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「集中ゼミナール」始まる

「大家の学校」関西合宿から1週間、もう一つ受講している「集中ゼミナール」が6月22日から始まりました。「集中ゼミナール」は事業計画に特化したコースで、視察+4回のレクチャーとなります。受講生は6人という少人数です。今年の講師は校長の青木純さんと世田谷の大家さん安藤勝信さんです。

安藤さんは集中ゼミが始まる前、集中ゼミ用のアプリにSUPERBEVERの「小さな革命」という曲を「青木純はこんなことがきっと言いたいのだと思います」と紹介してくれました。その歌詞に「小さな革命を/当事者であれ」とあり、とてもとても心に刺さりました

また、安藤さんが建築家でCHArの連勇太朗さん、東京工業大学未来の人類研究センターの伊藤亜紗さんと行った鼎談の記事も紹介されました。3人で「生成的コミュニケーション」をテーマに話をされていて、一見、大家業とはまったく違うジャンルの話かとも思うのですが、「利他的な場をつくる」といった内容で、こうしたことが安藤さんが大家業に求めるものなんだとうっすらと感じました。

「集中ゼミナール」を受講するにあたって、こちらも通常の「大家の学校」同様、受講理由などを提出しました。以下、貼っておきます。

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·集中ゼミナールを受講した理由
OBである「ちっちゃい辻堂」の石井光さんに勧められて、ベーシックコースとともに受講しました。
実家がかつて兼業農家でしたが、今は家庭菜園程度の畑が残るだけとなり、あとは駐車場、アパート、マンション、店舗などになっています。現在、相続税対策として父名義の駐車場に賃貸アパートを建設する計画があり、今年いっぱい基本設計を固める時期としています。そこに集中ゼミナールで学んだことを反映できればと思い受講しました。

·集中ゼミナールで相談しようと思っている活動や物件について
現在、計画しているのは、小商いができるコミュニティ賃貸アパートに「猫がいるコワーキング&一棚ライブラリー」を併設する建物です。この計画は、不動産会社から相続対策として提案されたプランですが、自分としては、この時代にアパートを建てるのであれば、環境への負荷を軽減するとともに、コミュニティを大切にし、まちの活性化に貢献するようなアパートを作りたいとの思いがあります。
今回の構想について、そもそもこの地域に小商いのアパートが適しているのかといった根本的な点から改めて検討し、「小商い」と「サステナブルなエコ住宅」は両立するのかといったことから、もう一つのやりたいことである「猫がいるコワーキング&一棚ライブラリー」の「猫がいる」を実現させるためにはどうすればいいかまで、集中ゼミナールで設計を詰めていくことができればと思っています。

·皆さんに一言!
子どもの頃はかなり内向的な性格で、大人になってからはなんとかそれなりに社会的に不都合ない程度に生活できるようになりました。そんな自分が、コミュニティ賃貸アパートを作るという構想のもと、今年になって「大家の学校」を受講したり、地域のコミュニティに参加したりしています。そうして、コミュニティや人とのつながりについて考えるなか、自分のためよりも「利他」を心がけた活動をしたいなとの思いが強くなりました。「大家の学校」の合宿では「自分には他者への共感力や想像力が乏しいな」と実感したのですが、それでも自分にできる、自分がやるべき賃貸住宅のかたちを見つけたいと思っています。
皆さん、よろしくお願いいたします。

·ご自身を表す写真 自宅で飼っている猫2匹。

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第1回のこの日は、安藤さんの物件の見学と懇親会でした。まず、安藤さんが今、プロジェクトを進めている「三年鳴かず飛ばず」に伺ってみんなの自己紹介を行い、そこから歩いてすぐのところにある1階をデイサービスにした「タガヤセ大蔵」、続いて賃貸コーポラティブを行った「ハイツグランドール」、最後に安藤さんが最初に手がけた「Chicca Kyodo」を見学しました。大家としての安藤さんの軌跡を遡るように辿った視察の旅でした。

この日、教わった内容について事細かに書くことは控えますが、翌日、僕が集中ゼミ用アプリに投稿した感想を載せておきます。

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安藤さんはじめ、みなさま、昨日はありがとうございました。
集中ゼミナールの第1回目、安藤さんから紹介いただいたSUPERBEVERの「小さな革命」と、最近考えている「利他」を個人的なテーマとしていました。

まず、最初に自己紹介などを行った「三年鳴かず飛ばず」の母屋を吹き抜ける風がとても心地よかったことが印象的でしたが、この日うかがった安藤さんの話は胸に響く言葉ばかりでした。なかでも、「普段、仕事や生活をしているなかで、尊重されることってあまりないじゃないですか」という一言が一番強く心打たれました。それぞれの物件を見学するなかで、安藤さんの、常に入居者さんに寄り添いながら尊重しようとする姿勢が、リノベーションなどハード面だけでなく、普段の生活のソフト面にも一貫されているように感じられました。

伊藤亜沙さんとの対談で、「サッカーで例えると自分はサッカー場になりたい」とおっしゃっていました(『利他とは何か』でも、伊藤さんたち5人の著者が利他をめぐる人間観として揃って「うつわになること」としていたことと共通しています)が、コミュニティを作るために必要以上に仕掛けないことなど、安藤さんの賃貸運営の哲学が実態として見られて、とても参考になりました(ちなみに、純さんはサッカーの例では「ボランチ」だということです)。

また、入居する人と契約する前に建物を建てた「三年鳴かず飛ばず」から、時系列を戻るように辿った「ハイツグランドール」での自由に壁紙を選べる仕組みを紹介された際、「自分は少しずつ段階を踏んで進めてきたので、一気に難しいことをやったのではない」との話を伺いました。自分の物件に翻って考えると、初めて建てる物件で何もかも詰め込んでやるんじゃなくて、住む人の交流が生まれるような仕掛けや余白は丁寧に考えながらも、自分がやりたいことをできる範囲でやっていけばいいのかなと思いました。

例えば、「この地域に賑わいを!」という意気込みで、メゾネットの6世帯をすべて小商いできるようにと想定していましたが、うちは猫を飼っていて奥さんが猫飼いの友だちが欲しいという希望があるので、何世帯かを猫ファーストアパートにして、小商い+猫ファースト(猫のいるコワーキング&一棚ライブラリーはまた別に考えます)で、早い段階で入居希望者·候補者が現れてくれれば、壁紙だけでなく内装についてもカスタマイズできるようなことができればいいなと考えたりしました(そういったことがどこまで実現可能かどうかは、わかりませんが)。

安藤さんのお祖父様の「土地は未来からの預かりもの」との言葉も印象に残りました。そうした気持ちがあるからこそ、「ハイツグランドール」の賃貸コーポラティブが実現したり、「タガヤセ大蔵」の社会福祉法人の方、「三年鳴かず飛ばず」の役所の方など、地域の志ある方々がプロジェクトに共感してくれるのだろうと感じました。うちの場合、相続税対策でアパートを建てるわけですが、それでもまちの未来のためになるような建物ができればなと思いました。

怒涛の関西合宿から1週間、強烈なインパクトある物件を続け様に見学し、消化しきれないままに集中ゼミの第1回を迎えましたが、安藤さんの手がけた物件を見学し、話を聞き、一つ落ち着いて自分の向かう方向性が見出せたような気が(あくまで気がしただけですが)します。

長くなりましたが、ありがとうございました。
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こうして、「大家の学校」1限、関西合宿、そして「集中ゼミナール」の第1回が2週間に詰め込まれた怒涛の6月中旬が過ぎ去っていきました。

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