シキシマ シキ

新潟生まれ。東京・千葉・京都育ち。大阪在中。妻子持ち。企業さまのブランド顧問がお仕事。…

シキシマ シキ

新潟生まれ。東京・千葉・京都育ち。大阪在中。妻子持ち。企業さまのブランド顧問がお仕事。やっぱ、愛だよ、愛。

最近の記事

とまどい、ニュアンスパーマ。

パーマの話をしようと思う。 パーマとは、 無論パーマネントウエーブのことであり、 薬品や電気などで意図的に髪に造形を作り出すことだ。 結論から言うと、 私は昨日、美容院でパーマをあてた。 それだけの話だ。お暇なら読んでいただきたい。 髪を切りたいと言うのは、 とても自然的で必然的な欲求だったと今考えても思う。 たっぷりと3ヶ月は髪を伸ばしっぱなしにしておいたし、 翌週には従兄弟の結婚式も控えていたからだ。 今からおよそ3ヶ月前に、 美容院でいつも通りカットを済ませた後

    • またいつか、川の先の海で。

      プレゼンに使用した資料を引っ張り出す。 一枚抜き出してひっくり返す。 白紙のA4用紙だ。 ちょうど真ん中ら辺に一本の縦線を引く。 左側に、得たもの。 右側に、失ったもの。 大上段には、 三十二年間の人生、 という項目を設けてみた。 三年前のことだ。 村上春樹の初期の作品に、 こんなシーンがあったと思う。 それを思い出したのだ。 当時、 転職活動の際に転職エージェントの方が言った。 「まずは人生を棚卸しましょうか」 「人生? キャリアじゃなくてですか?」 「はい、自

      • 算術的、アフタヌーン。

        ドトールでアホみたいな顔をしながら、 アイスコーヒーを飲んでいる時だった。 隣に座ったおそらく大学生くらいの 女の子二人組がおしゃべりしながら、 カバンから勉強道具を取り出した。 ドトールには勤勉家が多い。 メール返信に必死な社会人もいれば、 資格勉強に熱心な学生だっている。 若者から中年だけじゃない。 意外とご老体も多く見受けられる。 どんな集まりかわからないが、 病気と死者の話で盛り上がる様子も、 なかなかの確率で見ることができる。 金さえ払って、 人と店に迷惑

        • 同郷の犬と、太古の猫。

          帰省して会う高校時代の友人がいる。 その友人も都会で暮らしていて、 お盆になると二人とも地元に帰ってくるのだ。 お互いに墓参りや家族とのアレやコレやを済まし、 いざ深夜になると連絡をし合う。 〈行きますか?〉 〈そうしますか〉 どちらかがそうLINEして、 どちらかがそう返信をする。 その日は友人から連絡が来て、 私は叔母の車を借りて友人宅へ向かった。 玄関に入るとペロがいた。 高校時代からいる柴犬だ。 ペロは柔らかそうな布の上で、 じっとして動かなかった。 私

        とまどい、ニュアンスパーマ。

          ブルーハワイな、夜の自販機。

          かつてコンサル業界を志したことがある。 コンサルといえばフェルミ推定だ。 転職エージェントの人が教えてくれた。 フェルミ推定とは推論ゲームみたいなもので、 「日本に電信柱は何本くらいあるか?」とか、 「1日に出動する救急車は何台あるか?」などなど。 データが手元にない中で、 論理的な思考の元おおまかな数字を見出す、 という概算方法だ。 ほうほう、と思い参考書を買ってみた。 やってみるとなかなか面白くて、 コンサル云々の前にハマってしまった。 パズルのような感じで楽しい

          ブルーハワイな、夜の自販機。

          チグハグな、純喫茶デイズ。

          純喫茶によく行く。 タバコが吸えるからだ。 私はタバコを吸うために、 食事をするような人間だが、 この店だけは違う目的で行く。 新大阪の駅地下にあるとある喫茶店。 モーニングが至高なのだ。 お気に入りの席がある。 レジに隣接する一人席だ。 出口付近にあって店の中全体が見渡せる。 レジ横には50cmくらいの少女の銅像がいる。 ふと目線を上げると、ちょうど目があう高さだ。 まるで物静かな友人と来ている感覚になるのだ。 ホットサンドもいいな。 サンドイッチもいいな。 ピラ

