PERACONの反省 Ver.2020
今回、初めてペラコンに参加させて貰った。
その中で非常に多くの事を学ばせて頂いたので、それを同じペラコン参加者の方や、またペラコンへ参加を検討している方へも共有できればと思い、文章に残す事にした。
まあでも一番は、来年以降もペラコンに参加する自分の為の文章ではあるんだが、誰かの何かの一助になれば幸いだ。
1:今回の結果
まずは今回のペラコンに出した拙作がこちら。
順位は71位。
想像していたより多くの審査員の方から沢山のコメントを頂けたので、今回の学びに繋げる事ができました。審査員の方々にはこの場で改めてお礼申し上げます。
2:コメントの指摘内容
頂いたコメントの指摘は、大別すると2つになる。
① キャラクターや世界観
② ゲームシステム
①はある程度好意的な評価を頂く事ができたが、②については説明不足を指摘する声が非常に多かった。
私が元々キャラクターの創作が好きだったので、そこに力を入れ過ぎた余りゲームシステムへの言及が無くなってしまっている。本当に的確に指摘を頂いており頭が上がらない。
それから②のコメントを更に広げてみると、こちらもいくつかの指摘に分ける事ができる。
②-1 操作方法
②-2 ゲームの目的
②-3 ゲーム上の駆け引き
ざっくばらんにどんなゲームかは描かれているものの、やはり操作方法が無いと見た相手がゲームの感覚を想像し辛い。授業の中でも先生が「自分の頭の中でゲームを遊んでみる事」という話をしていたのに、全くそれが反映されていない。恥じ入るばかりだ。
また②に関連するアドバイスとして、具体的なゲーム画面があれば読み手にどの様なゲームか伝わりやすいというお言葉も頂いている。
また、上記の①と②以外にも、実はもう一つ言及のあった部分がある。
③ 投稿スピード
投稿の速さに対して評価をしてくださった審査員の方が数名いらっしゃった。今回のペラコンに於いて、私が優先順位を一番にしていたのがこの投稿スピードだったので、そこを褒めて貰えたというのはとても嬉しかった。
だが拙速という言葉がある様に、速くても完成度が高くないのでは問題が出てきてしまう。速いが故に練り込みが足りていないのではという指摘も当然あった。
3:指摘を今後どの様に活かすか
では次に、頂いた指摘をそれぞれ自分なりに解釈した上で、次の企画へどの様に活かしていくべきかを考えていく。
【①キャラクターや世界観】
これに関しては、恐れ多くもある程度「可」の評価を頂けている。
まあきっと頭に「学生としては」と付いてくるはずだが。
とは言え、キャラクターや世界観に関しては余り練り込み過ぎるのはペライチの企画書を作る上で余分になってしまう。
それに、キャラクターや世界観は余程の物でない限りマイナスに行く事は無いと思うので、キャラクターに時間をかけるのならもっとシステム面について時間を割く方がペラコンに出す企画的には良かったかも知れない。
システム面に上手く盛り込む事が出来れば、もっと良い評価を頂けたかも知れない。ゲームは小説や漫画とは違う。ゲームとしてのギミックにキャラや世界観が活かされないのなら、それは蛇足になってしまう危険性も孕んでいるのだと痛感した。この部分は今後も意識していく必要がある。
【②-1 操作方法】
今回いっっっっっちばん指摘されたのがここ。
ゲームなのだから、当然プレイヤーに操作して貰う必要がある。しかし操作方法が考えられていないのは、そもそもゲームですらない。
仕様書の授業でも必ず「操作方法」の項目を作っていたのに、私は一体授業で何を学んでいたのか……。
勿論、ペライチの企画書内に細かなボタン操作を書く必要は無い筈だが、「タップしたら攻撃」とか「ボタン長押しでチャージ」とか、一文を添えるだけでも想像のしやすさは格段に変わる。
ゲームの企画書は、企画を見て貰った人に「このゲームがどういう風に面白いのか」を伝える物なのだから、見た人が面白さ想像しやすい企画書でなければいけない筈だ。
私は自分の伝えたいことばかりを優先しすぎて、見る人の事を何も考えていなかった。大いに反省。
さて、操作方法を決めるのなら、まずこのゲームがどのハードに対応しているゲームなのかを決めると良い筈。というか、ハードを一番最初に決めるのは自分の為にもなると言えよう。
ハードが決まる事で、企画の中のあらゆる部分が固まりやすくなる。
今回ペラコンの作品の殆どに、ゲーム画面があった。ゲーム画面があるだけで、読み手にはまずハードが何なのかすぐ分かる。ハードが分かれば後は早い。なんせ操作方法が容易に想像できるからだ。
勿論、操作方法=ボタン操作という事ではない。
そもそも2位や7位、9位の作品には、ボタン操作等は書かれていないが、「どの様に」動くのかが明確に描かれており非常にわかりやすい。
つまり私の今回の企画書に必要だったのはこの部分だ。
ヤンキー巫女姐さんが「どの様に」悪霊を絞めるのか。「どの様に」必殺技を発動するのか。「どの様に」捨て猫を拾うのか。
結果を見せるのはもちろん大事だが、ゲームに於いて結果とは「操作した」からこそあるもの。
そこが抜ければゲームとして欠陥品なのは言うまでもないのだ。
【②-2 ゲームの目的】
操作方法と同じぐらい、ゲームの根幹を為す部分だ。
そもそも、巫女姐さんは「何の為に」悪霊を絞めるのだろうか?
