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沖縄のそこらへんの木でも紹介しておけ! 番外編3 ギンネム
Leucaena leucocephala(ギンネム)マメ科
初めてギンネムを見たのはグアム島でした。
僕「この木、たくさんありますね」
現地ガイド「米軍が空から種を散布した。ジャングルになってる」
史実を専門としない僕には、散布が事実かわかりません。
しかし、ギンネムの繁茂する力が強いのは本当です。
その場で茂るだけでなく、落ちた種子からも発芽します。
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![](https://assets.st-note.com/img/1710937786536-ZbbaVgmhPU.jpg?width=1200)
ギンネムの問題は、市街地荒らし、畑荒らしではないです。
人が立ち入らない林や放棄地でさかんに茂り、
アレロパシーをもって原生種を圧迫するところです。
それらの土地は引き抜く人がいない場所だけにやっかいです。
国際自然保護連合(IUCN)は、ギンネムを
「世界の侵略的外来種ワースト100」に入れました。
100 OF THE WORLD'S WORST INVASIVE ALIEN SPECIES
https://portals.iucn.org/library/sites/library/files/documents/2000-126.pdf
沖縄旅行中、ギンネムの木を多数みかけました。
どれだけ見かけようと、この木にラベルがついていることはありません。
見本樹もありません。
図鑑でも収録対象から外していることが多い気がします。
かくいう僕もランクから外しています。
ギンネムが「この木、なんの木」になったときは、
現地の人に尋ねるしかないでしょう。
「ああ、それはギンネムといってね・・・」
微妙な表情で説明してくれるのではないでしょうか。
むやみに繁茂されると有害ですが・・・。
ギンネムは荒れた土地に耐え、炭素と窒素を固定します。
窒素固定の能力はとくに高く、年間500 kg/haともいわれます。
木の部分はパルプになるそうです。
葉は家畜の健康によくない成分を含んでいますが、
飼料にできないか、研究に取り組んでいる人もいます。
ノミネートされた中で、唯一、食用になる木です。
原産地メキシコでは若い鞘を食用にするそうです。
サヤエンドウみたいな感じでしょうか?
毒性は弱いので、彩りで食べる程度なら問題ないでしょう。
ギンネムを見つけたら、引っこ抜くなり、伐採するなりでOKです。
しかし、絶対悪とはしないでくれると嬉しいです。
SFみたいに地球が荒廃したとき、ギンネムは人類の希望かもしれません。
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立ち入るのが難しい茂みに生えていることが多いです。
海外ではroadside plants(雑木、雑草)扱いです。
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鞘ごと落ちることもあれば、二つに割れてタネだけ落とすこともあります。
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花にはスパイシーでグリーンなフルーツ香があります。
沖縄のそこらへんの木でも紹介しておけ!シリーズ
・1位~3位 オキナワキョウチクトウ、フクギ、アダン
・4位~6位 ガジュマル、モモタマナ、アカギ
・7位、8位 モンパノキ、クサトベラ
・9位、10位 コバノナンヨウスギ、ユスラヤシ
・番外編1 オオバギ
・番外編2 リュウキュウマツ
・番外編3 ギンネム
・番外編4 イチジクとイチジクコバチの対応の謎