過去には絶対戻れないらしいぞ
先日、ナショナルジオグラフィックで『ホーキング博士のジーニアス』という番組をDisney+(ディズニープラス)で観て、未来へは行くことができても二度と時間は取り戻せないことが科学的にわかっているという事実を叩きつけられ、少し思慮にふけったので共有します。
この番組、主に宇宙に関する科学的発見を、一般人とちょっとした実験で偉人達と同じ思考回路で考える、といった感じなのですが、大人からお子さんまで非常にわかりやすく作られていて感激しました。
科学的発見はどれもニュートンの「万有引力の法則」など、一度は聞いたことがあるものばかりですが、考え方・発見の過程もなぞれ、ちょっとした歴史も学べたりもし、こんな昔から知ってたこともあるのか!という驚きや、逆に、ごくごく最近にわかったことなんだ!とった驚きもあり、端的にすごくおもしろかったのでオススメです。
今回記事にしているのは最終回のタイムトラベルについてです。詳しくは番組をご覧ください。
従来から、人間は「時間」と「空間」を分けて考えていました。「時間」はただ流れていて、その上に「空間」・自分たちがいる、というような。例えるなら、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のように、過去に戻って未来を変えてみたり、現在放送中のドラマ『俺の可愛いはもうすぐ消費期限』のように、過去(未来)の自分とばったり遭遇したりなど、時間を巻き戻しても人の動きなどは自由のままだ、というのが一般的に信じられていました。
しかし、その考えはアルベルト・アインシュタインによって覆されます。アインシュタインの研究で、「時間」と「空間」は分けて考えるべきではなく、「時空」として切り離せないものだと唱えました。簡単に言えば、今僕がタイピングしている時間とキーボードなどの空間も、すべてセットで流れ・動いている、と。つまり、時間を巻き戻せば、動画を逆再生しているように指もキーボードもこの文字も巻き戻る、といった感じです。
この概念を世に知らしめたのが、いわゆる「特殊相対性理論」です。
違った言い方をすれば、例え時間を巻き戻せたとしても、また秒針を前に進めたら、まったく同じ未来に帰結する、ということにもなります。
とはいえ、時間を巻き戻せたら、少なくとも過去に何かしらの形で別れてしまった人やペットなどとの時間を繰り返し経験できるのでは?と思いますよね。だがバットしかし、残念ながら科学者たちは意地悪で、そこも矛盾を指摘しました。
例えば、10年前の過去に戻る自分がいたとします。時間を巻き戻して10年前に戻ると、そもそも意識も巻き戻るので、10年前の現在進行形の自分になってしまいます。だから戻った感覚もなければ当時の何も考えず鼻くそほじってた自分に戻るだけです。残念。
もし仮に意識・肉体が巻き戻らないと仮定しても、矛盾が発生してしまいます。10年前の自分と、タイムトラベルした自分が同時に、しかも同じ空間に存在していないといけなくなります。
10年前の自分からは、タイムトラベルした自分が、そのタイムトラベルを巻き戻して未来へ向かっていく状態に見えます。さらに、さらに!10年前にタイムトラベルをした自分視点で見ると、また未来へと時を進めなくてはなりません。
そうなると、10年前の自分からは、自分と、過去にタイムスリップしてきた自分の逆再生をしている自分と、過去にタイムスリップしてきた自分がまた未来に向かう自分と、のように同一空間に幾重にも重なる自分が存在してしまうことになります。
少し難しいかもしれませんが、端的に、物質的にも概念的にも、あり得ないという結論になります。
残酷な事実を突きつけるようですが、一度過ぎた時間は元には戻せないようです。
・・・が、悲観的になりすぎる必要はないかもしれません。なぜならば、1つだけできることがあります。それは、
未来は自分で選べる
ということです。
まあ、普通に考えてもみてください。過去に戻っていくらでも変えられるのならば、人間は何もしなくなるかダメになると思いませんか?だって犯罪に手を染めても戻せますし、一生ニートでも時間戻せばいいわけで・・・
じゃあ、いつやるの?今でしょ!
ある種、この機能は生物を前向きに、進化させるために必要不可欠な要素なのです。時間が戻せないから懸命に生きていかなければならないし、一期一会を大事にすべきだし、フェアプレーで競い合ってお互いを高めるべきでし、ずるや騙しなどはすべきではないし、人には優しく接するべきだし、夢は諦めるべきではないし、自分の信念に沿って生きるべきで、幸せであるべきなのです。
今、この一瞬が、常に永久保存され続けていると思うと、あなたはどう過ごしたいですか?どういう考え・気持ちを持っていたいですか?
- JumpE(じゃんP)
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