そこが分からないのに延々と悪霊を絞めさせられるプレイヤーが不憫でならない。目的不明な作業を行う事程辛いものも無いのは、私自身良く分かっている筈なのだから真っ先に考えるべき所だ。
あとは「何をしたら勝ちで、何をしたら負け」なのかという文章にも置き換える事が出来る。
例えば陣取りゲームで「陣地が多い方が勝ち、少ないと負け」という文言があれば、当然目的は「陣地を増やす事」になる。
最初にゲーム内での勝敗について決めておくのも、目的を考える大きな助けになる筈だ。
私の様にキャラクター先行タイプであれば、キャラクターに絡めた目的を考えるのがキャラクターを無駄にせず済む方法だ。
巫女姐さんであれば「神社に入り込もうとする悪霊を絞めあげて倒す」事を目的にすれば、大まかなゲームジャンルも決まるかもしれない。
例えば、シートにも記載されているアクションゲームならこの目的に合致し易い最も安牌なジャンルだし、「神社に入り込もうとする」という部分から、タワーディフェンス系の要素を取り入れる事も可能だった筈。
こんな風に一つ目的を決めるだけでも、そこからドンドン発想を広げる事が可能だ。ここから操作方法にも繋がるだろう。
目的を決めれば、自分もプレイヤーも皆が幸せになれる。素晴らしい。
【②-3 ゲーム上の駆け引き】
目的と操作方法だけでも、ゲームとしての枠は出来る。
だが、ゲームと名をつけるのであれば面白いゲームになって欲しいと思うのはどんなクリエイターも同じ筈だ。
それならば当然、ゲーム上の駆け引きもあるのが望ましい。
私の今回の企画で言えば、指摘を頂いていたのが注連縄についてだった。
例えば操作を誤ると注連縄が切れてしまったり、注連縄をもっとほかの用途に使ったりすると、より一層ゲームとしてのワクワクが広がったかも知れない。
他にも悪霊にも様々な種類を用意して、普通の絞め方では倒せない悪霊だったり、巫女姐さんにデバフをかけてくる奴がいてもいいし、HPを回復してくれる猫を攫っていってしまう奴も面白いかもしれない。
枠だけで面白いゲームというのは、中々作れ無い。それが私の様に経験も浅い学生なら尚更だ。
だからこそ、駆け引きを加えてよりゲームを面白くさせていくべきだ。
面白いゲームになるのなら、ギミックを考えるのだって苦ではない。
もしかすると、思いついたゲームのギミックから発想が広がって、ゲームの枠になるなんて事もあるかもしれない。
先生が授業で「日常生活の中にある動作を分解して考えると良い」という事話していたのを今更ながらに思い出す。
そういう身近な所に焦点を当てて日頃から思考する癖は、やはり大事だったのだなと後悔が募る。今からでも遅くない。しっかり実践していこう。
【③ 投稿スピード】
今回のペラコンで、私はエントリーナンバーが4番目だった。
企画書作成の時間としては5時間程。
先にも述べている通り、私は今回のペラコンに参加するにあたって兎に角投稿する早さに重点を置いていた。
それは応募要項にも書いていた通り、「早く提出される程、多くの人の目に触れる。そしてアイディアを先出しする事による優位性がある」事が私の中に強くあったからだ。
審査員の方からもお褒めの言葉を頂いて、そこを見て貰えたという事に物凄い感動を覚えた。
しかし早く出すという事は当然別の問題が持ち上がる。
これも審査員の方からあったお話ではあったが、早く出し過ぎる事で説明不足や練り込み不足による完成度の低さに繋がってしまう。
私も提出後、一度は先生に見て貰うべきだったと酷く後悔した。
投稿速度が速くても完成度が低くては上位を目指すことは当然ながらできないのだ。
