放浪記#4「一度死にかけたから」

 今回は私が実際に経験した出来事について綴ろうと思います。その後に「それを経験した今、怖いものなんかない!」みたいな感じで締めくくろうと思います。

 ことの始まりは、私が小学2年生の時のとある平日の朝でした。
 
 
   「起きなさい!」

 といつもより騒がしく母が私を起こしに来ました。

「なんでそんな騒いでるんだろう」
 と思いつつも、何があったのか聞く気力もなかったので、そのまま身支度を整えようとします。すると、


「何やっているんだ!早くしろよ!」


と今度は父がいつも以上に私の身支度をせかしてきました。

 私は「みんなしてなにをそんなに慌てているんだろう。」と不思議に思いつつも、今度はおとなしく朝食を食べていました。その間もずっとワーワーと家の中が静まる気配はしませんでした。

 やっとの思いで朝食を食べ終わりました。


私が思い出せるのはココまでです。

 私の記憶がここまでしかないのは至って自然のことでした。なぜなら私は朝食を食べ終えた直後、意識を失ってしまっていたからです。


 意識が戻り、目を開けると、眩しいほどに真っ白い病室の中にいました。私は倒れた日に私の身に何が起きたのか家族に聞かされました。

 母からは、私を起こしに来た時にベットにアンモニア臭がただよう黄色い水たまりができていたことを、

 父からは、私が同じ服を何度も何度も脱いだり着たりを繰り返していたことを、

 弟からは、私が朝食を食べ終わった後にまるで感電したようにブルブル震えながら、白目をむいて、ぶっ倒れたことを聞かされました。


その後、二つの病院の検査を経て、脳に良性の腫瘍があることがわかりました。

二年間の闘病生活を経て、小学4年生の時に完治しました。

(闘病生活で一番つらかったのは術後に鼻につける管があるんだけど、それが喉の方に落ちてくるたびに喉にあたるのが死ぬほど嫌だったなあ。まあ闘病生活のことは後々ネタにしようとおもいます。)

 そんな辛いことを乗り越えたんだから、もう何も怖くない!って怖くなった時に言い聞かせてます。

完 



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