チガラボチャレンジとその振り返り
4月14日、いよいよチガラボチャレンジ·ファイナルの日がやってきました。
それまで、ジミーさんからのアドバイスを参考にして、プレゼン資料を作りましたが、なにぶん初めてKey note(マック版のパワポ)を使って資料を作り、写真や地図を貼ったり、文字を動かしたりと、ネットで調べ調べして、なんとか作り上げた資料で「これで大丈夫かな?」と大いに不安ながら、今のところのプロジェクトの構想を発表しました。
そもそものプロジェクトの始まりが「父の相続税対策のためにユーミーさんから提案されて」というところが最大の弱みであり、どこまで強い思いを込められるかが肝心なところだと心得ていましたが、発表は概ね好意的に受け入れてもらえたようでした。
好意的というのは、どんなプロジェクトかよくわかったという反応が多く、この物件の特徴である「なりわい暮らし」については、「すごくいい!自分がやっていることがその場に定着しているイメージ。それって自分の存在証明にもなる。そこの共通点になればいいのかなって」といった声や、素敵、面白そうといった感想がいくつもありました。
他にも、「この地域に必要なものを考える、エリアの視点、この地域だからこそを組み立ててあげると強い」「自分の価値観との結びつきが問われる。もっと水島さんの掘り起こしをもっとしたい!」「 猫コンセプトを推していって猫が守り神みたいな建物にしては」「更地の段階で人を集めるイベントを行う。竣工前にもローカルマーケットのようなイベントをやっては」「イメージを作りすぎないで始まってから柔軟に進路変更していくことが必要かも。クリエイティブな人は作り込まれれば作り込まれるほど住みたいとは思わない」「泊まれるようなスペースがあればいい。新しい交流が生まれる」「ビジネスや商業的に振り切らなくてもガレージ的な開放、住み開きのようなことでもいい」などなど、たくさんのありがたい意見をいただきました。
また、プレゼン資料の中で「こんな人に住んでもらいたい」といった部分が自分でもどう表現していいかぼんやりしていたので、とにかく自分がリスペクトできるような人物像としていろいろポイントをあげてました。それで、とりあえず書くだけ書いたけれど、発表でははしょったのですが、しっかりと聞いてくれた、というか画面を写メしたんだと思いますが、細かく見てくれて、「住んで欲しい人にそんなに条件があるとハードルが高い」と、「まったくおっしゃる通り」というしかない意見などもいただきました。
チガラボ代表の清水謙さんからは「神は細部に宿る」との助言をいただきました。この言葉はおそらく、これから設計を進めていくなかでキーワードになるんじゃないかと思います。その一方で、これまで石井さんや早川さんなどからは、余白が大事とも言われていて、この一見、矛盾する考えを一段高いレベルで調和させるようにできれば、素晴らしい物件になるのだ思います。
意見交換の後には、チガラボチャレンジではみんなに聞いていることのようでしたが、「これからの進め方」を謙さんから尋ねられ、即答できなかったのですが、プロジェクトの進捗状況を皆にお知らせできるよう考えてみてくださいという宿題をもらって発表が終わりました(その宿題が今書いている「note」になっています!)。
その後の交流会でも、参考となるような物件の情報を教えてもらったり、励ましの言葉をもらったりで、ジミーさんから提案されてチャレンジしてよかったなと思えた有意義な1日となりました。
チガラボチャレンジが終わって、一息ついたのも束の間、4月17日にはユーミーから長村さんと宿谷さん(ご自宅で猫を飼っているそうです)、早川さん、早川さんの紹介でコンセプトデザインなどを手掛ける荻野さんに、チガラボチャレンジの報告をしました。
「Cの辺り」に集合して中を見学した後に、「Cの辺り」の上階のお店で、パソコンでチガラボチャレンジの時と同じようにプレゼン資料を見てもらい、発表の感想なども含めて報告しました。ゆうさんもちゃんとプレゼン資料を見るのは初めてです。
今回、初参加の荻野さんから、「コワーキング&一棚ライブラリー」を1階にした方がまちに開く感じが出ていいのでは、との提案がありました。道路からの入り口部分、建物の顔でもあるところで、1階を一棚ライブラリー、中2階をコワーキング、2階をカフェにすれば、道すがら老若男女いろいろな人がフラっと立ち寄ってくれる場所になるのでは、という提案です。その場ではもっともだと思ったのですが、帰ってからゆうさんと話し合うと、ちょっと違うかなということになりました。
僕らがイメージしている一棚ライブラリーは、ちょっと休憩がてら誰もが立ち寄って、井戸端会議的に話をしながら交流するといった感じとは少し違って、言い方が難しいのですが、おしゃべりや交流はあっても、ただの暇つぶしというよりも、本好きな人たちが本などをきっかけに何かが生まれるようなスペースができればなとの気持ちがあります。
「そんな上から目線のように選別するような場所はどうなんだ」という声が聞こえてきそうですが、まだ今のところイメージが不明瞭で、うまく言語化できません。どんなかたちでまちに開いたスペースにするか、これから解像度を上げていきたいと思います。