そんな訳なので、来年以降のペラコンの際には一つ決心をした。
第一稿を仕上げるのはこれまで通り、速度重視にする。お題発表から5時間でまずは一つ完成させる。今回できたのだから今後できない訳がない。
そして出来上がったものを1日置いて、それからブラッシュアップをしていく。ただ、ブラッシュアップに時間をかけすぎない様に、2日を上限としようと思う。
モタモタすればする程アイデアは被っていくし、そもそも第一稿目から時間を空ける程、私自身のモチベーションの低下に繋がってしまうし、気持ちが腐ってしまう。
早い事が全てじゃない事は百も承知だが、早い事がもたらす恩恵の方が私にとっては大きいのだ。
なので今後の私の目指していくスタンスは、「早くて完成度も高い」だ。
出来るかどうかではなく、やる。個人的な決心である。
4:今回のペラコンへ参加した所感
今回のペラコンについて参加した側からの所感だが、兎に角ただ一言。
「参加してよかった」この一言に尽きる。
様々なざわつきはあったものの、私自身は今回のペラコンに参加した事で多くの気付きを得られた。
それは勿論、時間を割いて審査してコメントをしてくださった審査員の方々のお陰なのだが。
審査員の方々はこんな素人の企画書一枚に向き合ってくれて、あまつさえもっと良くなる様にと様々なアドバイスをしてくれている。
信者の様で気持ち悪いな……と書いていて自分も思ってしまったのだが、本来こんなド素人にプロの人達がアドバイスをしてくれるなんて、そうそう無い機会なのだ。
この機会を逃してはならないな、と勝手に奮起するぐらいには色んな指摘を頂く事が出来た。
当然、参加した事で辛い思いをした方もいただろうとは思う。そういった人の気持ちを完全に慮る事は出来ないので、余り下手な事は言えない。
来年はもっと良い物を作って見返してやろうぜ……。
どうかこのペラコンでの出来事がトラウマにならない様、勝手ながら祈っている……。
5:どうでもいい話
以下は個人的な話になるので、興味の無い方は読み飛ばしてほしい。
実は今回、自分のアイディアを企画という形で纏めたのは初めてだった。
お前学校で何学んでんの? というお叱りの言葉が飛んできそうだがその点については全く返す言葉も無い。
だが言い訳だけさせてください、と突然のダブルスタンダードをかましていくムーブ。
実は私はプランナー専攻ではなく、プログラマー専攻だ。
ゲーム系の専門学校に通っているのは当然、ゲーム業界を目指したいという気持ちがあるからなのだが、残念ながら私は既に一度社会人を経験したアラサーである。能力も無しに夢だけで食って行く事ができないのは自分自身が一番良く分かっている。
そんな訳で、ゲーム系の学科の中で一番業界に潜り込めそうなポジションのプログラマーの学科を選んだという訳。
しかし、個人的な最終目標としてはプランナーになる事だった。だがいつまでも二足の草鞋な気持ちでいてはどっちも中途半端になる。
もし、今回のペラコンで100位以下になったら一旦はプランナーを諦めて、プログラマーの方に専念しようと決めていた。
だからこの順位が出た時、私は「あ、もっと上の順位を目指したい。プランナーになりたい」という気持ちが強くなった。
今後どの様な進路に進めていくかは先生に相談しながら決めていくけれども、少なくともプログラムは今後も続けていくつもりなので二足の草鞋状態は続いてしまう……。
ただやはり、ゲーム、ひいては物を作るというのは本当に楽しいな……と改めて噛みしめている。
どんな形であれゲームに携われる事を幸運に思う。これはそういう独り言である。