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なぜ人はアプリの月額課金をするのか

最近月額課金モデルのアプリがとても気になっている。なんだかすごい儲かるらしいぞ!!

だがそもそも、人はアプリにお金を落としているんですかね?

「5年で「スマホゲームの寿命」は10倍速に、AppAnnieが語る2016年のアプリ市場。日本市場の95%は「アプリ内課金」が占める(有料アプリは3%以下)」
http://appmarketinglabo.net/appannie2016/

まず現状として、この記事で言及されているように、日本でのアプリにユーザーが落とす金額はどんどん増えているのが現状のようで。現に私の周りでもスマホゲームなど以外にも

- Apple Music
- Pairs
- Netflix

など月額課金型のサービスにお金を落とす人が増えている。
でもいったい何がそんなに人に月額課金をさせるんだろうか?まずは月額課金型のモデルを3パターンに分けて考えてみる。

月額モデルを3パターンに分ける

1. それによって「サービスを利用できるようになる」
HuluやNetflix、Spotifyなど。有料登録をすることでコンテンツを見たり、利用することができるようになる。

2. それによって「割引やポイント特典を得られるようになる」
食べログやヤフープレミアムなど。大体のサービスが無料でも広告などで十分マネタイズできている。

3. それによって「サービスの特別な機能・コンテンツが使えるようになる」
Pairsやクックパッド、NewsPicksなど。検索結果をソートしたり、ユーザー間コミュニケーションをするために登録させる。

おそらく大体の月額課金モデルはこの3パターンに分けられると思う。
メリデメはあれど、今考えたいのは、なぜそれぞれお金を落とす人がいるのか。それぞれユーザーの状態・行動・心理変化を考察してみる。

それぞれに月額課金するまでの流れ

1. 例)Spotify

状態:未登録 ➡︎ 有料会員・利用者

行動:広告、口コミで認知 ➡︎ コンテンツで比較 ➡︎ 意思決定 ➡︎ 月額課金

心理変化:月額制の音楽聴き放題のサービスがあるのか ➡︎ とりあえずアプリ入れてみよう ➡︎ いろんな曲あるな・・・でもAppleMusicとかAWAもあるよな ➡︎ どこがちがうんだろう?? ➡︎ こっちのほうがプレイリストが多いしアプリも使いやすい!! ➡︎ 980円なら払おう

2. 例)食べログ

状態:未登録・利用者 ➡︎ (無料登録) ➡︎ 有料登録

行動:食べログサービス内で認知 ➡︎ 割引率、利用できるコンテンツなどを検討 ➡︎ 意思決定 ➡︎ 月額課金

心理変化:お店探そう ➡︎ 食べログがヒットする ➡︎ クーポンにプレミアムというのがあるのか ➡︎ プレミアムというのに入会すると特別なクーポンだけじゃなくてソート機能も使えるのか ➡︎ すごい安くなる! ➡︎ これなら登録しよう

3. 例)Pairs

状態:未登録 ➡︎ 無料登録・利用者 ➡︎ 有料登録

行動:広告、口コミで認知 ➡︎ 無料体験でコンテンツを見る ➡︎ もっと利用したくなる ➡︎ 意思決定 ➡︎ 月額課金

心理変化:
Pairsというのが評判がいいらしい ➡︎ 高いけど無料登録もできるししてみよう ➡︎ 綺麗な人がいっぱいいるな・・・ ➡︎ メッセージをするには有料登録が必要なのか ➡︎ メッセージがきたが見れない・・・くっ! ➡︎ 登録だ!!!

