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その「偽情報対策」ってサステナブルですか?~わこさんのワイン片手の経済視点~
(第二十二回)「誤情報・偽情報」は2年後の世界の最大のリスク。企業のサステナ課題とも考えましょう
前回はDEIを目的ではなく手段と考えましょう、というお話
前回は、アメリカ企業がDEI(多様性、公平性、包摂性)への取組みを後退させているように見えますが、実はDEIを目的ではなく手段と捉えて現実的な対応をしているだけではないでしょうか、というお話をしました。記事購入して下さった方々、ありがとうございます。
そのDEIってサステナブルですか?~わこさんのワイン片手の経済視点~|わこさん
ワインの話題はちょっと先送りさせてください
話の最後で、ワインにもDEIが溶け込んでいるんです、と思わせぶりな書き方をしました。今回はその話にしようかと思っていたのですが、ちょっとその前にタイミングとして触っておきたい話題があるので、ワイン話は次回と次々回に譲ります。
「ダボス会議」前に発表されるグローバルリスクレポート
スイスに本部のある世界経済フォーラム(WEF)という財団が、毎年1月にスイスのダボスで年次総会を開催します。メディアとかで「ダボス会議」とか言われるやつです。今年は1月20~24日に開催されます。で、毎年会議前にグローバルリスクレポートという報告書を発行します。これは、前年9~10月に世界中の政策当局者やビジネスリーダーや有識者にアンケートを取ってまとめたものです。
2025年版で現状のリスク第1位は「国家間の武力紛争」
そこでは、現状・短期(2年間)・長期(10年間)の世界のリスクは何ですか?と聞いて、まとめて分析していたりします。2025年版が出ました。現状のリスク(世界規模で重大な危機をもたらす可能性が最も高いリスク)第1位は「国家間の武力紛争」です。まあ、ロシアのウクライナ侵攻が続いていて、様々な影響が出ている状況では当然ですね。
昨年起きたことを考えると驚きのない順位
そのあとは、「異常気象」、「地経学上の対立」、「誤情報と偽情報」、「社会の二極化」、と続きます。このあたりも、昨年起きたことを考えると驚きはないでしょう。(WEFは誤報と偽情報、って訳しているのですが、元の英語が ‘Misinformation and disinformation’ なので、「誤報」というよりは「誤情報」の方が語感があっていると思い、わこさんは「誤情報」とします)
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短期の重要度では第1位に「誤情報と偽情報」
で、短期的(2年間)なグローバルリスクの重要度を見ると、第1位が「誤情報と偽情報」、「異常気象」が第2位、「国家間武力紛争」が第3位と続きます。第5位に「サイバー諜報活動とサイバー戦争」が入っています。
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長期の重要度では環境面リスクが上位に
さらに長期的(10年間)ということだと、環境面のリスクが懸念されるという状況になっていて、地球温暖化に関連するとされる異常気象や生物多様性喪失の問題が上位に来ています。
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長期的に環境と共にテクノロジー関連の項目が多くなrのが興味深い
この調査はグローバルリスクについての調査です。ですから、長期になるほど企業自身にどうこうできる範疇を超えている話が多いのですが、長期的に環境と共にテクノロジー関連の項目が多くなる、って興味深いです。特に、「誤報道と誤情報」と「サイバー諜報活動とサイバー戦争」が短期(2年)でも長期(10年)でもトップ10にランクインしています。
サイバーセキュリティについての意識は高まってきている
それだけこの両者が、社会の安定や政策運営、金融市場の動きそして企業経営や個人の生活に悪影響を及ぼしかねない、という意識が強まっているということだと思います。後者のサイバー攻撃などについてはようやく防御法案が整備される方向になってきましたし、政府機関や各企業が様々な形でサーバーセキュリティを高める努力をしています。個人としても、個人情報を抜き取られたりしないようにガードを強化する必要性や意識が高まっているように感じます。
サイバー攻撃の無害化、事前承認前提に 政府が防御法案概要 自民、通常国会での早期成立めざす - 日本経済新聞
企業にとってもサステナビリティ課題であるという認識は高まっている
中でも、企業にとって保有する顧客情報などが漏洩することは、企業としての信頼を失うことにもつながるため、それをガードすることは当然のことになっています。サイバーセキュリティが企業のサステナビリティ課題、つまり企業経営にとって対応していかなければいけない課題であるという認識は高まっていると言えます。
「誤情報・偽情報」は短期リスクで2年連続第1位!!ですが?
ところが、前者の「誤情報・偽情報」についてはどうでしょうか?ここからが今回の本題です。しかも、短期(2年後)リスクで「誤情報・偽情報」が1位になったのは2年連続なのです。まあ、2024年版が調査された2023年秋や2025年版が調査された2024年秋は、フェイクニュースのデパートのようなドナルドが戻ってくるかもしれない、という状況でしたから、さもありなん、ということなのかもしれません。実際、2023年版では短期リスクの16位でしたので2024年にかけて赤丸急上昇しました。
リスク要因としてはそれなりに意識されているでしょう
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