国際コーヒー機関(ICO):5月のコーヒー指標価格レポート

元記事:Global Coffee Prices Fall for Second Straight Month, ICO Reports - Daily Coffee News [Nick Brown | June 1, 2020]


世界の商品市場でのコーヒー価格が2か月連続で下落した。コーヒー価格危機は3年目に突入し、コーヒー生産者の間で経済的な不安が増幅されている。国際コーヒー機関 ICO(International Coffee Organization)の月次貿易報告書によると、5月の複合指標価格は1ポンドあたり平均 1.0445 米ドル(4.1%減)で、高値は5月11日の 1.0729 ドル、安値は5月29日の 0.9868 ドルだった。

記事リリース時点で、2020年9月のアラビカコーヒー先物の基準価格は 0.99850 ドルであり、多くのコーヒー農家において生産コストを大きく下回る数値だ。ICOは、2020/21年はブラジルにおいて表年(注釈:収量の多い年)であり、生産量の増加見込みやCOVID-19により需要の見込みが不確実であることを理由に価格が下落したとみている。
価格指標は2019年10月から2020年4月までの7か月間、世界のコーヒー出荷量が7,278万袋と前年比3.8%減少したにもかかわらず低下した。


ICOの統計によると、2018/19年と比較した同じ7ヶ月間では、
・アフリカからの輸出は7%増の766万袋
・アジア・オセアニアからの輸出は0.6%増の2362万袋
・中米・メキシコからの輸出は4.9%減の877万袋
・南米からの輸出は8.6%減の3274万袋
となった。


ICO は現在のところ、新型コロナウイルスのパンデミックが世界のコーヒー市場に与える影響について、小売店におけるコーヒー消費の激減にも関わらず、2019/20 年の世界の消費量は前年比0.5%増になると推定している。
ICO は、「とはいえ、雇用の喪失は、特にコーヒーを飲む習慣のない消費者の需要を低下させる可能性がある」と付け加えた。


参考:COVID-19 と価格に関する ICO の最新レポートについて

* ICO Warns of Increased Coffee Price Volatility as Coronavirus Unfolds
(翻訳版:国際コーヒー機関(ICO)の予測2:コーヒー価格の変動率上昇へ警告

* ICO Forecasts How a Global Recession Might Affect Coffee Demand
(翻訳版:国際コーヒー機関(ICO)による予測:景気後退によるコーヒー需要への影響

----------------------------------------------------------------------------

長らくコーヒーに関わって生きているとはいえ、ICOが毎月前月の指標価格動向に関するレポートを発表していることを知らずにいました。最近ようやくコーヒーニュースを一通り眺めてどの記事を翻訳しようか考える、アンテナが働きはじめたように思います。今日の記事は短めですがご容赦下さい。

junko