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完全挙手制の恋愛

塩の使い方で、全く持って世界は変わる。だってそうだろ。海が乾いても塩はのこるし、塩がなけりゃぼくたちは存在しないそうじゃないか。塩がなけりゃ、おむすびは味気ないぜ。ご飯に砂糖をまぶすのかい?

君は塩が存在しない世界をまだ本当にはイメージできていない。僕だってそうさ。

塩がうまいということは、その日がいい1日だったってことさ。だってそうだろ。汗水流して働いて結果残しても、世界から塩がなくなってしまったら、君はどうやって塩味をとりもどすのさ。強いて言うなら僕は君の塩でありたい。そして君はぼくの塩であってほしい。そう言う僕に君はするんだろうね。

塩対応。

「コンビニで6000円もつかうなんて、あなた酔ってたの?何を買ったのよ」

アパートの隣の部屋から、そんな声が聴こえてきた。

時代遅れかな?

始まりはFacebookだった。友人に勧められて、ぼくはその動画をアップロードしたんだ。

どんな動画かって?それを聞いてくれるんだね?

ありがとう。

加古川という辺境の地

田舎町の展望台の上に機材を運び楽器を演奏してうたを歌う。それをそのままミュージックビデオする。

大阪の映像チーム【TOASTPARTY】の企画だ。

当日現場入りしたはいいが、映像機材や照明、パソコンに電源供給ができない。どうしよ

途中で、充電が切れてしまいますね。なんつって

ダメだとわかっていたが、僕たちは市が管理している建物の外に配置されていた、電源にコンセントを差し込み、延長コードで事なきを得た。日岡山の展望台。

運がいいことに展望台の上にはイチャイチャするカップルがいた。すかさず僕は声をかけた。

「あのう、今からミュージック・ビデオを作るんすけど、もしい大丈夫なら、出演してもらうことできませんでしょうか。」

「えーぼくたちこの後、塾で忙しいんやけど」

「そうなの、宿題も終わってない しね」

「そこんとこをひとつ、よろしくお願いおます」

「しゃあないなー。ほんまぁ。ちょいとだけですよ。」

怪しまれてしまった。それも仕方ない。

1メートルくらいのデッカいサメのステッカー貼られた黒いハイエース。

そんな機材車がいきなりやってきたら

みんな、なんだなんだ?ってなるよね。

まぁ、そんなこんなで、いきなり出会った見知らぬカップルがライブミュージック・ビデオに

ゲスト出演することになった。

その動画をYOUTUBEにアップロード。

しばらく放置していたら、友人がフェイスブックにアップロードすることを、おすすめしてくれた。

いいよ。今晩URLはって、あげてみるわ。

するとどうだろう。いきなり東京のミュージシャンがコメントをくれたって訳。

久保田麻琴っていうギタリスト。

誰か知らないおじちゃんだったけど

どうやら著名人みたいでさ。その人がコメントをくれたせいで、インフルエンサーの友人たちに
僕のミュージックビデオ

その夜景を前にした高校生カップルの戯れ
そのワンシーンが、広まるわ広まるわ。

はっぴいえんどの時代の音楽。アジアの音楽をロックに取り入れたイキなおっさん。細野晴臣のダチ。

そして久保田ってミュージシャンの知り合いから
ライブのオファーが来たんだ。

しかも池袋。りんご屋ってハコで。靴を脱いで
裸足でライブを観るライブハウスらしい。

共演はdocomoのCMソングを手がけたことでおなじみ、沼田壮平こと、

olde worlde

I want to say want to say
I want to say ♪

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