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#66 『がんの説明、イマイチすっきり理解できない場合、どうする』を聴いて、私の場合を語ります。

マウントサイナイ医科大学老年医学科アシスタントプロフェッサーの山田悠二先生と、編集者・ライターの新里百合子さんのしなやかな掛け合いで繰り広げられるVoicy『医者のいらないラジオ』。こちらのプレミアム放送では、リスナーからの医療質問に山田先生がお答えくださいます。

ご家族が乳がん手術を受けた方の質問と、それに関する山田先生の回答を、自身の体験談を重ね合わせてお聞きした放送は、下記のリンク先です。質問と回答を聞き書きして引用く準備をしたものの、プレミアム放送なので、思いとどまって詳細な内容については削除しました。

リンク先の放送の5分30秒当たりから質問が始まり、6分30秒辺りから山田先生の回答です。


2019年4月に乳がんの手術を受けた後、放射線治療以降の治療は別の病院に転院しました。この経緯や転院までの道のりについては、別の場を設けたく、今回はその点については割愛します。

元から自覚があったがんではない、と診断を受けていた腫瘤を、諸事情で日帰り手術で摘出していただきました。術後の抜糸を兼ねた1週間後の受診では、念の為検査に出すと言われていた結果は、問題なし、という回答が得られるものと疑わず診察室に入室しました。

医師 「付き添いいるの?」
私  「いないです」
医師 「がんだったんだよ」
私  「えーーー、それならもっと早く手術受ければ良かった」
医師 「こんな短い期間で変化ないよ」※2019年2月上旬に受診して、3月下旬に腫瘤摘出
私  医師の左二の腕を右手で鷲掴みにして「一昨年の11月に来たじゃん!!!!!」
医師 慌ててカルテが表示されたディスプレイを覗き込む。。。

という情緒のかけらもない、告知を受け、5日後に再手術を受けました。

術前の検査後に受けた手術と治療に関する説明は、その段階でのステージと放射線治療が必要なこと、手術の結果によっては抗がん剤治療が必要になること、その後ホルモン療法が必要なことが伝えられました。

再手術の結果が出た1週間後、手術でがんが取り切れたこと、術後に確定したステージ、抗がん剤治療が必要なことが伝えられました。

腫瘤摘出施術を申し込む前に、偶然見たネット記事で、乳がんに種類があることを知りました。

ちなみに、この記事で取り上げられている映画『がんになる前に知っておくこと』は再手術後、放射線治療中だったか、治療後、抗がん剤治療前だったかに鑑賞しました。作品に登場する土井医師とピアサポーターの山口さんにお会いして、土井医師からは「治療頑張って」と、山口さんからは「頑張らないで」とお言葉を頂戴して、それぞれの立場によってかけるお言葉も変わるな、と感じました。

記事を読んで得た予備知識から、自分の病状についてこんな感じね、と把握ができました。

記事にある通り、乳がんはその種類により、治療が確立されています。リスナーさんが「具体的な用語を使った説明がない」と懸念を持たれている様ですが、私も、種類をバシッと言って貰えないことに、引っかかりはありました。

それだけが理由では無いのですが、手術を受けた病院に設備が無いことから、放射線治療を受けた紹介先の病院で、その後の抗がん剤治療とホルモン療法を受けています。

手術をしていただいた医師に情報提供書の作成を依頼し、それを携えて今も治療を受けている医師の元を訪れました。

初診の際に、「あなたの乳がんは○○です」と言ってもらえることを期待しましたが、ここでもその用語はなく、チラチラと情報提供書に目を通しながら「次までによく確認して説明するね」ということでした。

その後の受診では、使用する抗がん剤名は紙に書きながら説明してくださいましたが、がんの種類については未だ持って話題に出たことはありません。

抗がん剤治療を受けるに辺り、書類にサインが求められますが、輸血に関する書類にサインをするに辺り「輸血が必要なのか?」と質問したところ「抗がん剤治療で、貧血になった場合に輸血が必要になるから、サインを求めているが、この治療で輸血に至った人はいない」とのお答えをいただきました。30年近く乳腺外科医をしている医師がそういうなら、これから受ける治療で輸血の可能性は殆どないのか、と思いました。

抗がん剤治療を受けるに辺り心臓の検査を受け、心臓にも影響があるから、という説明を受けていたため、1回目の治療後、動悸を感じて受診しました。検査結果は問題ないと聞きながら、心臓に影響があると聞いたので心配になったと伝えたところ、「この薬を15回使用すると心臓止まる」と教えていただき、「放射線治療と同じですね」と返すと「そうそう」と明るく答えてくださいました。

放射線治療はその上限が定められていることをご存知の方は多いと思いますが、抗がん剤も使用回数に上限があるのか、同じだね、という会話です。

今春で5年が経過しましたが、4年半前後の診察の時に、「がんのタイプがおとなしい(にも関わらず)、この(小さい)サイズで(腋窩リンパ節へ転移)飛んだということは、生体側の(問題)」という話題が出ました。

今、この文章を書いて、ドキリとしています。

質問者さんへの回答として、噛み砕いて必要最低限なことを伝えている。。。。。と説明されています。詳しくは放送を聞いていただくことにして、このお話しを聞いて、私は、このnoteを書いているのですが、聞く側の性格や、聞くタイミングも医師の方は見計らってくださってい流のかな、と思っています。

父や母のことは、自分のことではないので、かなり突っ込んで質問をします。

自分のこと、特に乳がんに関しては、次は何を聞こうかな、とよくよく考えて受診していました。お互い、相手のことを知らずに、シリアスなことを話題にするので、様子を見ながら会話を進めることが信頼関係の構築には必要だと思います。

はっきりと説明されて冷たく感じ、病院を変えたいという友人から、自身の通院先情報について質問を受けたことがあります。がんのステージやタイプを明白に伝えて貰えないことで懸念する方もいれば、率直な説明で心が挫かれた方もいます。

自身の医師から告げられた内容を少しですが、共有させていただきましたが、後から聞いた内容を初回から聞かされていたら、嫌な気分になったかと想像をしており、都度都度のタイミングだから受け入れられたと思っています。

病気の告知をするのは、相当のストレスになるなだろうな、と思い、改めて医師という仕事がいかに重いものかと感じる様になりました。

そして、治療を受けた経験を通じて、いつ、何を、どのように、伝えるか、ということについて、それまで以上にしっかりと考えてからコミュニケーションを取るようになりました。それまでは、言いずらい事を言う時に過剰に気にしたり、負担に感じることがありましたが、病気の告知をすることと比べると、大体のことは大した問題ではないから、気にしすぎない様にしました。

cancer gift と言う言葉を嫌厭する方がいることは存じていますし、私も乳がんをgiftとは思いません。病気で死についてリアルに感じられたこと、がんでは死にたくないと思えたこと、治療経験を通じて自分の軸がしっかりしたこと、はがんにならなければ得られなかったと思っています。

以上です。



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