見出し画像

【模試情報】志望校判定サピックスオープンとは 〜難易度・種類・特徴〜

中学受験において、自分の実力と志望校の距離とを測る模試受験は欠かせない要素です。そんな模試のひとつ、志望校判定サピックスオープンについてまとめておきます。

こんな方におすすめ

  • どの模試を受けたらいいのかわからない

  • 模試の受験前に心構えを考えておきたい

  • 中学受験の模試について知っておきたい

ただ漠然と模試を受けるのではなく、どんな模試なのか特徴をおさえた上で、結果をどう捉えどう活かしていくかを考える材料にしてもらえればと思います。


志望校判定サピックスオープンとは

サピックスが主催する、6年生前期に行われる公開模試です。例年4月と6月の2回実施されます。

ちなみに6年生下期に行われるものは総合型の合格力判定サピックスオープンと、学校名がついた学校別サピックスオープンの2種類となります。

名称の違いが位置付けの違いを表していて、6年前期は志望校を判定する模試、そして6年生後期は決めた志望校に対する合格力を判定する模試という感じです。

サピックスオープンの種類

サピックスオープンと名のつく模試にもいくつか種類があります。

  • 志望校診断・志望校判定サピックスオープン ⬅︎この記事の模試

    • 志望校診断サピックスオープン:小5年生(9月・11月)

    • 志望校判定サピックスオープン:小6年生(4月・6月)

    • Aタイプ(知識系)とBタイプ(思考力系)の2系統の問題で学校との相性を診断

    • 4科目 × A・Bタイプで計8科目の試験

  • 合格力判定サピックスオープン

    • 小6年生後期

    • 9月〜12月にかけて4回実施

    • いわゆる持ち偏差値のベースとなる模試

  • 学校別サピックスオープン

    • 小6年生後期

    • 学校の冠名がついた模試で、その学校を志望している生徒が受験対象

    • 対象は難関校で、学校ごとに1回または2回設定

    • 各学校の入試問題に似た試験問題が作成される

志望校判定サピックスオープンの特徴

志望校判定サピックスオープンは他の模試と形式が大きく異なります。特徴的なものを挙げていくと次の通りです。

午前・午後のダブルヘッダー模試

志望校判定サピックスオープンの大きな特徴は、「知識の定着度と問題処理能力を測る問題(Aタイプ)」と「思考力と記述力を測る問題(Bタイプ)」の2種類のテストを受けるという点にあります。ちなみに6年下期の合格力判定サピックスオープンではタイプ分けはなく通常通りの4科目試験に戻ります。

算・国・理・社それぞれAタイプ・Bタイプの両方を受ける、つまり合計で8科目のテストを受けることになるため、午前と午後の両方を使ったハードめな模試になります。テスト時間は以下の通りで、お弁当持参です。

Aタイプ・Bタイプについては、サピックスのページには次の通り記載されています。

ざっくり言えば以下の通りです。

Aタイプ:知識・技術系
Bタイプ:記述・思考力系

サピックスでは難関中学の問題傾向をこの2タイプ(と中間のABタイプ)に分類し、それと「志望校判定」のこの模試の結果から受験校の検討材料に使用していると思われます。

よく言われるのは聖光学院や女子学院がAタイプ、栄光・麻布・武蔵がBタイプなど(開成や桜蔭は中間のABタイプ?)ですが、科目によってもう少し細かく分類されていて、サピックス生には夏頃に有名中と呼ばれる入試過去問演習のときに分類表が配布されるようです。(一般入手はできません)

そこまで精緻な分類で学校選択の材料にするのでなくとも、自分がどういうタイプの問題に強いかを把握するという意味で受験してみるのも良いのではと思います。ここまで明確にA・Bタイプを意識した模試はこの上期のサピックスオープン以外にはないので、一度受けてみる意義はあると思います。

採点後答案には○×だけでなく問題ごとの正答率も載っているので、正答率何パーセント以上の問題は復習するなど基準を決めて、しっかり復習に活かしたいところです。

特殊な志望校登録の仕組み

志望校は10校まで登録が可能ですが、第1〜第4志望までの志望順と自由選択の2種類の登録があります。

志望順

  • 第1〜第4志望までを登録

  • 2月1日〜3日の午前入試は、同日程の学校を重複して登録できない

自由選択

  • 志望順で選んだ以外の学校(入試回)を6校登録(順番は関係なし)

