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「秋照らす花に、風の匂いと水の音」*言の葉Break*10/25

いきなりですが皆様、
「陰地(かげち)」という言の葉を、
暮らしの中で使ったことがありますか?

「日陰」なら、
時折使うことがあるやもしれません。

「陰地」の割合によっては、
土地の価値に関係してくるとか。

不動産に関わるお仕事のお方様は、
きっとお詳しいに違いありませんが、
私にとっては…、
日陰の方が親しみを感じます。

秋の野には、秋の七草をはじめ、
美しく可憐な花々が咲き、
秋の香は、澄んだ風にまといながら、
木の葉の色を変えてゆきます。

秋の花のひとつに、
「秋明菊(しゅうめいぎく)」
というお花ありますが、

またの名を「貴船菊(きふねぎく)」。
名前に菊とつきますが、キンポウゲ科で、アネモネの仲間だそうです。

中国より古い時代に伝わり、

別名が多く、
「秋牡丹」「しめ菊」「紫衣菊」
「加賀菊」「越前菊」「唐菊」
「高麗菊」「秋芍薬」。

もしかすると、
他にもあるやもしれませんね…。

花言葉は、「忍耐」。

noteのフォロワーさまからのお便りで、
「アネモネ」の仲間であると知り、
調べておりますと、

「陰地」という言葉を見つけてしまいました。

「秋明菊」は、
「陰地」を好むというのですが、

木漏れ日の差す程度、
明るい日陰がよいとあるのです。

「明るい日陰」とは、
「はて?」。
(NHK朝ドラ「虎に翼」の、
寅子に会いたい…これは心の声です)

「陰地」、
もうすこし調べてみますと、

1日のうち、3時間程の直射日光があたる、または木漏れ日のような弱い光が差す場所をいうのだそうで、

完全に日のあたらない場所を、
「日陰」というそうです。

ここまで書き終えて、
私は、「陰地」と「明るい日陰」が、
「ちょうどいいねぇ…」と思った。

まったく日の差さないのも寂しいし、
日当たりが良すぎるのも苦手だ。

風流な川床が並ぶ貴船川の辺は、
「陰地」と呼ぶにふさわしい所だった。

鴨川の源流の近く、
鞍馬山の山懐にある、
雨乞いの神、水の神として知られる、
貴船神社は、千年の古木に守られるように鎮座する。

京都の母なる川、
「鴨川」が出町柳で高野川と加茂川に分かれ、

加茂川沿いに加茂街道をゆくと、
京都植物園や上賀茂神社の近くを通り、

しばらく進むと道は加茂川を渡り、
下に鞍馬川を見ながら貴船口を目指す。

貴船口で、鞍馬と貴船の道が分かれる。
貴船川沿いには、川床料理の店が並び、
夏は納涼、秋は紅葉狩りと多くの人々で賑わう。

そんな貴船よりも、
さらに山深いところに、
鴨川の源流、まさにその一滴が落ちる、その場所を「雲ヶ畑」という、

そしてそこに、「岩屋不動」と呼ばる、
修験道の道場として開かれた、
「岩屋山 志明院」が杉木立の中ある。

まさに、ここは、
「陰地」の中の「陰地」、

「陰地」を知りたければ、
ここが1番とご紹介したい。

杉木立から差す、優しい木漏れ日。
日中も薄暗いが、
日の差さないことはない。

けれど、ここはただならぬ、
冷気と霊気の漂うところである。

司馬遼太郎は「志明院」を訪ね、
一夜を過ごしたこともあるそうで、

「風もないのに、障子がカタコト鳴る」という奇妙な体験をしている。

まさに「霊気」である。

貴船は昔「氣生根」と書かれ、
「氣」が生じる根源の地と考えられた。

「丑の刻参り」発祥の地としても知られており、

「森羅万象」の、
匂いや音までも感じられる、
そのようなところではないかと私は思うのである。

そんな「陰地」の聖地、貴船。

ちょうど今頃は、
「秋明菊」の咲く頃、

秋の陰を照らすが如く、
秋の風に揺れながら、
咲いているに違いありません…。




*……………………………*

本日もおつき合いをいただきまして、
誠にありがとうございます。

吹く風に、秋の深まりを感じ、
早朝の散歩道をゆけば、

あれほど香り立ちた、
金木犀の香りが、
いつの間にか消えてしまい、

ふと木々を見上げてみると、
どこのお宅も、
綺麗にお庭の木々が整えられていて、

なるほど、移ろう季節に合わせて、
お手入れをされて、

淋しい中にも、
来る冬を待つ楽しさが、
込み上げてまいります。

うん?
なにか忘れていないか?

そうだ!紅葉だ!

紅葉の本番はこれから、
関西では11月を過ぎてから…💧


おもしろき
こともなき世をおもしろく 
住みなすものは心なりけり

(長州藩士・高杉晋作 辞世の句)


人生に起こることを、
ひとつひとつを味わい、
慌てず、愉しく、受け入れ、

おもしろがりながら、
わたしも生きてゆきたい。

綺麗だ、最高だ、いい感じ、
そう思えたら、
必ずそう成ると信じて…。


いつもありがとうございます
素敵なご縁に心から感謝して…


素敵な秋の夜に…☘
         深謝  



*参考資料*

「歩く地図S 京都」 
      山と溪谷社 

きのめ様 「植物」記事より
いつもありがとうございます☘

ふうちゃん様 イラストより
いつもありがとうございます☘































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