#77 佐々木俊尚さんのVoicyをきっかけに、映画『 TATOO<刺青>あり』を観ました。
10月14日放送の佐々木俊尚さんのVoicy「ネットフリックスで蘇ってくる1970年代のアウトローたち」を聞かれましたか?
『TATOO<刺青>あり』は、1979年に発生した三菱銀行人質事件の犯人を題材とした作品とのご紹介を聞き、まず、その事件はあれかな?と気になり、早速検索すると、やはりあれでした。当時、私は小学生でしたが、前日に発生した事件が、翌朝起きてもまだ解決していなかったことだけは覚えていました。
同じ放送で取り上げて下さった『復習するは我にあり』は既に観ていました。この作品は、佐木隆三さんの小説が原作で、その佐木さんの『身分帳』が原案の『すばらしき世界』を観たことをきっかけに観た作品です。凶悪犯役が緒形拳さん、その妻が倍賞美津子さん、緒形さんの父親が三國連太郎さんです。緒形さんの悪人ぶりが非常に腹立たしく感じる位に迫真の演技、そして、賠償さんと三國さんの露天風呂シーン他、今では絶対に撮影されない様なシーンも多く、昭和の時代と今の時代の違いが明確に観て取れました。
犯人役の宇崎竜童さんは強盗事件において射殺されますが、その遺体検案シーンからスタートし、強盗に入るところで終わります。そして、作品自体は、宇崎さん演じる竹田の半生が描かれています。15歳で人殺し、それも何度も包丁で刺し、こたつのお膳で連打する様な凶暴な方法で殺害します。その後は、水商売や高利貸しをしながら、8年間一緒にいた恋人、当時の関根恵子さん今の高橋惠子さんには、暴力を働きつつも、怪我のケアや料理をするなど、今でいるDVをする、子悪人として暮らしつつ、30歳には大きなことを仕出かそう、という野望を抱いていました。
悪人ではなく、子悪人としたのは、逃げられた元恋人の次の男は、山口組の田岡組長を狙撃した鳴海だったからです。竹田は暴力的で人殺しまで行っているものの、いわゆるヤクザではなかったことから、子悪人と思いました。
どちらの作品もポリコレ的に現在は映画作品にはなり得ない、です。Netflixなどが登場して、アウトロー風の作品が登場してきたが、こうした作品、つまり世の中は綺麗事ばかりではない、ということが伝わる作品も必要だ、とい趣旨のお話しを佐々木さんは放送でして下さっています。
このnoteの中で取り上げた3作品の中では、『すばらしき世界』が2021年の作品ということで、見易いです。見易い、というのは、伝わりやすい、ということです。生育環境がその後の人生に及ぼす影響が明確に描かれています。
人生には納得のいかないことも勿論ありますが、このnoteをここまで読んで下さった方は、それなりの環境で育つことができなのかな、と推察されます。総選挙が迫っているので、社会問題についての論争を耳にする機会が多いですが、こうした作品の主人公の様な人生を送る人ができる限り少なくなる社会になることを、密かに望んでします。
余談ですが、関根恵子さんが高橋伴明監督と知り合い、高橋惠子さんとなったのが『TATOO<刺青>あり』という認識ができていませんでした。。。
以上です。
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