  • 志望順で選んだ学校と同一日程の学校も入力可能

  • こちらで入力した学校(入試回)の志望者数の母集団にはカウントされない

なぜ志望順と自由選択とに分かれているかですが、同一日程試験の重複登録を排除することによって、志望者数などのデータをより正確に算出するためと考えられます。

例えば、ともに2月1日が試験日である開成と麻布、桜蔭と女子学院などは実際には併願できないのですが、まだ志望校を迷っている人が両方を志望校に書いてしまうと本番で受験する人数とのズレが大きくなってしまい、模試での順位や判定精度が落ちてしまうということがあります。それを避けるため本番と合わせているという感じです。

一方で、とはいえまだ志望校がそこまで固まっていない人も多いので、自由選択の方で同一日程の学校も登録できるように配慮しているというかたちになります。

どちらに入力したとしても、その学校(入試回)の志望者の中で何位なのか、偏差値の人数分布でどの辺りにポジションしているのかを、個人成績表の中で確認することができます。違いは、志望者数の人数の中に自分が入っているかいないか、ということになります。

以上の点を踏まえて、受験校の参考になるよう志望校登録を考えると良いでしょう。

なお、志望校登録は前日の15時までとなっていますのでご注意を。

採点前答案の公開

採点前答案がテスト翌日15時にマイページより公開されます。というのは公式情報で、実際は当日夜に公開されたこともあったので、マイページをチェックしてみると良いと思います。

サピックスオープンは採点前答案が比較的早くに公開されるので、それを使って自己採点や解き直しができます(解答解説は当日配布されます)。このため、問題用紙に回答を書いてくることは必須ではないでしょう。

採点後答案・成績速報

採点後答案の公開はやや遅めで、偏差値等の成績の公開と同時になります。志望校判定サピックスオープンの場合は記述問題も多いためか、6年生下期のサピックスオープンより1日遅く、その週の金曜日公開になっています。

採点後答案のイメージ(出典:合格力判定サピックスオープン)

成績速報はサピックスマイページから順位や偏差値等が閲覧可能となります。ここでは予め登録した志望校以外の学校(入試回)についての判定も出すことができます。また点数を変えてシミュレーションすることも可能なので、この科目のミスがなかったら結果はこうだったとかいう皮算用に使うこともできます。

また合判資料のダウンロードも可能です。

これには学校ごとの志望者分布が掲載されるので、志望校(入試回)の中での自分の立ち位置と目標ラインを把握することができ、非常に参考になります。

出典:合格力判定サピックスオープン

個人成績表(紙ベース)が返されるのは翌週で、サピックス生には授業時に手渡しされ、一般生には郵送で送られてきます。

入試結果情報サイトが利用可能

サピックスオープン受験生は、模試を受験した翌月までサピックス入試結果情報サイトを見ることができます(サピックス生はもちろん閲覧可能)。模試の翌月までということは、12月までサピックスオープンを受け続ければ入試直前の1月末まで見られるということです。これはスバラシイ。

ここでは、過去のサピックスオープン受験者の入試結果データをグラフで見ることができます。具体的な人数までは出ていませんが、サピックス合格者数とグラフからある程度推測することは可能です。自分の持ち偏差値でどのくらい可能性があるのかをイメージで掴むことができ、個人的には合格判定の何%とかいう数字よりもこちらの方がより具体的でイメージしやすいのではと思います。

出典:合格力判定サピックスオープン

その他

上に挙げた点以外で、同時期に行われる合不合(前週)との違いは主に次の2点です。

  • 上期は中学校会場での試験はなくサピックス校舎のみ
    (下期は中学校会場あり)

  • 男女別ではなく男女混合にて順位・偏差値が出される

特に2点目の男女別なのか混合なのかは、偏差値表を見る際にも大きな違いになってくるので、両方の模試を受ける場合は意識しておく必要があります。

まとめ

6年前期のサピックス模試は志望校判定サピックスオープンということで、志望校を定めるための材料を見つける模試、ということになるかと思います。

4科目それぞれでAタイプ・Bタイプ問題を解くので体力的にはハードな模試となりますが、タイプの異なる問題で点数や順位が付くことで、どういう点に優位性があるのかといった傾向を見ることができるのではないでしょうか。出てきたデータを有意義に使って志望校選びの材料にしていければよいと思います。

また、入試本番では午後入試も普通になってきたので、慣れという面からも、午前・午後と経験しておくのは一定の意義があるのかなと思います。

しっかり情報収集して準備することで模試を最大限に活用し、受験に活かしていっていただければと思います。


いいなと思ったら応援しよう!