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スクラムの3本柱 の「透明性」を3大回転寿司チェーンに適応してみる!

こんにちは、SecureNaviでエンジニアをしている河野です。

この記事は「 SecureNavi Advent Calendar 2024」の12月19日にエントリーしています。
ぜひ他の記事も読んでみてください!

本記事ではタイトルの通り、スクラムの三本柱の「透明性」を、身近な例である回転寿司チェーンに適応してみたいと思います。


スクラムとは

チームで協力し、短い期間で開発・改善を繰り返すアジャイル開発手法の一つ。

 https://www.nri.com/jp/knowledge/glossary/lst/sa/scrum

スクラムの3本柱 の「透明性」

スクラムの3本柱とは、「透明性」「検査」「適応」です。
スクラムやってるけど、「なんだかスクラムやってることに価値が見出せない!」って方はスクラムの3本柱を意識することから始めると良いと思います。

3本柱の1つである「透明性」とは、開発に関わる情報(目標、計画、進捗、問題点など)を、誰でも理解できる状態にするために必要な要素となります。

本記事で利用している画像について

本記事で利用している画像は、Microsoft Designerを使用して生成した物を筆者が一部加工して作成しております。© Microsoft Corporation. All rights reserved.

SecureNaviでスクラムやってる感満載!、なクリスマス感全開のスクラムの3本柱

「透明性」を担保しなければ、意思決定の正確性が損なわれ、最適な判断ができないという点に異論は少ないでしょう。しかし、その「透明性」を具体的にどのように実現するかについては、様々な課題が山積しています。本記事では、この課題に対して、「定量的な指標を活用した数値化」というアプローチによる解決策を提示します。

[備考] 本記事の設定

今年も世界中の子どもたちにプレゼントを配る忙しい日々を送るサンタクロース。少し時間を作って、日本の文化を体験したいと考えています。そこで、サンタクロースにぴったりの回転寿司店を選ぶお手伝いをしましょう!
筆者がフィンランドからやってきたサンタさんにどこの回転寿司をおすすめすべきかという難解な課題を解決していく過程を通じて、スクラムの「透明性」について学んでいきましょう。

情報収集の対象

実際の業務におけるスクラムでは、Devチームのメンバーやステークホルダーから収集した内容を利用するのですが、今回は生成AIを情報収集の対象としております。

ツッコミどころ満載な課題解決後のあるべき姿のイメージ画像

1. ざっくりと生成AI(モデルはGemini Experimental 1121)に情報収集して

各回転寿司チェーンの名前を指定して、良いところと悪いところを聞いてみた結果が以下となります。
※実際の企業名を出すとよくなさそうですので匿名にしております。匿名にしていても一部バレてしまうかもしれませんが・・・

1-1.回転寿司チェーンAの良いところと悪いところ

🔲良いところ

・豊富なメニュー
  - 定番の寿司ネタから創作寿司まで、幅広いメニューが楽しめる。
  - サイドメニューやデザートも充実しており、特に「フライドポテト」は人気。
  - 期間限定メニューやフェアが頻繁に開催され、飽きさせない工夫がある。

・価格
  - 平日100円(税込110円)からの低価格設定。(一部店舗、期間、商品を除く)
  - お得なセットメニューや割引キャンペーンも多い。

・利便性
  - タッチパネルで注文できるため、店員を呼ぶ手間が少ない。
  - スマホアプリからの予約やテイクアウト注文が可能。
  - 自動案内システムや自動会計システム導入店舗もあり、待ち時間短縮に貢献。

・技術革新

🔲悪いところ

・味
  - 価格相応で、高級寿司店と比較するとクオリティは劣る。
  - ネタの鮮度やシャリの質にばらつきがある場合がある。
  - 一部メニューは味が濃いめという意見もある。

・混雑
  - 特に週末や休日は待ち時間が長いことが多い。
  - 店内が騒がしい場合がある。

・サービス
  - 繁忙時間帯は店員の対応が遅れることがある。
  - マニュアル化された対応で、融通が利かない場合がある。

・その他
  - ついついサイドメニューを頼みすぎてしまう可能性がある。
  - 添加物が多く含まれるメニューもある。
  - レーンに長時間回っている寿司がある場合がある。

