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天牛名義考 序 (かみきりむしのなまえについて はじめに)

序の3. カミキリムシ

甲虫カミキリムシは, 日本にざっと800種. 南西諸島だけに生息する種類もあれば, 北海道にしかいない種類もある.

大きい種類(日本産で体長60mm程度)*も小さい種類(同, 2-3mm)**もある. 概して体は縦長だ. 色彩が地味なのも派手なのもある. ほとんどが飛翔できるが, 下翅が退化, 上翅が癒合して飛べない種類もある.

ほとんどの種で11, 特定の種で12の小さなパーツ(節)が一連となって触角を形成している. それが素晴らしく長い種類***もあれば, 短い種類****もある.

実に多様なのだ. ここに, カミキリムシとは何かと, 一言で説明できないもどかしさがある.

あえて典型的イメージとして説明すると, "触角が鞭のように細長く, 体が縦長で, 二つの鉤を向き合わせた形の口吻をもつ, 植物食の甲虫"ということになる.
(次稿につづく)

クロカミキリ ♂♀ , カミキリムシの典型的イメージとは異なる外貌の持ち主.


シロスジカミキリとミヤマカミキリ. かれらがわが国を代表する二大巨頭.
シロスジカミキリについては, 「 種名考察編 (しゅのなまえのことなど)」で, その和名とも学名とも格闘した.

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ケシカミキリ, ヒシカミキリ. 芥子の実と菱の実が和名の語源. “小ささ” をどう表現しているか, も, 「 種名考察編 」の関心の一つ.

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ヒゲナガカミキリ♂の触角は体長の3倍近い. 体長は40mm以上になるから, 大きな個体の触角は120mmを超える. まさに名が体を表している. その体型は黒くスリム. 触角と相俟って惚れ惚れする外貌だ. その学名については「種名考察編」で格闘し, いまだに決着がついていない.

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クロカミキリの触角は, その先端が ”肩”(上翅基部)に届くか届かないかという程度. かれらは一見するとカミキリムシに見えない. 特異な形態だが, なんだか愛嬌がある(上図).


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