ここでは意思決定の直前の行動と状態を考えたい。
それぞれのケースで意思決定をさせるに至った行動が異なる。

意思決定を作るきっかけ

カスタマージャーニーの話かな?とも思ったが、カスタマージャーニーマップはもう少しスコープの広い考え方なので、今回は言及しない。それ以外にも「購買心理」とか「消費者心理」とかでググると色々な考え方が出てくる、改めて調べる面白い。7なのか8なのかはっきりしろ。

- パーチェスファネル
- 購買心理の7段階
- 購買心理の8段階

もっと小さく狭く考える、課金する直前か少し前の時点にあるきっかけについてここでは考えを整理する。

1. きっかけはなんなのか ➡︎ 「コンテンツ」で比較したこと
音楽の定額サービスはすでにサービスモデルが一般的に広く認知されている。iPhoneにはAppleMusicがあるし、GoogleにはGoole play Musicがある。そうなると「使ってもらう」ではなく「選んでもらう」必要が有る。

そこで「トライアル」「無料体験チケット」「初月割引」などを使って比較優位に立てるような経験をさせること。これが重要になっているのかな。実際にどのサービスもこれらの施策を実施している。

例えばここで述べているSpotify。「トライアル+広告を見た人・聞いた人には有料版を体験させるモデル」になっている。さらに無料版ではシャッフルでしか再生できないし、「次の曲へいく」のようなシンプルな操作でさえできなくしている。

楽曲の豊富さやプレイリストの充実=コンテンツはユーザー目には見えているため比較優位に立たせることに成功している、それを使うのには有料化しないといけない。思わずわたしも有料化した(白目

他の2つと異なり比較というプロセスが入るモデルは常に市場でユーザーを食い合っているので、常に比較優位に立つために競争優位性の高いコンテンツなどを自社にバキバキ入れていかないといけない。

2. きっかけはなんなのか ➡︎ 割引率、利用できるコンテンツなどを検討
こちらは利用者に対してアプローチをするものがほとんど。すでに利用しているという点で、他の2つとは異なる。比較のプロセスは挟まず、そのサービスの利用頻度などを考えて課金するかを考えることが多い。
つまり、「ある条件の人(利用頻度が多い人など)にお得であること」「ある条件の人(さまざまなそのサービスドメイン内の機能を使う)にお得であること」が伝わらないといけないのか。

確かに、クックパッドのプレミアムページのLPを見ているとよく料理をする人=クックパッドを高頻度で使う人が必要な機能が有料機能として入っている。LPの構成も「もっとレシピが見たい人」に対して適切に訴求できるように「どんな風に使うのか」「どんなことができるのか」などが見やすい構成になっていて月額課金をするメリットが非常に明確である。

同時にwebで検索してレシピを見つけられている時点で、そのサービスに対する成功体験を得ているので信頼も得やすい。

3. きっかけ ➡︎ もっと利用したくなる 
このパターンは2とは異なりまずそもそも無料登録しなければ使えないことが多く、有料化のだいぶ前からモチベーションが高いことがうかがえる。
そう考えると他の2つより、有料化のハードルは低いのかもしれない。

Pairsを例にとると、「素敵な女性に出会えるかも」という根拠のない人類が抱きたい幻想No.1のモチベーションを人質に取られているようなもので、有料化不可避。いかに定量的・論理的に分析するも、「結局は人のスケベ心である」片付けられてしまうものであるが、今回はそういったエモい考察はしない。

Pairsに入ってくるユーザーのモチベーションは「彼女・彼氏を作る」の前にある「いい人に出会う」ことだとまず仮定する。そこに対して誰しもが取るべき「選別」というプロセスをPairsでは巧みに有料化している。メッセージを送ることはもちろんのこと、いくつかの検索条件は有料化してなければ使えない。

このモデルはヘビーな人により様々な手段や機会を提供し、そこに重量型の課金を設けることで、より使う人からはより収益を獲得できるようになっている。

結局何でみんな月額課金しているのか

1. 有料サービスを使いたい人が ➡︎ 比較して、いいと思って ➡︎ 月額課金する
2. サービスを使っている人が ➡︎ もっとお得に便利に使いたくて ➡︎ 月額課金する
3. 無料サービスを使ってみた人が ➡︎ もっとやりたいことができて ➡︎ 月額課金する。

このどれかになるんだろう。めちゃめちゃ当たり前のことだけど、分解してみると結構当たり前の話だった。ここまでシンプルにするといろんな企業を分類できるので、次回はその比較をしてみます。

*参考
- http://thestartup.jp/?p=13884
- https://growthhackjournal.com/choose-an-app-monetisation-model/
- http://blog.alco.co.jp/archives/4349

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