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伊勢和紙への写真のプリント
伊勢和紙の大豐和紙工業訪問
和紙への写真のプリントを試行錯誤しています。
その一環で、長年、神宮御用紙を奉製されてこられた大豐和紙工業株式会社の伊勢和紙ギャラリーと伊勢和紙館に伺ってきました。
迎えて下さった中北喜得(よしえ)さんは「自分が和紙に写真をプリントしたいから」という思いで印刷用和紙を開発してこられたそうです。
印刷用伊勢和紙は、和紙本来の良さを大切にするために、敢えて発色を調整するための表面塗布は一切されていません。そこに伊勢和紙のおもしろさとプリントの難しさがあります。
これまで以下の伊勢和紙にプリントして視ました。
伊勢和紙Photo
伊勢和紙Photo 雪色
伊勢和紙Photo とりのこ色
伊勢和紙Photo 平織目
伊勢和紙Photo 白銀
伊勢和紙Photo 優美
伊勢和紙Photo 芭蕉
伊勢和紙Photo 浄ら芭蕉
手すき伊勢和紙
純三椏紙
伊勢斐紙 風雅
伊勢斐紙 風祥
純雁皮紙
これらの印刷用和紙は、滑面と粗面どちらも印刷できますから、11種類 x 2 = 22種類の個性を試してきました。
因みにまだ試していない手すき伊勢和紙もあります(伊勢和紙は奥が深い)
晒し純楮紙
未晒し純楮紙
長毛楮紙
板張り半草紙
大直紙
伊勢和紙Photoシリーズは、自宅のEPSON SC-PX1Vで問題なく印刷できています。しかし手すき伊勢和紙シリーズは、プリンタヘッドの高さとインク量の調整がなかなかうまくいきません。今回、中北さんに相談させていただき、ノウハウをたくさん教えていただきました。
また自宅のSC-PX1VではA3ノビまでしかプリントができません。折角の機会なのでお話を伺うだけでなく、Canon PRO-6100で菊判(970mm x 630mm)の手すき純雁皮紙に自分のモノクロ写真をプリントしていただきました。未晒し純楮紙へのプリントも初めて試してみました。
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伊勢和紙で写真展
伊勢和紙にインクジェットでプリントした作品は、9点、竹沢うるま氏のワークショップの修了展として7月23日(火)から8月5日(月)までアートフォーラムあざみ野で展示させていただく予定です。
詳細が決まりましたらまたお知らせいたします。
和紙へのプラチナプリント
中北氏に、和紙へのプラチナプリントについてお伺いすると、「漉いて(折角うまく)乾かした和紙に薬品を塗って湿らせてしまうわけだから、その後のことは保証できない」と仰っていました。
これは海苔巻きあられを作るのに、あられに海苔を巻きやすいようにしっかり加湿する工程について、海苔の風味を損なってしまうことを残念に思う海苔加工業者の気持ちと同じだと深く共感しました(笑)
しかし、いかによりおいしい海苔巻きあられを作るか改良が続いているように、和紙へのプラチナプリントも創意工夫でいろんな可能性がありそうです。
こちらもプラチナプリントの専門家と一緒に試行錯誤していきたいと思います。