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香山滋全集を買いました!


 香山滋という作家と出会いはや一年……。

 ゴジラの原作者とどこかで知って(どこで知ったのかもはや思い出せない)興味を持ち、積読になっていた『変格ミステリ傑作選【戦後篇Ⅰ】』に収録されている『処女水』を読んだのが、香山滋とのファーストコンタクトでした。
 醜悪な風貌をした教師、彼の研究室の水槽で変死した女学生、よみがえりし古生物……。
 変格ミステリ傑作選と言うだけあってとてつもなくヘンテコな作品でした。けれど太古のロマンを熱っぽく語る場面に、共感し惹きこまれたのもまた事実。

 これは他の作品も気になるなと思い、次に手に取ったのが双葉社の『日本推理作家協会賞受賞作全集② 短篇集』に収録されていた『海鰻荘奇談』。
 知恩寺の古本市で買ってきたばかりの本で、いま思い返せばこれがドハマりするきっかけにして、決定打だったと思います。
 海鰻荘と呼ばれている巨大な水槽がある屋敷で、これまた変死体が見つかる。愛憎渦巻く復讐の物語……ではあるのだが、当然のように登場する未知の古代生物。トリックと言っていいのかよくわからないあまりにも異常な真相。日本推理作家協会賞の前身にあたる探偵作家クラブ賞を受賞した作品で、いろんな意味で衝撃的としか言いようのない作品。

 啞然とするのと同時に、これが、これこそがぼくが求めていた小説! と妙な熱のようなものを帯びた興奮に包まれていたのを覚えています。
 それからは卒論執筆の息抜きに、大学の図書館で見つけた『香山滋全集』を気の赴くままにつまみ読みする日々……。

 絶対にいつかこの『香山滋全集』を買おうと決心し、先日、ついに『香山滋全集 全14巻+別巻』をお迎えしました!

 ネットで二万ちょっとと想像よりも安くておどろきました。
 けれどこれでいつでも香山滋が読める! 本棚での『香山滋全集』の圧倒的存在感たるや! 新しい生きる糧を得たようなもの。
 メルヘンの世界をじっくりと存分に楽しんでいきたいです!

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