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性の科学#2「モテるためにはモテる必要がある!?」

 今日は「男がモテるようになるにはどうすればよいのか」という問題を解消するためにとっておきの実験を紹介します。

 

カナダのコンコルディア大学で行われたグッピーの「モテるオスにメスがより惹かれる」実験(2006年)


 この研究は、2006年にカナダのコンコルディア大学(ケペック州モントリオール)の研究者たちによって実施されました。目的は、メスのグッピーが他のメスの選択を参考にしてオスを選ぶかどうかを調べることでした。

カナダケッペク州モントリオール

実験の概要

 研究者たちは、水槽の中でメスのグッピーに異なるオスを見せ、その後の選択行動を観察しました。具体的には、以下のような実験デザインが用いられました。

  1. 観察フェーズ

    • 1匹のメス(実験対象)に対して、透明な仕切り越しに「2匹のオス」と「別のメス(デモンストレーター・メス)」を見せる。

    • デモンストレーター・メスは、あらかじめ決められたオスの一方と一緒にさせる(このオスが「選ばれたオス」になる)。

    • もう一方のオスは単独で隔離された状態にする。

  2. 選択フェーズ

    • 観察フェーズの後、デモンストレーター・メスを取り除き、実験対象のメスに自由に2匹のオスを選ばせる。

    • どちらのオスに長く近づくか、どちらと交尾行動を取るかを記録する。

実験の結果

  • 実験対象のメスは、デモンストレーター・メスが選んだオスにより強く惹かれる傾向を示した。

  • つまり、**「モテているオスは、さらにモテやすくなる」**という現象が確認された。

  • これは「配偶者選択の模倣(mate choice copying)」と呼ばれ、他のメスの選択が新たなメスの判断に影響を与えることを示している。

進化的な意味

  • この行動は、メスが「優れた遺伝子を持つオスを選びやすくする戦略」の一つだと考えられる。

  • 野生の環境では、オスの質を判断するのは難しいため、**「他のメスが選んだオスならば良いオスである可能性が高い」**という戦略が有利になる。

  • こうした配偶者選択の模倣は、グッピーだけでなく鳥類や哺乳類など他の動物にも見られる。

この研究は、動物の社会的学習や繁殖戦略を理解する上で非常に重要な発見となりました。


 いかがでしたでしょうか!私はこの実験を聞いたとき、
「モテるためにはモテる必要があるって酷だな。」
と思ってしまいました。

 まあグッピーの習性を直接、ヒトに当てはめてしまうのは少し無理があるように感じますが、周囲からの女性からの評価が男のモテ率に影響を与えるのはなんかわかる気がします。
 
 実際、流行のものに目がないヒトの性質を考えると余計に納得できます。

 こんな感じで、ヒトの性に役立つ世界の様々な実験を紹介していきます!

 次回をお楽しみに!

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