[シガーボックス]「電車、滑り落ちる、ヘッドフォン」

今日ご紹介するのは、Tatsuru Someya氏の2015年に発表した、シガーボックスの演目です。

これは確か2015年のジャグリングの関西学生大会の男子個人部門で短尺バージョンが上演されていて、そのバージョンではいくつかの大技(というか大コンビネーション)が入ってなかったような気がします。この時確か最前列上手側で僕は座って見てたんですけど、リストキャッチを用いたコンビネーション(動画中の3分55秒から)を見た時、(内心侮っていた)リストキャッチをこんな使い方できるのかとめちゃくちゃビビって変な声出したのを覚えています。その時は最後の二回転ピルエットを成功させてはいなかった気がするけど、変に2回3回とやり直さずそのままステージを去ったのが良かった、ちゃんと表現したいキャラクターや舞台上で見せたい世界観を「出し」てて説得力がある表現だったことを覚えています。


んじゃあ動画の内容へゴー

1:33秒あたりで腕から箱を背景側に落とすの、ちょっと怖くてあんまりやりたくない落とし方なんですが、躊躇なく表現の一部に取り込んで怖い。

1:49で腕の下から投げた箱が手首の関係で一瞬色が変わるのをちゃんと生かしているのはいいと思った。もし自分が思いついたとしても、見逃しそうに(構成の一部にし忘れそうに)なる。ちゃんと道具と対話していることの証左だと思う。

1:55 の色変え、これも思いつかない。
その後のサビに相当する動き、基本的に2-1のミルズメスチェーンなんですが、構造的には単調でも視覚的に単調じゃないのがすごい。ちゃんとビデオ撮って振り付けを作っていくように技を作っていることがわかる。

2:21あたりで右手側逆手バランスにする時に左手側の箱も視覚的に用いている。えらい。

3:10あたりからは怒涛のマニピュレーションコンボが展開される。その左手側のボディスローから3:17のスイングに普通繋ぐ?その形思いつく?思いつかないよ!

3:56 絶叫シーン 4:02のテンプルはこめかみが痛くてコピーできなかった。そのあとのリストマウントによるテイクアウトはもっと真似したい。この辺りから色調が乱れるんですが、見てる側の動揺とシンクロしてるみたいで面白いです。

お気に入りポイントは散々語ったのですが、選曲、音の使い方、ポーズ、全てに説得力があってすごく好きな演技構成でした。初演から9年経った今でも参考にしています。


追記:

頭をつかっている箇所はこの演技に影響を受けているはず
https://youtu.be/mL0SOUixGnU?si=vMroPuf7gX55z2jn

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