【TV離れ】お笑い番組「ジョンソン」が9月で打ち切りらしい。やっぱり、かまいたち、ニューヨークじゃまだ厳しいか。なかなか千鳥以降のお笑い芸人が本当の意味でのブレイクを果たせないね。

かまいたち、見取り図、ニューヨーク、モグライダーという今、人気の4組が出演するお笑い番組、「ジョンソン」が9月で終了する事が決定した。
普段テレビをあまり見ない筆者は一度たりとも見た事が無かった当番組だが、視聴率が芳しくないという悪評判だけは聞いていた。

どうしてコケてしまったのか。
既に様々なネット記事などでこの件については言及されているので
ここから先の内容は、あくまで素人の筆者目線による独断と偏見である。

まず、かまいたちやニューヨーク、見取り図らはシンプルにまだまだお茶の間の認知が足りていないのだと思う。要するにゴールデン番組を持つにはまだ"世間のお墨付き"を貰っていないのである
企画の良し悪し以前に、よく知らない二イちゃん達がオフザケしているような番組を世間が好意的に見てくれる事はない。そこに明石家さんまや、ダウンタウンといった誰もが知る"重し"がいれば話は別であるが、まだそこまでではない若手・中堅だけのこういうバラエティは、"お笑い"をしているというよりどうしても"ただただ悪フザケしている"ふうに映ってしまいがちだ。

まぁやっている本人たちは真剣にオフザケしているわけなのだが、当然全ての視聴者がお笑いに詳しいわけではなく、芸人の心情を汲んでくれはしない。それがこのクラスの若手・中堅芸人の辛いところだろう。
そしてジョンソンはかつてのリンカーンの意思を継ぐ"純度の高いお笑い番組"を目指していたという事もある為、旬の有名俳優や歌手などをゲストに呼んでテコ入れ(数字稼ぎ)する事もあえてやらなかったのだと思う。

お茶の間認知度の低いMC4組に、脇を固めるゲストが更に認知の低い若手お笑い芸人たちでは相当な当たり企画でも無い限り視聴者の興味を引くのは厳しかったのだろう。
人気の芸能人などを毎回ゲストに呼び、視聴者のニーズに合わせて柔軟にヒット企画を生み出していってるフジの「新しいカギ」とは対照的に、視聴者に媚びないお笑いファーストの「ジョンソン」はその硬派な番組姿勢がかえってアダとなってしまったのだと思われる。

ところで話は少し脱線するが、この前会社の若い子と何らかの弾みでお笑いの話になった。
そして筆者が当然のように「M-1の時の見取り図がさ〜」と切り出したら、その時信じられない反応が返ってきた。

若い子「・・え?見取り図って誰?」
と返されたのだ。

ちなみにその子の年齢は二十歳ぐらい。今、毎日のようにテレビに出ている見取り図を知らないというのだ。
そんなのそいつがたまたま知らなかっただけだろと言われたらそれまでだが、90年代前半に森脇健児やウンナンを知らない若者なんて存在しなかったように、これは昔の常識なら絶対に考えられなかった事だ。今のテレビの影響力の無さを実感した出来事だった
かまいたち、見取り図は確かにテレビで見ない日が無いほど売れているが、
それは単に「テレビに沢山出ているタレント」であり、「世間に名前と顔、キャラクター(人間性)を周知されているタレント」にはまだ成れていないという事だろう。

ちなみに、かまいたちや見取り図の少し上の世代にあたる「千鳥」や「オードリー」は、その見た目やキャラクターがもう十分に周知されているといっても過言ではないほど世間に浸透している。
この二組とジョンソンの4組は一見近いように見えて、大きな隔たりが存在するように思う。

趣味や娯楽が人の数だけ存在する昨今、テレビ以外のエンタメ(YouTubeやTikTok、ネトフリなど)に人々は散り散りに分かれてしまい、もはやテレビという箱に群がる人々は限りなく少なくなっている。
歴史に戦前と戦後があるように、テレビ界にも、明確な「テレビ離れ前」と「テレビ離れ後」が存在する。その境目は2010年代だと考える。
「テレビ離れ前」にブレイクを果たした芸能人ほど世間的な知名度が高く、「テレビ離れ後」に出てきたタレントで最近になればなるほど世の中の認知が薄れていくという傾向は間違いなく感じる。
特に令和に入ってから売れた芸能人の殆どは、局地的な人気と認知に支えられている。
最近はユーチューバーやインフルエンサーといった一般人に毛が生えたような面々が次々とテレビに参戦するようになり、こういった状況も拍車をかけ世の中が新しいテレビタレントの名前を覚える事を完全に諦めてしまったように思う。これでは当然、狭い特定コミュニティの中だけでの有名人にしかなれない。

ジョンソンの4組は「テレビ離れ後」に売れたお笑い世代に当たり、この世代がどんなに頑張っても
「テレビ離れ前」、つまり昭和〜平成中期の時代から活躍する大御所世代との差が埋まらないのが今の現状である。
この"高齢社会ニッポン"のテレビ視聴者が30年、40年前からずっと観てきたビートたけしや明石家さんまダウンタウンと、最近になってポッと現れたお笑い芸人では、その歴史も深さも思い入れも何もかもが違いすぎる。どうやったって若手が勝てるわけがないのである。
つまりジョンソンのMC世代が有名になりテレビの中心を担うには、今の大御所世代やその世代を見てきた視聴者世代が全員お墓に入るのを待つか(視聴者層の代替わり)
もしくは、そんなん関係ないほど売れて、売れて、売れまくるしかない。(・・でも今のテレビでどうやって?)

かまいたち、見取り図、ニューヨーク、モグライダー、全員確かな実力があり面白い4組だけに
時代の不運に泣かされている感は否めない
千鳥、オードリーが本格的なテレビ離れ前に「ギリギリ滑り込んだ」最後の世代だとしたら、ジョンソンの4組は「間に合わなかった」悲劇の世代だろうか・・

しんどいテレビとお笑い界の現状を書いていたら自分もしんどくなってきたので今回はこれぐらいにしとこう
おわり。

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