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デンマークの国土と初めてのホイスコーレ訪問
デンマークの地理を知らなすぎた僕たち
今回のデンマークへの旅は、現地でのコーディネイトを担当してくれるワタルくんとコペンハーゲンで合流して、最初の目的地の「ブレンデルップホイスコーレ(Brenderup Højskole)」に向かうという計画でした。
いざコペンハーゲンに到着したときに、ナカタニさんと僕は、Google Mapを見て唖然としたのでした。
ワタルくんは現在、デンマーク自治領のフェロー諸島という小さな島に住んでいます。彼がフェロー諸島からコペンハーゲンまで飛行機で来ることは、オンラインでの事前打ち合わせを通して知っていました。しかし、僕らの感覚では、せいぜい東京から伊豆諸島に行くぐらいの距離だろうと考えていました。
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ところが、Google Mapで「フェロー諸島」を検索すると、なんとイギリスよりもずっと離れた場所にあるではありませんか!
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フェロー諸島はデンマークと通貨も異なり、入国にはビザが必要なほどデンマーク本土とは異なる場所です。そんな遠い場所から、わざわざおじさん二人のために来てくれるなんて……。
コペンハーゲンからフュン島への移動
さらに、コペンハーゲンから次の目的地までは高速バスと車で3時間ほど。距離感がつかめないまま、ちょっと気軽に頼みすぎてしまったかもなあと、おじさん二人は反省しきりでありました。
デンマークは最高地点が、標高わずか171メートルという非常に平坦な国土で、島々が集まってできた国です。主要な島は東から、首都コペンハーゲンがあるシェラン島、中央のフュン島、そして西側でドイツとつながるユラン半島です。
コペンハーゲンで集合した僕たち三人は、高速バス「Flixbus」に乗ってフュン島に向かいます。デンマークはほとんどがキャッシュレスで、スマホで申し込んでQRコードを見せるだけで指定の座席に座れます。バス内には電源もあり、快適な移動ができました。
フュン島に到着後、ワタルくんと以前ともに岩手で活動していたデンマーク人のトリーネさんと合流し、彼女の運転で「ブレンデルップ・ホイスコーレ」へと向かいます。
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ブレンデルップ・ホイスコーレに到着
到着後、今夜宿泊する部屋に案内してもらいました。学生と同じフロアにある、ベッドと机のみのシンプルな部屋で、シャワーとトイレは共用です。
地方にあるほとんどのホイスコーレは、空室があれば家族や友人が泊まれるようになっています。ゲストステイの価格が明記されていない場合が多いので、今回はワタルくんが事前に予約をしてくれました。
到着して荷物を置き、スマホを充電した後、校舎の見学をすることになり、先生のKirsten Svenningsenさんが案内してくれました。ブレンデルップ・ホイスコーレは100年以上前にホテルとして建てられた建物を、1986年に「Den Nordiske Højskole for Fred(北欧平和ホイスコーレ)」として再利用し、現在の形になったという話です。
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生徒数は約50人と比較的小規模ですが、裏庭には、学生が自分で家を建てたり、サステナブルな農業を学べる広い土地があります。
ホイスコーレの目的の一つは「自立できる人生を送るためのライフスキルを身につける」ことです。Kirsten先生は、冗談まじりに「自分で家を建てられて農業ができれば、ローンにも収入にも縛られずに生きていけるでしょう」と話していました。確かに、ほぼ自給自足できれば、お金の心配もなくなり、嫌な仕事をする必要もなくなります。
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デンマークに来る前、フォルケホイスコーレは職業訓練の場かと思っていましたが、ここはお金を稼ぐ以前の「自立」を教える場所でもあるのだと気づかされました。
ブレンデルップ・ホイスコーレはアート・音楽・手芸・園芸など、手を使う作業が好きな人に向いています。
僕らが訪れた日は「手芸の短期コース」が始まったばかりで、高齢の女性が10人ほど入寮していました。彼女たちは羊の毛刈りからパッチワークのデザインと制作まで、約10日間かけて学ぶとのことです。
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彼女たちはこのコースの申し込み後、ずっと入寮を楽しみにしていたそうで「10日間は家事から完全に解放されて好きな手芸に没頭できる」とか「夫から10日間も解放されるなんて幸せ」などと口々にいいながら見せてくれる笑顔が印象的でした。
一方、長期コースを選んだ学生は比較的若く、20代が多いようです。長期コースでは「A subject」というメイン科目と「B subject」というサブ科目を自由に組み合わせて学ぶことができます。
フォルケホイスコーレでは、すべての授業に課題や試験がない代わりに「自分で選んだクラスには必ず出席する」ということが唯一のルールです。
授業は午前と午後に3時間ずつ。それ以外の時間は自由で、お茶を飲んだり、楽器を弾いたり、ヨガをしたりと、学生たちはそれぞれ思い思いの時間を過ごしていました。
夕方6時になると、生徒も教員もゲストも全員が食堂で一緒に食事をとります。機内食のときから感じていましたが、デンマークはパンがとても美味しい。この日のメニューは、キッチンで焼きたてのパンとカレー風味のチキンか温野菜、サラダとライスという献立でした。
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次回は、Kirsten先生や、かつてブレンデルップ・ホイスコーレで先生をしていた日本人のマユミさん、現在学んでいる日本人の学生さんたちとのお話をシェアしたいと思います。
それではまた。ジャンプ🚀