          チグハグな、純喫茶デイズ。

          あのさ、お互い頑張ろうね。

          童謡が外から聴こえてくる。 いつもの彼らが来たのだ。 急いで窓を開け、 サンダルを引っ掛けてベランダにでる。 声のする方角を探る。 いた。歌い主は四十代と思しき男性だ。 いつもアウトドアウェアに身を包んでいる。 その隣には十代後半くらいの女の子がいる。 歩き方がおぼつかない。障がい者だ。 小さくもなく、大きくもない。 そんな絶妙なボリュームで男は口ずさむ。 それなのに私がいるマンションの三階まで、 不思議とよく聞こえてくる。声が通るのだろう。 歌っている男は無表情だ。

          あのさ、お互い頑張ろうね。

          思考する、夜のハイウェイ。

          意味がわかるとガッカリする言葉がある。 たとえば「東名高速道路」がそうだ。 幼い頃に東京に住んでいた。 父がドライブが好きだったものだから、 お盆か正月になると新潟の実家に車で向かった。 いつもは街中が寝静まる時間に、 コソコソと車に乗り込むのである。 私はこのイベントが大好きだった。 真夜中に走る高速道路は、 まだこんなにも人が起きているのか! という驚きがまずあった。 サービスエリアで深夜に食べる、 アメリカンドッグは大変うまい。 お尻のカリカリの部分まで、 こそ

          思考する、夜のハイウェイ。

          ピアッサーを、右手に持って。

          イナムラさんは穴だらけだ。 あらゆる箇所をピアスに侵食されていて、 特に耳に至っては肌色の露出部分が極端に少ない。 ピアスのイナムラさん。 当時私のアドレス帳には そのように登録してあった。 高校生の頃だ。 イナムラさんは、 もはやピアスそのものだった。 特に鼻と口と耳の三点を複雑に繋ぐチェーンは、 どうしてそういう発想に至ったのかサッパリだった。 イナムラさんが首を傾げるたびにそれは揺れる。 その度に、痛ましいような、 愉快なような複雑な気分になった。 当時ファミ

          ピアッサーを、右手に持って。

          なんなら、枇杷がいい。

          枇杷が好きだ。 ただ、晴王(マスカット)や豊水(梨)を 口に含んだときの多幸感にはとても叶わない。 それでも美味しいと思う。 あの絶妙なうまさがなんともいい。 無花果や柘榴も似たジャンルのような気がする。 なんとなく味がぼやけていて、 そこはかとなくジューシー。 「おいし~~!!」ではなく、 「うん、おいしい」という感じ。 芳醇さに欠けるところが、 なんとも味わい深いのだ。 枇杷を食べるといつも考える。 どうして枇杷が普及したのかを。 だっておかしいと思うのだ。

          なんなら、枇杷がいい。

          その身勝手さが、ベタを殺した。

          飼っていたベタが死んだ。 飛び降り自殺だった。 フリーランスになった祝いに。 また息子に生き物に興味を持って欲しくて、 ベタを購入した。去年の夏だ。 極上に美しいベタだった。 値段は可愛くない。1匹10,000円もした。 デスク横に置いた。 PC作業をしてふと疲れた時に目に入る。 たまに見惚れて作業が滞る。 人たらしなベタだった。 去年の盆明け、 私は汗を滴らせながら四天王寺夕陽ヶ丘駅まで行った。 目的地は、ベタショップ「フォーチュン」。 関西屈指のベタ専門店だ。

          その身勝手さが、ベタを殺した。

          父が泣いた日は、セナが死んだ日。

          父がいた。 正確には今もいる。 どこにいるかはわからない。 私が小一の時に、 母と父は別々の道を歩むことになったからだ。 思い出はほとんどぼんやりとして断片的だ。 だが、その中でもいくつかははっきりと思い出せる。 まず母は厳格な人で、 お菓子やソーセージなどの加工肉を、 私には食べさせなかった。 それらを可哀想に思ったのだろう。 父は母が何かの用事で外していると、 「内緒だぞ」と言ってジャーマンポテトを作った。 父のジャーマンポテトはちょっとだけカレーの風味がした。

          父が泣いた日は、セナが死んだ日。

          はじめてのnote|自己紹介

          はじめまして。 シキシマと申します。 30代もいよいよ半ばまできました。 このまま漠然と40代になるとまずいなぁ、 と思いnoteをはじめるに至りました。 何がまずいのか。 それは追ってお話できればと…。 とにかく! 今回はみなさまの記事を参考に、 「プロフィール記事」を作ってみました。 シキシマ ってどんなヤツなのか…。 コイツがnoteで扱うテーマとは一体…。 すこしでも皆様に知っていただけると、 うれしい限りでございます。 性別 男性 年齢 30代半ば

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