【進学校の横比較】女子二番手編(明の星・鷗友・お茶女・吉祥女子・頌栄・白百合・洗足・フェリス・雙葉)
同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画、今回は女子の二番手、四谷大塚偏差値で61〜67にひしめく女子校編です。
浦和明の星女子・鷗友学園女子・お茶の水女子大学附属(お茶女大)・吉祥女子・頌栄女子学院・白百合学園・洗足学園・フェリス女学院(フェリス)・雙葉を対象にしています。
偏差値で区切るのが難しいところですが、国公立大の合格実績で見ると頌栄女子までで明確な区切りができるそうなのでここまでとしています。なお、お茶女大は中学は共学ですが、高校から女子校になるのでこちらで扱います。
一部、女子・共学最上位編で取り上げた桜蔭・女子学院・豊島岡女子や、共学校である渋谷教育学園幕張(渋幕)・渋谷教育学園渋谷(渋渋)・筑波大学附属(筑附)も比較対象として表示しています。
大学合格実績や教育内容などを深掘りし、グラフ化するなどして横比較していきます。複数の学校を横に並べて比較することで、それぞれの特徴に気付けたり、入試動向を探る材料になればと思っています。
1. 偏差値推移の比較
まずは偏差値の推移です。
ここではサピックス80%偏差値と四谷大塚50偏差値を見ます。年度ごとだと重なりが出て見づらいので、それぞれ前後3年の平均を出してそれをグラフ化しています。
今回は線が多すぎて見づらいので、2月1日入試と2日以降とに分けて出します。(浦和明の星①は2月1日に含む)
2月1日入試
ぱっと見、似たような線を描いているように見えますが、特に気になるのは次の点ですかね。
直近数年で洗足学園とフェリスが入れ替わった
吉祥女子と鷗友学園がここ数年上昇している
とにかく洗足学園の上昇が半端ないです。ざっくり、雙葉・洗足・浦和明の星の3校とそれ以外とでグループ分けができそうで、10年前からは洗足とフェリスが入れ替わった感じです。
2月2日以降入試
こちらもここ10年で、下剋上というか入れ替わりが起きているようです。
大きな上昇は鷗友学園・洗足学園・吉祥女子、逆に急降下しているのがお茶女大といった感じです。
いずれにしても、日程に関係なくこの3校は大きく上昇している感じです。鷗友と吉女は3回入試→2回入試に変更しましたが、この入試変更は成功したと言っていいんじゃないでしょうか。
2. 大学合格実績の比較
大学合格実績は、昨今の現役重視の流れを汲んで現役合格のデータを使用します。
国公立大学実績(2022〜2024年)
国公立大学は、卒業生数を現役合格者数で割った数字を集計します。ここでは比較しやすいよう、最上位編の3校と共学3校も並べてみます。
最上位との比較だと、東京一工医(黄色帯)までで10%ほどの差があるので、まあここでラインを引くのが妥当じゃないでしょうか。
二番手校の中で見ると、10%を超えているかどうかのラインが鷗友とお茶女大の間にあるので、敢えて線を引くならそこかなと思います。まあそこまで差はないですが。
内訳で見ると、東大が多いのが洗足・フェリス・雙葉・白百合、医学部が多いのがフェリス・雙葉・白百合という感じかと思います。国公立全体では洗足・鷗友・お茶女大が30%を超えていて多めと言えると思います。
全体感として、同偏差値帯の男子校に比べると正直ちょっと見劣りする感があり、男子三番手校と大体同じくらいかなという印象です。個人的には、このクラスの女子校からもっと国公立大に行くようになって日本社会を変えていってほしいなと思います。
私立大学実績(2022〜2024年)
私立大学は重複合格が多いですが、卒業生数を100%としたときの割合を積み上げてグラフ化しました。
全体的に女子校は上位私大が多い傾向というのがこのグラフからわかるかなと思います。ほとんどの学校で、早慶上理までで100%を超えます。
それぞれの学校を見て目立つところと言えばやはり頌栄ですかね。この中でもダントツで、早慶だけでも100%を超え、MARCHまで含めると400%近くになります。後ほど進学実績も載せていますが、早慶進学が4割近いというのはかなり特徴的かと思います。
グラフを見るとどこもMARCHが多いのでMARCHが主戦場かと考えがちですが、進学実績と比較してみるとそうではないというのがわかります。基本的には難関国公立志望が多いと早慶合格が多くなり、早慶志望が多いとMARCH合格が多くなると考えられるので(抑え受験の関係)、主戦場は国公立か早慶なんだと思います。
あとは、東京理科大の多さで理系が多いかはわかるかなと思います。国公立志向が強いところは理科大も多いような気がします。
合格者総数(積み上げ)
合格者人数を積み上げてみるとこんな感じです。多いですね。
まあ卒業生数に比例して人数も多くなっているかと思いますが、800人越えとかよくわからないです。
現役進学者の割合(2022〜2024年平均)
続いて、合格者だけでなく進学者も公開してくれている学校について、進学率もグラフにしておきます。
とりあえず男子に比べると現役での進学率がかなり高いです。
内訳を見ていくと、どの学校も早慶の濃い赤が目立ちます。合格者数と見比べてみると面白いですが、私大についてはより上位の学校が進学先として選ばれるというのがわかります。このあたり、進学者数を出していない学校でも、合格者数を見るときに参考にしてみると良いのではと思います。
海外大学実績(2020〜2024年)
最後に海外大学への合格者数です。単年度だと波が大きいので5年間の表を出します。
ここは洗足学園が目立ちますね。調べた限り、女子校の中ではちょっと抜けた実績なのではと思います。名門大学へも毎年合格者が出ていて、流行りの国際系と比べても悪くない実績だと思います。
その他の学校はそこまで違いはない感じですかね。
ちなみに頌栄女子はイギリスにWinchester Shoei Collegeという系列校があり、毎年2〜5名くらいの進学者がいるようです。ここは2年制のカレッジですが、その後は名門Winchester大学の学士課程に進むことができるらしいです。狭き門かもしれませんが、こういう道があるのは良いですね。
3. 教育内容の比較
教科学習のカリキュラムについては、私立中高一貫校では大学受験に照準を合わせたいわゆる先取りをどこもやっていると思いますが、それ以上深掘りして横比較できる情報がないので、授業以外のプログラムについて比較します。
教育環境
今、世の中的に関心を集めているであろう次の3点について比較します。
グローバル教育
探求型学習・キャリア教育
ICT環境/教育へのICT活用
この辺りを見ていると学校ごとに特色があって面白いです。海外研修に関しては取り組みに結構な差があり、希望者全員対象のプログラムがあるのは洗足学園と吉祥女子、人数枠の中で行くのが鷗友学園・白百合学園・頌栄女子、学校としてのプログラムがないのがフェリス・雙葉という感じでしょうかね。
ICT環境については外部発信していない学校は空欄になっていて、空欄でないところも調査できたものだけが掲載してある状態です。外部から見えないだけという可能性も大いにあるし状況は日々変わっていると思うので、この一覧表でどうこう言うよりも、気になる方は学校説明会などで聞いてみていただくのがよいと思います。
鉄緑会率
この中で鉄緑会指定校になっているのは雙葉しかないので、とりあえず女子校4校について並べて出しておきます。
女子学院と雙葉が同じくらいですかね。
4. まとめ
以上、女子のY偏差値60代グループをまとめました。
別に偏差値や合格実績でどっちが上とか下とか、学校の序列をつけようとかではなく、学校の向いている方向性や入試動向などが見えてくればと思ってまとめています。
志望校選びの一助になれば幸いです。
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