告
- esa: ドキュメント管理
- Wraptas: NotionをWebサイト化するやつ
- Notion: Webサイトのコンテンツ管理
- noteプレミアム: 定期購読マガジンの配信

# 無料
- GitHub: タスク管理
- Figma: 画像編集

こう見ると、月額4,000円くらいは業務でも使いそうなSaaSっぽいサービスに個人的にお金を払っていることになります。

確定申告に限らず、自分の生活や個人活動には「業務っぽいもの」が潜んでいます。その「業務っぽいもの」にあえてSaaSを武器に真剣に取り組んでみると、仕事やキャリアにつながるヒントが得られるかもしれません。自分のお財布からSaaSにお金を払うのは少し勇気がいりますが、ぜひみなさんもやってみてはいかがでしょうか?


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