1-2.回転寿司チェーンBの良いところと悪いところ

🔲良い点

・エンターテイメント性
  - 皿5枚ごとのゲーム「ビッくらポン!」は子供に人気。
  - 寿司以外のサイドメニューやデザートが豊富。

・価格
  - 低価格で寿司を楽しめる。
  - キャンペーンやフェアを頻繁に開催している。

・利便性
  - タッチパネルで注文できるため、店員を呼ぶ手間が少ない。
  - 全国に店舗があり、アクセスしやすい。

・衛生管理
  -「鮮度くん」や「抗菌寿司カバー」など、衛生面への配慮が見られる。

🔲悪い点

・味
  - 価格相応で、高級寿司店と比較するとクオリティは劣る。
  - シャリやネタの質にばらつきがある場合がある。

・混雑
  - 特に週末や休日は待ち時間が長いことが多い。
  - 店内が騒がしい場合がある。

・サービス
  - 繁忙時間帯は店員の対応が遅れることがある。
  - マニュアル化された対応で、融通が利かない場合がある。

・その他
  - ビッくらポン!目当てで必要以上に食べてしまう可能性がある。
  - 添加物が多く含まれるメニューもある。

1-3.回転寿司チェーンCの良いところと悪いところ

🔲良いところ

・価格
  - 平日90円(税込99円)からの低価格設定。(一部店舗、期間を除く)
  - キャンペーンやフェアを頻繁に開催している。

・多様なメニュー
  - 寿司ネタの種類が豊富で、サイドメニューやデザートも充実している。
  - ラーメンやうどんなど、寿司以外の食事も楽しめる。

・利便性
  - タッチパネルで注文できるため、店員を呼ぶ手間が少ない。
  - スマホアプリからの予約やテイクアウト注文が可能。
  - セルフサービスコーナーがあり、ドリンクや汁物が自由に楽しめる。

・衛生管理
  - 「鮮度管理システム」や「自動廃棄システム」など、衛生面への配慮が見られる。

🔲悪いところ

・味
  - 価格相応で、高級寿司店と比較するとクオリティは劣る。
  - ネタの鮮度やシャリの質にばらつきがある場合がある。

・混雑
  - 特に週末や休日は待ち時間が長いことが多い。
  - 店内が騒がしい場合がある。

・サービス
  - 繁忙時間帯は店員の対応が遅れることがある。
  - セルフサービスが多い分、人によってはサービスが不足と感じる場合がある。

・その他
  - ついついサイドメニューを頼みすぎてしまう可能性がある。
  - 添加物が多く含まれるメニューもある。

当たり前なのですが、どこも「三大回転寿司チェーン」の一つなので同じような内容の記載が多いってのも事実。
とはいえこの結果だけではなんもいえねー(判断できないよね)って感じです。

2. 「透明性」を担保するための指標作り

そう、「透明性」を担保するためにはどうにかして文字情報を数値化する必要があり、数値化するためには指標が必要となります。

スクラムでは、スプリントバーンダウンチャートやリードタイムなど、様々な指標を用いて進捗を可視化し、チームの改善に活かしています。これらの指標は、客観的なデータに基づいた意思決定を可能にし、より効率的な開発へと繋がります。

指標の探索・作りの話はスクラム界隈で一般的に語られる事は少ないですが、@ebacky_jaさんの「スクラムアライアンス認定スクラムマスター研修」を受けたときにハードモードで叩きこまれたのでまちがいない。(ホント、あの研修は苦しかった)

2-1.ソフトウェア開発の分野でよく利用される指標

「指標」の概念を理解頂くために比較的有名な指標をリストアップしました。

  • テスト密度

    • テストケース数 / テスト対象の規模(コード行数、機能数など)

  • d/d/d (deploys/ a day / a developer)

    • 1日当たり本番環境へのデプロイ数を開発者の人数で割った値

    • 開発チームの生産性とリリース頻度を表し、アジャイル開発における重要な指標です。

  • ユニットテストのカバレッジ(ユニットテストがどれぐらいプロダクションコードの処理をカバーしているかとの指標)

    • C0 カバレッジ(ステートメントカバレッジ)

    • C1 カバレッジ(ブランチカバレッジ/デシジョンカバレッジ)

    • C2 カバレッジ(条件カバレッジ)

2-2.手作業で指標を作成してみる

今回は良く知られている一般的な指標は最適では無さそうなので(本当は使える手もあるのかも)、先ほどの良いところと悪いところから手作業で指標を作成したいと思います。

結果は以下のようになりました。

2-3.生成AI(モデルはGemini Experimental 1121)に指標を聞いてみる

「三大回転寿司のどのチェーンのどこに行くのが良いかを判断するための指標を作成してください。」との問いかけで生成してもらった結果が以下となります。

三大回転寿司のどのチェーンのどこに行くのが良いかを判断するための指標を作成してください。
三大回転寿司チェーンの中から、どのチェーンのどこに行くのが
良いかを判断するための指標ですね。より詳細な判断ができるよう、以下に指標と評価ポイントをまとめました。

1. 店舗の基本情報

指標:
店舗の所在地(自宅、職場、駅からのアクセスなど)
営業時間、曜日による混雑状況
駐車場、駐輪場の有無
座席数(カウンター、テーブル、個室など)
喫煙/禁煙

評価ポイント:
アクセスしやすい場所にあるか
行きたい時間帯に営業しているか、混雑していないか
車や自転車で行く場合、駐車/駐輪スペースがあるか
希望の座席タイプがあるか
喫煙/禁煙の希望に合うか

