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海のお話
次の月曜日は海の日。波の音のASMRを毎日のように聴くぐらい私は海が好きだ。
海水浴は大人になってからは行ったことはないけれど、母方の実家が海の近くだったので、私にとっては海はとても身近な存在だった。
祖母の家に遊び行くと、海の恵みである新鮮な海産物をたくさん振舞われた。しかし、私はあいにく魚介類、特に生ものはあまり好きではないのでそんなに食べることができなかった。
でも、その時の新鮮さは、他の場所で海産物を食べるとよく分かる。祖母の家で出されたものは、クセや生臭さもほとんどなく食べやすかった。
一番覚えているのは、伯父さんが釣りに行った時に捕まえたタコ。生きているまま塩もみしてそのままお湯に投入。まさに産地直送すぐに調理なわけだが、その時のタコの頭が柔らかくて本当に美味しかった。あれ以上のタコには未だにお目にかかれていない。
海そのものが特別なものではないので、夏じゃなくてもよく遊びに行っていた。
大きな浜に行くこともあれば、メジャーではない細道を通った先にあるような小さな浜に出かけることもあった。
小さな浜は、海水浴シーズンじゃない時に行ったのもあるけれども、全然人がいなくてちょっとしたプライベートビーチ気分で楽しかった。
浜もいいけど磯もいい。むしろ、磯に出かけることの方が多かったような気がする。
私も、どちらかというと磯の方が好きだった。
なんといっても磯は、海の生き物がたくさんいるのだ。
見つけやすい貝類や小さなカニ、小魚が泳いでいるのも見えた。
そういえば、釣りってやったことないな。釣り堀で遊んだことはあるけれど、海では釣ったことがない。知り合いの釣りができる人に頼んで今度連れて行ってもらおうか。
あとは、海辺近くのお店も楽しかった。
新鮮な海産物はもちろん、貝類の浜焼きがあったり、何より楽しみだったのが無料で配っていたあさりの味噌汁だ。今はやっているか分からないけれども、小さい頃はそれが楽しみで海の近くに行っていたのもある。
それから、海に行く道中にもお気に入りのスポットが。海水浴場近くに乗馬クラブがあって、車から馬たちを見ることができたのだ。お気に入りの白い馬を見つける度に喜んでいたっけ。
そんな海も、震災で祖母の家を失ってから随分と疎遠になってしまった。
伯父が祖母と一緒に住む家を同じ町内に新しく建てたが、その二人も亡くなってしまったので、いよいよあの町に行くこともなくなった。
夏が過ぎて海に行く人が少なくなったら、もう一度行ってみたいなと思う。
そのためには、車の運転の練習をしなければならない。
実は、免許は持っているものの、もう10年以上運転をしていないバリバリのペーパードライバーなのだ。
両親も年をとってきたし、そろそろ自分が運転しないととは思っていたけれど、これも学び直しだな。
憧れの海へのドライブは、まだちょっと遠い。