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【2025入試】埼玉入試の結果速報(2/2)
埼玉入試の結果速報の第2弾です。第1部(10日午前編)で取り上げられなかった入試について、上位校中心ですが集計してお届けします。
【更新履歴】
2025.1.14 初版公開
2025.1.17 開智・浦和明の星・浦和ルーテルの結果情報を更新
大規模3校の特待入試
第1部で取り上げた栄東、開智・開智所沢、大宮開成の4校(4校)で11〜12日に実施されている特待入試についてまずは取り上げます。
栄東 東大特待1入試
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受験者数は250名近くの減少となりましたが、合格者数も大きく絞られたため、実質倍率は横ばいとなりました。そして3年特待合格の人数はむしろ増えているので、むしろ上位層が増えた可能性もあり、人数減=易化という単純な図式ではなさそうです。
栄東についてはこちらでもまとめているのでどうぞ。
開智・開智所沢 特待A入試
開智は創発クラス(特待A)入試となっていますが、特待A入試として開智・開智所沢の両方に触れます。まずは開智から。
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2023年以前は先端特待入試
*学校サイトで1/15に修正があったので反映しました
受験者数が昨年V字回復という感ですが、今年は文字通りケタ違いの伸びを見せました。一方で合格者数は絞られたので、実質倍率は5倍超と跳ね上がっています。開智所沢と同一試験のため、開智志望者が増えた結果なのか、開智所沢要因が大きいのかは、これだけでは何ともいえないところです。
続いて開智所沢。
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こちらはさらに合格者が絞られ、受験者数が3倍増なのに合格者は1.2倍程度ということで実質倍率は7.4倍と、かなり狭き門となりました。開智よりも受験者数は200名ほど多く、こちらを志望している人の方が多いことはここからわかります。
おそらくですが、これは第2回入試の加点優遇が関係していると考えられます。具体的には次の通りです。
・開智:第1回入試受験者へ加点
・開智所沢:2回目受験10点、3回目受験20点、4回目受験30点
(つまり第2回入試までに第1回〜特待A/算数特待まで受け続けると30点加点される)
そのため、30点加点のために特待入試を受け続ける人が一定数いたためであろうと考えられます。この結果を見る限り、届いていない人が大半だろうと思いますが。
平均点と合格基準点も見てみます。
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開智の平均点の方が高いのは第1回と同様の傾向です。そして注目すべきが合格基準点なのですが、ここは開智所沢が7点も上回る結果となりました。第1回は同点だったのと、平均点は開智より低かったことから、明らかにここは合格者を絞ってきたと見ていいでしょう。
偏差値も見てみます。
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開智所沢については横ばいか微増で、開智よりやや下という予想がされていました。ただ、ここまで絞られる予想はされていなかったと思うので、これはかなり跳ね上がることが予想できます。
ここからは私見なんで話半分で聞いていただければと思いますが、開智所沢は昨年、定員を大きく上回る入学者だったようで(定員240名に対し390名入学)、今年は定員を増やしていたものの(240→330)、学校のキャパシティを考えればある程度絞らないといけないと考えられます。
そんな中で、すべての入試回で昨年をさらに大きく上回る受験者を集めてしまっていたので、それなりに絞らざるを得ないだろうと見ていました。で結果を見ていると、第1回が思ったほどに絞られず落ち着いた印象だったので安堵したのですが、(その分も含めてかわかりませんが)大きく影響が出たのがこの特待A入試だったと考えられます。
複数回受験の加点優遇があるのでその権利を得るために受験した人も多いと思いますが、そのおかげで余計なキズを負ってしまった子も多いのではと考えています。まずダメだった受験生は、この入試はイレギュラーなものとして次に向かってもらえればと思います。そして学校側には、受験生に過度な負担をかけることになるこの制度について改善を願いたいです。
大宮開成 特待生選抜入試
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2025年は受験者数が大きく減少しました。一方で合格者数はそれほど減らさなかったため、実質倍率は1.58倍とここ数年で最も低くなりました。また特待合格は減少したものの、特待なしのT合格は増えているというのは注目ポイントかなと思います。額面通り受け取れば、学力が高めの層が増えていたということになるでしょうか。
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2025年分は最終模試の偏差値表より
*サピックス偏差値表には記載がないので省略
まあほぼ横ばいで安定ということでいいんじゃないかと思います。