翌日の18日にはTAKURAMI不動産の3人(ジミーさん、鹿島さん、キッチー)がチガラボチャレンジの振り返りのために集まってくれました。これは、ジミーさんが「まち歩きとチガラボチャレンジが終わったので、いろいろな意見や提案を受けて思ったことを一度、整理しておきませんか」と言ってくださり、この日の集まりとなりました。
振り返りといっても、実際に何をやるのかよく聞かなかったので、ただ感想を述べたりするのかなと思っていたのですが、鹿島さんから教えてもらってKJ法というのをやりました。川喜田二郎さんが考案したもので、付箋などに思いついたアイデアなどを書き付けてボードに貼っていくという手法です。最近、コミュニティの本を読んでいても出てくる、ブレストの際にはメジャーなやり方のようですが、僕としては初めての体験でした。
まち歩きをやって、アパートを建てる土地やこのまちについて、どんなイメージを持っているか、思い浮かぶままに各人が単語を出していきました。その付箋を大きな模造紙に貼ってある、それぞれが説明してから、共通点がある言葉をまとめながら、今現在抱いているイメージが見える化されていきました。鹿島さんが「これがお二人の原点となると思うので、大事にしてください」と話してくれて、この模造紙は大事に持ち帰りました。
また、このアパートのプロジェクトについて、僕が「大家の学校」でこれからたくさんのインプットがあるだろうけれど、地元に戻ってきて整理、消化することも必要だろうから、その手助けとしてTAKURAMI不動産がプロジェクトに伴走したいという提案をもらいました。そうしてもらえるのであれば非常にありがたく、ぜひ!とお願いし、これからも適宜、集まりを持ってもらえるとのことでした。
最後にジミーさんから、国土交通省が行なっている「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」の助成金があることを教えてもらいました。今回のプロジェクトも対象になりそうだから考えてみては、とのことでした。助成金を申請することは初めてで、一体どうすればいいのかわからないけれど、勉強してみようとも思いました。
それから4月21日には、日本で最初のコワーキングを神戸で始めたカフーツ伊藤富雄さんのイベントがチガラボで行われたので、参加しました。地域の拠点を作りたいと考えている人から、全国のコワーキングを渡り歩いている人まで、様々な方が参加していました。
まずは、伊藤さんからコワーキングとは何かについて講義があり、「コワーキングはただのコワーキングスペースではない。人の交流の中で何かが生まれる場である」(大意)といった伊藤さん独自の哲学が披露されました。その後、清水謙さんから茅ヶ崎に特徴と、そこで7年間運営したチガラボが果たした役割についてなどの話がありました。
また、「自分が新しいまちに行った時、まずどこを見るか」といった質問があり、参加者からはスナックや公園などの回答があり、僕は本屋と答えました。謙さんは「これは自分がまちの中で何を重視しているかを表している」とのことで、「なるほどな」と思いました。
この日のイベントでは、茅ヶ崎を代表するクラフトビール「湘南ビール」を作っている熊沢酒造とジミーさんのとまり木をみんなで見学しました。伊藤さん曰く、「とまり木も(コワーキングスペースはなくても)コワーキングだ」ということでした。
さらに4月27日には、「昭和40年男」の編集長だった北村明広さんを迎え、「もうひとつのチガラボFinalday&Foever」が行われました。この日は午前中に茅ヶ崎の東海岸でユーミーさんで建てたメゾネットタイプの賃貸アパートの新築披露パーティがあったので、見学してきました。建物がコの字に囲む形でその内側がコミュニティスペースになっています。ここでイベントができる形で、ひとつ参考になりました。
午後からチガラボに向かいましたが、この「もうひとつのチガラボFinalday&Foever」というのはチガラボは3月で終わったはずだったので、3月末にも「ファイナルイベント」がありました。しかしながら、4月にもイベント中心でもう一月あったので、今回が本当の終わりです。
イベントでは話題のドラマ「不適切にもほどがある」にちなんで、班に別れて「自分の不適切だったこと」を発表するというゲームを行ったりしました。ここでは書けないような「不適切」な発表が多々あり、盛り上がりました。
これてチガラボも本当におしまいです。最後の最後に滑り込みで仲間となった感じですが、チガラボ界隈の方々にはこれからも長くお世話になるものと思います。皆さま、よろしくお願いします。
また、28日には斎藤圭太郎さんがやっている湘南サステナブル研究会(サス研)のご飯会に初参加しました。圭太郎さんもチガラボのスタッフで、サス研もチガラボから生まれたコミュニティです。ご飯会はサス研が毎月1回欠かさず行っている恒例行事で、この日会った人たちもチガラボに出入りしていた人が少なくなかったようですが、それでも初めて会う人が多く、まだまだチガラボの半径の広さを感じました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?