かみきりむし

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天牛名義考「名義史放浪編(なまえのれきしほうろうへん)」

『天牛名義考』本論をスタートさせます。 <A>「名義史放浪編(なまえのれきしほうろうへん)」 <B>「種名考察編(しゅのなまえのことなど)」 を交代させながら書き進めます。 脇道寄りまくりの文章ですが, どうぞよろしくお願いします。 <A-1> 気まぐれ平安三書探訪1.1.はじめに いったい,カミキリムシは日本の古典籍にどんなふうに登場するのだろう.系統だった探索は放棄して,気になった2〜3の書物を見繕ってよしとする,はなはだ杜撰な企画を思い立った. そのターゲットは平

    • 天牛名義考 序 (かみきりむしのなまえについて はじめに)

      序文のさらにその前置きが長すぎたようです。すみません。ここから先が, 序文の本題です。当初「序」を6回に分けて投稿すると予告しましたが, これで最後にします。 序の4. 名義問題(なまえについてのぎもん) その1. カミキリムシの漢字表記 試みに “カミキリムシ” を国語辞典『広辞苑』で引くと, 漢字表記が「髪切虫・ 天牛」となっている. まず, 「髪切虫」. なぜ, “髪を切る” と書くのだろう. カミキリムシの口は鉤が2つ向き合った形になっていて, これが左右に開

      • 天牛名義考 序 (かみきりむしのなまえについて はじめに)

        序の3. カミキリムシ 甲虫カミキリムシは, 日本にざっと800種. 南西諸島だけに生息する種類もあれば, 北海道にしかいない種類もある. 大きい種類(日本産で体長60mm程度)*も小さい種類(同, 2-3mm)**もある. 概して体は縦長だ. 色彩が地味なのも派手なのもある. ほとんどが飛翔できるが, 下翅が退化, 上翅が癒合して飛べない種類もある. ほとんどの種で11, 特定の種で12の小さなパーツ(節)が一連となって触角を形成している. それが素晴らしく長い種類*

        • 天牛名義考 序 (かみきりむしのなまえについて はじめに)

          冒頭の画像は, 車内を覗き込むバッタの幼虫(たぶん)。バッタは不完全変態の昆虫で, 卵から孵った時点ですでに成虫に似た姿をしている。蛹を作らずに成虫になる。カミキリムシを含む甲虫は完全変態する。幼虫は蛹を経て成虫になるが, 成虫は幼虫とは似ても似つかない。 序の2.甲虫カミキリムシは昆虫だ. 昆虫には, 人間の ”骨” (内骨格)にあたる組織はない. 外皮*が体形を形成する(外骨格)動物である. 進化(退化?)した一部のグループ**を除けば, 昆虫は羽根(この世界では ”

          天牛名義考 序 (かみきりむしのなまえについて はじめに)

          漢字のタイトルは何やら大上段ですが, "ひらがな"の雰囲気で書いています。元原稿はA4版2枚程度の分量で, それを一度に投稿するのはNoteではやや長いようなので, 6回に分けます。 ん? それだと, ちょっと短いかな。 いや, "注"もあるから大丈夫か。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 序の1.カマキリムシ?カミキリムシという虫がいる. 虫愛づる筋ではファンが少なくないが, 巷ではさほど有名ではない, と思われる. 虫愛づらざ

          天牛名義考 序 (かみきりむしのなまえについて はじめに)

          カミキリムシの名前について書いてみたい

          昆虫が好きで, 中学生まで夢中になって採集していましたが, いろいろあってその後は封印していました。それが, 数十年を経て突如復活することとなりました。復活してからは, とくにカミキリムシに興味をもち, 採集したり写真を撮ったりするうちに, それだけでなく, この美しい昆虫についてエッセイのようなものを書いてみたいと思うようになりました。 カミキリムシは, 虫愛づる筋にはファンが多く, 私などとは比較にならぬぐらいに採集経験も豊富だと思います。ですから, このエッセイで,

          カミキリムシの名前について書いてみたい