あなたの「好き」で見たことない場所へ飛んでゆけ
のんさん主演の「さかなのこ」を観た。
すごくすごく良かった・・・
もうこれは、保護者の教材にしても良いんじゃないかって作品。
さかなクンを演じるのんさんのキラッキラの目。
母親役井川遥さんの慈愛に満ちたまなざし。
幼少期から”さかなクン”として世に出て活躍するに至るまで、
さかなくんが出会ってきた人たちが描かれているのだけど、そのさかなクンを取り巻く世界のあたたかさ。まさに一魚一会(いちぎょいちえ)。
もちろん社会はそんなに甘くなくて、自立していく過程でたくさんの困難や失敗に遭遇するのだけど、「好き!」と一魚一会の出会いにも助けられながら一歩一歩進んでいく。
「広い海に出てごらんなさい」
「この子は絵が好きで、絵を描いて、そのままでいいんです」
素敵な台詞がちりばめられていて、グッとくるシーンがいくつもあった。
ああ、さかなクンの人生ってなんだかフォレストガンプみたいだ!
さかなクンの自伝が原作になってるけれど、どこまで本当でどこは創作なのだろう?と観終わってから調べてみたら、映画の中でキーパーソンとなる幼馴染は本当に存在していて、いまでも良き友人だとか。それから、実際にさかなクンと中高同級生のドランクドラゴンの鈴木拓さんも出演されている。二人の対談を読んでいたら映画の世界観とそのまま地続きのさかなクンエピソードにとてもほっこりした。
「好き」を貫き通せる人って、本人の意思や努力だけじゃなくて、身近な人たちに肯定されること=環境がどれだけ大切で力になるのか、とても考えさせられる作品だった。
さかなクンは母親の、「そのままのあなたでいい」という揺るがない信念のもとで育つことができて、とても恵まれた人生だなあと思った。
そしてさかなクンのお母さん、すごすぎる!
それからエンドロールで流れるCHAIの歌詞もとても良かったので、ぜひエンドロールの最後の最後まで「さかなのこ」の世界に浸ってみてほしい。