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イベント✖️学級経営

 みなさん、こんにちは! 
私は、東京都で小学校教員をしている西牧と申します。
突然ですが、

 みなさんの学校では学級や学年でどのようなイベント、総合的な学習をされていますか?

 イベントなんて日々忙しく、しかも各学習の既定の時数がある中で実施するのは、難しいですよね。
 私も、以前は、一年間の教育課程がある中で、運動会や学芸会、遠足等があり、そんなイベントを計画する余裕はありませんでした。
 しかし、向山洋一氏の著書の中には、「イベントは夢を描くこと」と記され、イベントを実施することの意味であったり、イベントを通しての成長や教育的意義等もあるものと感じています。何よりも私は子どもたちに“学校は楽しい”と感じて欲しいので、イベントはその一助になります。

 また、今年度、自校の学校アンケートの結果では、学校への児童、保護者の満足度(5年生)が、おおむね満足が全体の約9割で昨年度と比較しても5ポイント程上昇しました。イベント企画がその結果の相関性もあると感じています。そこで

今回は、イベント×学級経営=?

について、考えていきたいと思います。
ここでは、学級で気軽にできるのものや学年全体での企画イベントをご紹介します。

内容☆
1 学級でお気軽イベント
2 帰属意識を高める学年イベント
3 イベントの効果

【学級でお気軽イベント】
 学級で何かイベントのようなものを行うといったらお楽しみ会などが思い浮かぶと思います。
お楽しみ会のように、前もって準備したり、企画を練ったりするものと隙間時間で気軽にできるイベントを紹介します。
 私のクラスの係には、イベント係という企画精鋭部隊がいるためその児童たちに任せたり、私が提案したりして進めています。
 今年度盛り上がった企画は、“ビブリオバトル”、“百人一首二組王座決定戦”、“ボッチャ大会”等です。
特に、百人一首は、学年に広がり、3学期の学校公開では、五年生全体で百人一首大会を開催するまでになりました。
 また、気軽に隙間時間等でできるおすすめイベントを紹介します。

・タイピング選手権
(タイピンガーZを活用し、トーナメント戦でおこなう)
・J-1グランプリ
(ランダムに15人の友だちとじゃんけんをして優勝者を決定する)
・D-1グランプリ
(Canvaを使い渾身のダジャレを作って、ダジャレチャンピオンを決定する)
・腕相撲選手権
(4人班で総当たり戦を行い、勝った代表がトーナメント戦で優勝者を決める)
・プレバト~二組戦
(各自匿名で一句を書き、良いと思われる句に投票し、秀逸な句を決定する)
・スピード王決定戦
(トランプのスピードを行い、トーナメント戦で戦う)
・Kahootグランドチャンピオン大会
(テスト前や学期末にカフート大会を開催)

盛り上がりポイントとして、ネーミングをそれっぽくしたり、賞状や景品(例えばおかわり券)を用意したりすると、よりみんなで楽しめます。
クラスでこのようなイベントを行う良さは、盛り上がって笑顔になることは勿論のこと、いつもはあまり目立たない子でも、脚光を浴びたり、意外な特技を見せてくれることで自信にもつながるところです。

【帰属意識を高める学年イベント・総合的な学習】
 学年全体でのイベントを企画することもおすすめです。
学級のように気軽とはいえませんが、学年を運営していく中でイベントの役割は大きいものと実感しています。イベントや総合の学習を積み重ねて行く度に、帰属意識を高められています。また、他学年、PTA、地域等と連携して実施してきたものもあります。下記のものは今まで開催したイベントです。

・百人一首大会
(各クラスで予選を行い、学年全体でレベル別に分かれ、優勝者を決める)
・ボッチャ大会
(地域の町会のボッチャ団体と共催で実施)
・ハロウィンイベント
(仮装して、kahootやフォトコンテスト、謎解きなどを行う)
・運動会延長戦
(運動会の競技でやれなかったものを実施)
・スポーツ大会
(球技大会、バスケ、ドッジ、ハンドボール等)
・スタートアップイベント
金融教育の一環で、起業をする。各グループで起業し、お店屋さんごっこ開催。売り上げや顧客満足度を競い合い表彰)
・保育園との交流
(5年3学期に実施。自校に就学する近隣の保育園と交流し、6年生になった際の、1年生のお世話で生かす)
・ドッジボールクラシック大会
(5年3学期の時に開催する。チームは1年の時のクラスのメンバーで行う。目的は小学生1年時の頃を思い出し、新1年生のお世話に生かす)
・長縄大会
(クラス対抗の長縄大会)
・スプラ大会
(水遊び大会をネーミングを変えて実施)
・中活
(卒業生に中学生活について、インタビューをして、その回答をお便り等に掲載)
・12歳の就活
 (6年生の3学期に実施。PTAとコラボし、自校にいる様々な職種の保護者にゲストティチャーとして招き、講演やプレゼンをしてもらう)
・広報部立ち上げ
(イベントの様子を画像や動画で収め、デジタル学年だよりを作成し、保護者に配信。広報部のメンバーは児童たちで編成し、canvaで学年だよりを立案、編集を全て児童が行う)


【イベントの効果】
 イベントの経験をしていくと、子どもたちが主体的に取り組むようになり、計画から準備、当日の司会まで全て子どもたちが進められるようになります。現在私の学年の児童たちは、実行委員になって学年のため、学校のために積極的に取り組んでいます。イベントを進めていく中で違ったメリットがあることが分かってきました。
 それらは、実行委員活動を通して、自信をつける児童が増えてきていることです。実行委員はクラスで消極的な子どもも役を担ってくれることもあります。実行委員は休み時間や放課後の時間等を使って進めていき、ゴールまで一か月以上の時間がかかります。よって、イベントが成功することで達成感を感じさせることができます。
 また、他の児童や教師から感謝の言葉をかけられ、自己有用感が高まります。企画する充実感から何と将来の夢が「イベント会社社長」という児童が現れ、ほくそ笑んでいます。
 さらに、参加する児童の心持ちも変化しています。ただただ参加するだけでなく、当日までの道のりを理解させることで実行委員への感謝の言葉をかける姿がみられています。
 このようにイベントを通し、学校生活が楽しくなり、自己有用感も高まり、イベントの効果は抜群だと思っています。

イベント終了後に感謝状をプレゼント

 以上のように、自分の実践を書き連ねてきましたが、毎回意識していることがあります。それは、
 イベントにねらいを持たせることです。そのイベントの教育的意義やゴール設定を持つことで子どもたちの成長や達成を感じさせるための一つの手段としてイベントを行うのであって、何でもかんでもイベントをしてよいわけではありません。
つい、イベントをしていれば満足しまいがちですが、イベントを生かすことで児童にとってどんなメリットや還元があるのかを考慮しなくてはならないと思っています。

イベント×学級経営=Happy☆

最後まで読んでくださりありがとうございます!
マッキー(西牧雅有)

参考文献
向山洋一『新版学級を組織する法則』
赤坂真二『指導力のある学級担任がやっているたったひとつのこと』

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