『授業の導入を語る』 授業てらす実習生レポート みきてぃ_鈴野未樹@茨城
こんにちは、てらす実習生(大学2年生)のみきてぃです。先日の授業てらすのオンラインセミナー「授業の導入を語る」に参加しました。以下はその時学んだ事、感じた事、考えた事についてまとめたものです。
私はこれまで導入のみについて深く考えた事がなく、漠然と「面白くて楽しく学習内容に入れる導入」が理想的だというイメージを持っていた。実際の導入を考えるときは(まだ多くの研修やセミナーに参加できていないこともあり、)基本的に社会科のプロ講師である由井薗先生のものを参考にしていた。具体的には、子どもたちにインパクトのある写真などを提示し、「劇的な」出会いを演出するという形の導入だ。大学の授業で社会科や家庭科の模擬授業を作る際もこの方法を使った。本セミナーでもケンタロウ先生は社会科での導入は「社会的事象との出会い」だとおっしゃっており、由井薗先生のものと通ずるところがあった。またTAKA先生も「パンフレット」という言葉で児童が「なんだろう」や「前やった言葉だ!」となるような出会いに近い形だった。
その一方で、この方法は全ての教科に適しているわけではなく、また単元や題材によってより児童にあったものがある場合がある。今回のセミナーを通して、お3方の導入づくりの方法、意図について伺い、私の中で導入の見方が広がった。サトシ先生の導入は、形式としては、めあてを立てるわけでもなく、いきなり問題文を提示する形で始まった。指導書通りではなく普段の児童の生活の文脈の中で考えられるよう、また自然と議論が起こるように設定されていた。算数であればこのように自分事として捉えられる問題をはじめに提示することで考えたくなる導入ができることを学んだ。
さらに、お3方の導入観についてのお話も伺った。ケンタロウ先生は今回は「学習計画を作る」だったが、他にも「感情を動かす」等もあり得る、と回によって異なる導入観を語っていらした。TAKA先生は子どもたちが教材を追求したいと思えるようなエンジンを詰め込む、そしてその過程を教師自身も楽しめるものであること、だとおっしゃった。サトシ先生は、本題への坂道であり、どのような傾斜にするのか、児童や内容に合わせて設定できるもの、というようなものだとおっしゃっていた。これを踏まえ、元々私の中で勝手に理想的だと考えていた「(子どもウケ的な意味で)面白くて楽しく学習内容に入ることのできる」導入、は一元的な考えにすぎないと気がついた。他にも今回のように子どもが興味深く感じること、自分ごとで考えられること、学習課題に繋がること、という要素も重要であるし、今回でなかった要素でも重要なものがあるだろうと考える。そのときの児童の実態、その回の学習内容に合わせて多元的に考え、都度適当な導入を生み出せるようになりたいと強く感じた。