淑徳与野
続いて女子難関校の1校目、淑徳与野を取り上げます。昨年(2024年)医進コースを新設し、その2年目となる今年は志願者が増えるだろうということで注目されていました。
医進特別入試
まずは1月10日午後に実施された医進特別入試です。
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2024年よりさらに受験者を増やし、700名近い規模となりました。一方で合格者はそれほど増やさなかったため、実質倍率は2.91倍まで上昇しました。比較的厳し目の入試になったのではという印象です。
第1回入試
続いて1月12日の第1回入試です。
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医進特別入試で注目された影響か、第1回入試の方も受験生増となっています。昨年(2024年)は出願者増の割に受験者が少なかったようですが、今年は増えました。一方で合格者数はあまり(ほとんど)増えていないので、実質倍率は1.83倍と上昇しています。
ただ、過去を見るとこの程度の倍率は普通のようなので、むしろ昨年が低かっただけという見方かなと思います。
最後に偏差値です。これは医進特別と第1回合わせてグラフにしました。
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2025年分は最終模試の偏差値表より
第1回については各塾とも2ポイント程度の上昇を見込んでいます。ただ過去の推移からすればむしろ2024年が低かっただけと見た方が良さそうです。
浦和明の星女子
女子難関2校目は、14日入試の浦和明の星女子です。こちらは情報公開され次第更新します。
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2025年は受験者数が減少した一方で合格者数は増加しました。その結果、実質倍率は1.73倍へと下がりました。全体を俯瞰すると大体横ばいに見えますが、細かく見るとここ2、3年はやや緩和傾向かなという感じです。
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2025年分は最終模試の偏差値表より
偏差値は、四谷大塚と日能研は綺麗に横ばいなのに対し、サピックスは段階的に上がっています。2025年も上昇予測でした。
入試結果を見ると実質倍率が下がっているので易化したようには見えますが、合格者数を増やした要因が上位層の増加によるもの(辞退数が増えると想定されるため)という可能性も否定できないので、これだけでは何とも言えないですかね。
青山学院大学系属 浦和ルーテル学院
最後に浦和ルーテル学院についても取り上げておこうと思います。こちらも情報公開され次第更新します。
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この学校は毎年定員が変わり、それに合わせて合格者数も大きく変動します。これは、系列小学校からの進学者数によるものらしいので、年による当たり外れがどうしても出てしまいますね。
2025年はその意味で中学受験組には外れ年で、定員が15名と少なく、結果的に合格者数も86名と近年では最少となりました。一方で受験者数は前年並みを維持したため、実質倍率は4.06倍と2021年に次ぐ高倍率となりました。
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2025年分は最終模試の偏差値表より
これだけ定員が上下すると難易度も上下しそうですが、偏差値はそこまで変動ありません。そもそも母集団が小さいので偏差値が付けづらいのかもしれませんが。
今回この学校を取り上げたのは、個人的に今年注目していたからでした。
あまり話題になっていない感じがするのですが、実は2025年の中学入学生から青山学院大学への推薦枠を大幅拡充すると発表されています。具体的な数字が公表されていない(学校説明会のみ)のでメディア等で取り上げられていないのかなと思いますが、聞いた話では結構インパクトがあると思っています。
今年の定員が少なかっただけに、広く知れ渡ったていたら大変なことになっていた可能性もあり、むしろ情報をクローズにした意図はそこにあるのかなと邪推します(一応ここでも第2回入試の締切後に書くことにしました)。さすがに来年は知れ渡ると思うのでそれを踏まえてどうなるのか、個人的な注目の一校です。
まとめ
以上、2025年の埼玉入試についてお届けしました。
全体感としてはやはり開智所沢の激増と難化(おそらく)が最大のトピックかと思います。そこに振り回されてしまった人もいるかもしれませんが、データを冷静に見た上で、一旦立て直して次に向かっていっていただければなと思っています。
来年度以降の話をするのは早いとは思いますが、開智所沢について軽く触れておくと、今年の増加はちょっと増えすぎてしまった感が否めません。入学者数にも注目ですが、もし今年も多かったりすると、この先数年は大きく絞ったり緩和したりを繰り返す可能性も否定できず、落ち着くまで数年はかかるかもと見ています。
そのほかの学校については比較的落ち着いた数字だったかなと思います。昨年(2024年)に大きく増えていたので、その水準での高止まりという感じかもしれませんが。
以上、受験生や来年以降の方への参考になればと思います。