【進学校の横比較】女子Y50〜60編
同偏差値帯の進学校を集めて横比較してみようという企画です。今回は女子三番手、四谷大塚偏差値50〜60の女子校編とします。
以下の18校が対象です(偏差値基準は全入試回の平均偏差値が50以上)。
東洋英和女学院/学習院女子/立教女学院/淑徳与野/山脇学園/湘南白百合学園/大妻/横浜共立学園/田園調布学園/品川女子学院/富士見/普連土学園/恵泉女学園/東京女学館/共立女子/日本女子大学附属/晃華学園
学習院女子・立教女学院・日本女子大学附属については大学附属校ですが、外部進学者も一定数いるので比較のためこちらに含めることにしました。
1. 偏差値の比較
各塾の偏差値推移を比較します。年度ごとだと重なりが出て見づらいので、それぞれ前後3年の平均を出してそれをグラフ化します。
サピックスだと偏差値表に出てこない学校も多いので、今回はサピックス・四谷大塚・日能研の3つの偏差値表を載せていきます。
塾別合格実績
まずは偏差値表の有効性を見るために集計した塾別合格実績を確認します。
サピックス・日能研・四谷大塚の3模試それぞれで偏差値表が出ているので、基本的には合格実績の多い塾の偏差値表を参考にします。
(なお早稲アカ分は四谷大塚+他塾に重複して含まれると見ているのでここでは無視しますが、一部四谷大塚の参考値として使用します。早稲アカ分についての考え方はこちらの記事にて。)
この辺になるとサピックス1強ではなくなるので、学校によって見るべき偏差値は変わりそうです。日能研と四谷大塚であれば大きな外れはなさそうですが、極端に少ないところは他の偏差値表も見た方がいいでしょう。
ちなみに四谷大塚の実績が公開されていない3校は早稲アカも少ないので、日能研を見た方が良さそうです。
2月1日入試偏差値
サピックスの過去年度は50未満のデータが入手できていないので、直近数年分での推移となります。これだけだとあまり大きな変化は感じとれませんね。
四谷大塚は数が多くごちゃごちゃしているので頑張って見てもらえればと思いますが、最新年度だとかなり収束してきているのが非常に興味深いです。大きく、学習院女子A・東洋英和A・立教女学院と、それ以外という2グループに分かれる感じです。
日能研の方が少しバラけていますが、同じく上下2グループという構図はありそうです。大妻①が上グループにいるのが四谷大塚との違いですね。
共通して変動が大きいのは次の3つでしょうか。
横浜の2校(横浜共立・横浜雙葉)の下降
日本女子大附・晃華学園の下降
山脇学園の上昇
特に横浜の動きは気になるので後で考察してみたいです。
2月1日午後以降 入試偏差値
全日程を取り上げるのは数が多すぎてしまうので、2日入試校と、午後入試など偏差値変動の大きい入試をピックアップします。(午後入試は点線で表しています)
午前入試(実線)だと、学女B・横浜共立B・東洋英和Bの50以上のグループとそれ以外という感じで2つに分かれそうです。午後入試(点線)は45〜50辺りでひとかたまりになっています。
こちらもサピックスと似たような動きに見えます。細かくみていくと、直近の東洋英和の上下が逆になっていたり、四谷大塚で湘南白百合が上昇していたりなどがあります。(湘南白百合は四谷大塚実績が少ないので、日能研を見た方がいいかもしれません)
日能研でも大勢は変わらなそうです。
3つの偏差値表から共通項を探してみます。
山脇(算)・恵泉女①・富士見(算)の上昇が大きい
横浜共立②はまだ上位をキープ(ちょっと下がっているが)
日本女子はまだ下げ傾向
湘南白百合は下げ止まったか
それぞれの見方で確認し考察に使ってもらえればと思います。
2. 大学合格実績の比較
続いて大学合格実績の比較です。
女子校は浪人割合が低く、現役のみのデータと分けて出してもあまり変わらないので、ここでは浪人+現役の全合格者のみを集計することにしました。
国公立大学実績(2022〜2024年)
男子校や女子二番手校と比べるとだいぶグラフが小さくなってしまうので、正直比較するのも微妙な感じですが、それでも何校か色のついているところはあります。
目立っているのは湘南白百合・横浜共立・横浜雙葉・晃華学園で、いずれも神奈川県の4校となります。偏差値表では急降下している神奈川女子校ですが、この中では難関国公立実績が高く、この先どうなっていくのか要注目かと思います。
私立大学実績(2022〜2024年)
私立大学は重複合格が多いですが、卒業生数を100%としたときの割合を積み上げてグラフ化しました。
こちらの方が優位な比較情報にはなるかなと思います。
医学部+早慶の赤ラインで見ると、東洋英和・横浜雙葉・横浜共立・湘南白百合の順で高いのがわかります。学習院女子・立教女学院は、半分以上が内部進学ですが、その上で早慶への合格者もそれなりに出ている感じです。
あとは、午後入試を始めて偏差値上昇を果たしてきた学校がいくつかあり、ちょうどその卒業生を出し始める時期に差し掛かっているので、この辺りがどう変化していくのかは今後の見どころかと思います。
海外大学実績(2020〜2024年)
もうひとつ、海外大学への合格者数も比べてみます。名門大学(THE世界大学ランキング100位以内などの基準、具体的にはこちら)と、全海外大学の合格者数をグラフ化しています。
こちらは東洋英和が名門大の数であたまひとつ抜けている感じですかね。ここは毎年合格者を出していて、一定海外志望者はいるようです。
それに続くのが大妻・湘南白百合・東京女学館というあたりでしょうか。
3. まとめ
教育内容については数が多く調べきれないのでカットし、今回は入口となる偏差値と、出口の大学合格実績のみで比較を作りました。本来的には教育環境こそ比較すべきところの気はしますが、一旦これでご了承ください。
志望校選びの一助になることができれば幸いです。