2. メニューと鮮度

指標:
店舗限定メニューの有無、内容
その日の仕入れ状況、おすすめネタ
SNS、口コミでの評判
時間帯によるネタの補充状況

評価ポイント:
魅力的な限定メニューがあるか
新鮮で質の良いネタが提供されているか
他の利用者の評価が高いか
いつ行っても豊富なネタが揃っているか

3. サービスと快適さ

指標:
店員の接客態度、対応の早さ
レーンの流れ、注文から提供までの時間
店内の清潔さ、雰囲気
Wi-Fi、コンセントの有無
子供連れへの配慮(子供用椅子、食器、メニューなど)

評価ポイント:
気持ちの良い接客を受けられるか
ストレスなく食事を楽しめるか
リラックスできる空間であるか
必要に応じてWi-Fiやコンセントが利用できるか
子供連れでも安心して利用できるか

4. その他の要素

指標:
キャンペーン、イベントの実施状況
テイクアウトの可否、メニュー
予約システムの有無、利用方法
待ち時間対策(整理券、アプリなど)

評価ポイント:
お得なキャンペーンやイベントが開催されているか
テイクアウトを利用したい場合、メニューや受け取り方法が便利か
スムーズに入店できるか
待ち時間を快適に過ごせるか

2-4.手作業と生成AIの提示内容の差分をリストアップ

以下が手作業で作成した指標に含まれない項目となります。

指標作りが終わりましたのでまとめに入りたいと思います。

2-5.適用する指標を確定して数値化する。

透明性を担保するためには指標作りも重要ですが、属している会社・チームの状況に応じてどの指標を適用すべきかを検討する事も重要です。

とりあえず以下の指標で生成AI(モデルはGemini Experimental 1121)に聞いてみます。

丸投げならぬ、せおいなげーって感じで数値化してもらいました。

(どんな感じやねん!)
以下の指標を用いて三大回転寿司チェーンのおススメ度合を数値化して表形式で出力してください。
- SNS、口コミでの評判
- サイドメニュー(デザート含む)
- 時間帯によるネタの補充状況、ネタ切れにならないか
- 子供連れでも安心して利用できるか
- 技術革新
評価指標:

SNS、口コミでの評判: SNSやグルメサイトでの評価、口コミを参考に、総合的な評判を評価。
サイドメニュー(デザート含む): サイドメニューの種類の豊富さ、味、オリジナリティなどを評価。
時間帯によるネタの補充状況、ネタ切れにならないか: ピークタイムや遅い時間帯でのネタの補充状況、
ネタ切れの頻度などを評価。
子供連れでも安心して利用できるか: 子供向けのメニュー、設備、サービスの充実度などを評価。
技術革新: 自動化システム、予約システム、注文システムなどの導入状況や、独自の技術開発などを評価。

評価基準:
5: 非常に良い
4: 良い
3: 普通
2: やや悪い
1: 悪い
数値化した結果


この時点では、回転寿司チェーンBの評価が高いようです。数値はあくまでも生成AIが出したものでしかないのですが、このように数値することで意思決定の「透明化」が実現できます。

2-6.適用する指標を変更して数値化する。

どの指標を適用すべきかを再度検討した結果、指標のサブカテゴリ的なものを指定し、数値化の目的を詳細化するとの意図となりますが、内容的には回転寿司チェーンにとっては

な指定となります。

以下の指標を用いて三大回転寿司チェーンのおススメ度合を数値化して表形式で出力してください-。
- 平均価格高め
- 創作寿司が豊富
- 個室がある
評価指標:

平均価格高め: 一皿あたりの平均価格、高価格帯メニューの充実度などを評価。
創作寿司が豊富: オリジナルネタ、創作性の高いメニューの多さ、見た目の美しどを評価。
個室がある: 個室の有無、個室の快適さ、予約のしやすさなどを評価。
数値化した結果


回転寿司チェーンBの総合評価の数値が高いという結果になりました。
こちらの結果をサンタさんに教えてあげることができます!

最後に

「生成AIと回転寿司と私」とのテーマで、スクラムの3本柱 の「透明性」について説明させていただきました。

テーマ変わっちゃってる?一応変わってないつもり

所属している会社とチームの状況に適した「指標」を探索・作成し、「指標」を利用して対象を数値化する。これによって意思決定を「透明化」する事が可能になります。といっても、その数値化の工程をどのように「透明化」するかというのも悩みポイントではあります。

探索・作成した指標の利用の可否判断や重みづけについては、トレードオフスライダーがとても役に立ちます。トレードオフスライダーを事前に作成しておく事をおススメいたします。

Build a Happy Team!

スクラムの3本柱 の「透明性」を意識して、Devチームのメンバーとステークホルダーが納得できる成果を持続的に生み出せる楽しいチームを構築しましょう!


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