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我が家の忍び、、、3

何故に忍びか、、、

何度もメンタル崩して家に引きこもる夫。
ベットに横になり、寝てるのか起きてるのか分からない時が多い。
生活リズムは狂い、本人は家の中を浮遊し始める。
夢遊病者のようでもあり、酔っ払いのようでもある。
記憶なんてどこかに置いてきて、この世に1人のような振る舞い。
私の視線さえ気にしない。


不定期に起こるので、慣れたといえば慣れた。
しかし、どこにスイッチがあり、いつそのスイッチがonになるのかは不明。
ただ気配はある。
その沼に沈む前に見え隠れするのは猫を構い出すこと。
猫が羨ましくて仕方がない。
いいなぁ、猫はゲロしても怒られない。
その辺にうんちしても怒られない(猫の為に書くとトイレ掃除が間に合わない時に、他にされてしまう)
何かと猫と比べる変な思考。
朝目が覚めなければいいなぁと恐ろしい事を口にする。
0か100の思考なので、何事も両極端に考える。
選択肢が少ない。
そんな夫には決して頑張れとは言わない。

サラリーマン時代の栄転で、突然発症したうつ病。
先に引っ越しをした夫、仕事を辞めて遅れて転勤先に移り住んだ私は、数ヶ月後に夫の変化に気づくが、土地勘もなければその手の病院も分からない。
当時はネットも今のようではなかったから、電話帳で必死に探して病院を見つけ、嘔吐する夫を助手席に乗せて迷いながらも個人クリニックに辿り着いた。
そこで診断書を書いてもらい、そこから私の窓口人生は始まった。
時には総務相手に時にはドクター相手に、義父や義姉もその対象となった。
突然駆けつける同僚に怯え上司に涙しメンタル崩壊してる夫を見て、私は家中の包丁やハサミを隠した。
その時の諸々の対応は自分の判断だったが、後々それらの本を読むと私のしていた対応はほぼ正しかった。
その時の私は夫を守る事に必死だった。


サラリーマン時代のその後の10年は、いろいろあり過ぎた。夫ではないがあえて思い出したくはないし記憶もまばらかもしれない。
何度も休職を繰り返し退職した夫はしばらくは家で休養をしたのち、自営業の義父の手伝いをするようになる。
スーツから作業服に生活の全てが変わった。
義父が認知症になるまで、夫のうつ病は治ったかに見えていたのだけれど。
今思うと、付き合い始めた頃から変わった人だった。
不思議な事が好きな私は、強い興味を持ち始めてしまったわけで今に至る。


さて遠回りしたが、天邪鬼の夫はメンタル崩壊の沼の住人の時には忍者のようになる。
まず足音がしない。
空中を浮いて移動してるのかと本気で思うほどだ。
なのでこちらが把握してないところで会うと、心臓が飛び出そうになる。
食べない日も長い。そんな時は冷蔵庫の中身は減らない。キッチンを任せているのですぐさま私の食事が寂しくなる。
外に出てないかと思えば、コンビニには夜中なのか明け方なのか出かけているらしい。
翌月のカード引き落とし額に度肝を抜かれるのだ。
タバコ代がかなりデカイ。
夫の部屋と一階のトイレはタバコのヤニで壁が悲惨。
おまけにあちこちの床や寝具に穴が開く。
全く気にしてないのが困る。


我が家の忍びはかなりズレている。
そして料理以外は不器用だ。
家の事で高さの必要な作業は頼むしかないが、
これが危なっかしい。
家の中でも外でも大怪我のオンパレード。
窓口係は、忍び対策の為にいろいろ準備が必要なのである。
常に選択肢を多く用意し、いざの時には身軽に動かねばならない。
深刻な話はいっぱいだが、なぜか聞いた友人たちは笑ってしまう。
そう聞くぶんには面白い話しだ。
まっ私は書いたり話したりしてストレス解消できるので良いですけどね。

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