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遊んでくれた記憶。でもやっぱり怖かった。
今日、TVドラマ『相棒』の再放送を観ていたら、ドラマの中で折り紙の“ほかけ船”が出てきた。“ほかけ船”と言っていたが、私は子どもの頃“だまし船”と言っていた。ま、同じものなんだけど。
それを観て、不意に思い出した。
むかしむかし、私が幼稚園に行くか行かないか位の頃、母がこの“だまし船”を折り紙で折ってくれた事があった。
そして私に「ココ持っとき!」と言って、帆先を持たせて、次に「目瞑り!」と言ってきたので目を閉じると、「ほら、ドコ持ってんの!」という。目を開けると帆先ではなく、船の先を持っていた。
本来ならここで私は「あれ?」とか言いながら笑うところなのだと言う事は子ども心にもわかったけど、なぜか緊張していた。
母の物言いが恐かったのだ。
遊んでくれてるつもりなのかもしれないけど、なぜいつも命令口調?
そんなしょーもない事を思い出してしまった。
すると、続いて思い出した事があった。やはり同じ頃。
空気を入れて膨らませると、中に鈴が入っているボールがあった。
ビーチボール位の大きさだった。たぶん。
それを母と投げては受け、受けては投げる。
母は笑わない。
何も言わない。
ただただ無言で投げ合う。
受け損なったら怒られそうで、その時の緊張感が忘れられない。
すると、またまた思い出した。
母に本を読んでもらった事を。
母は小さな頃に絵本を読んでくれた事はない。
それは、私がもう小学校に入ってからの話。
前にも記事の中で書いたが、実家近くの書店から毎月1冊ずつ『世界名作全集』が配達されて来ていた。
どんどん冊数は増えていくが誰も読まない。
私が読むのはもっともっと後のこと。
ある日、母が「本、読んだる」と言い、私にどれがいいかを聞くこともせず、世界名作全集の中の1冊を持ってきて読み出した。
読んでくれてる母には悪いけど、全然面白くない。
抑揚を付けて読むワケでもなく、ただ棒読みで、男の人が言ったのか女の人が言ったのかさえわからない時もあった。
話が入ってこない。でも余所見していたら怒られるから、じいっと聞いてるフリをしていた。緊張感の中にあるもう一つの苦痛。
ま、その頃の私には、読んでもらっていてもその内容の読解力も持ってはいなかったのだろうから、母の読み方がどうのと言える立場でもなかったけど。
私は“遊んでやってる”風がイヤだった。
私は“本を読んでやってる”風がイヤだった。
母には“一緒に”遊びを楽しんで欲しかった。
母と本の世界を“一緒に”楽しみたかった。
やがてそれは反面教師になった。
息子たちとは一緒に遊んで楽しんだ。
本を読んで、一緒に怖がったり、大笑いしたり。
春休みや夏休みはアニメを映画館で楽しんだ。
『ドラゴンボール』や『ドラえもん』、『クレヨンしんちゃん』それに『名探偵コナン』。ジブリ映画も楽しんだ。
楽しかったな〜。
子ども達の休みが楽しみだった。
そんな事を次々に思い出してしまって、肝心の『相棒』、
ストーリーがわからなくなってしまった。
録画したヤツやから、また明日ゆっくり観よっと。