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『首』
ガタガタ言ってんじゃねーぞこのヤロー!
こんばんはレンダファイターこと
ジュゲム2号です……。
タイトルからお察しの通り、
現在絶賛公開中の
北野武監督
『首』
を見てきました。
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〜結論〜
①アウトレイジの時代劇版ではない。コノヤロー要素薄め。
②本能寺の変は決して主題ではないが、しっかり時代劇として面白い。
③北野作品の俳優陣が好きならぜひ見るべき。
そんな作品でした。
①アウトレイジを想像するなかれ
アウトレイジの時代劇版なのかな、と思って見に行ったんです。
理不尽な暴力やちょっとしたグロ描写、そして男気のようなものを感じてそれを日々の生活への刺激にしたいなと思ってね!
しかし、実際はかなり時代劇。
主従関係や男色、その当時の時代感としての命の重さ。
えぇ死んじゃうんかい、みたいなシーンもありません。
むしろ主要人物たちははアウトレイジよりよっぽど死にません。
どちらかといえばシリアスよりコミカルよりな作品かも。
②キャッチコピー考えた人は映画見てないのかな?
史上最狂の本能寺の変
というキャッチコピーですが
本能寺の変は全くクライマックスでもなければ重要なシーンでもありません。
あくまでも『首』という物語の中の一つの出来事でしかない。
本能寺の変を期待して見にいくと拍子抜けします。
てっきり織田信長が主要人物かと思いきやそれもそんなことありません。
でも話の流れや時代劇として非常に面白かったです。
美談・美談・美談かつイケメンのクソ大河ドラマ
『どうする家康』
(と言いつつ毎週見てますが)
より10倍は面白いかも。10倍じゃ効かないかも。
③北野映画に常連の俳優陣が好きなら視聴はマスト
いわゆるイケオジがいっぱい出てます。
遠藤憲一、西島秀俊、寺島進、浅野忠信、加瀬亮、小林薫…etc
キム兄や中村獅童なんかもすごくいい味を出していました。
好きな俳優がそれぞれ見どころがあるがゆえにただ死ぬだけのモブなんてこともなく
それぞれに役どころがあり、ストーリーの中に味わいを出していました。
〜映画を楽しむために〜
本作品は本能寺の変が物語の主題ではなく、あくまでも『首』がメインテーマです。
信長の首、光秀の首、この2つの首が物語のキーだったのかなと思います。
そこで物語を楽しむために予備知識をつけておくため読んでおいた方がいいwikiを書いておくぜ!
物語は荒木村重の謀反〜山崎の戦いまでの主要なところが描かれています。
これらが大まかに描かれており、wikipediaを読んで史実としてはどんなことが起こっていたか把握しておくと映画をスムーズに楽しめると思います。
なぜなら!
なんの前触れもなくシーンが飛ぶからです!
何も知らないまま見ると なんで?となるようなシーンは多いかもしれない。
ついでに織田信長、明智光秀、羽柴秀吉、羽柴秀長、黒田官兵衛、荒木村重あたりのwikipediaも合わせて見ておくとより楽しめるかもしれません。
以下、ネタバレを含みます。
『首』の主役はあくまでもやはり羽柴秀吉(北野武)なんだという作品でした。
百姓上がりの秀吉はどこか武士の掟やつながりのようなものを軽んじており、
男色をはじめとする武士と武士のつながり、主従以外の+αのような部分を
どこか小馬鹿にしている風でした。
織田信長はかなりエキセントリックな描かれ方をしていて、どうにも頭がイっちゃってるだけの人でした。
それは物語の中でも言及されているくらいに。
なんかもう加瀬亮すごいなって感じです。
加瀬亮好きな人はショッキングかもしれないけど役者としてなんか色々すごかった。
秀吉と光秀が対極的に描かれていて、
秀吉は上述のように百姓あがりだからこそ武士を軽んじ、
ただ出世を目指しているだけのような男であり、
逆に光秀は義を重んじ、男色も行い、当然武士の本分というのを大事にしているキャラでした。
それはタイトルにもなっている『首』にも言及されており、
本能寺の変後、信長の首を探す光秀は首を見つけなければ武士としての本分が立たないと言い、
山崎の戦い後、光秀の首を探す秀吉は首なんてどうだっていい。死んだことさえわかればそれでいいんだ!と言います。
この対比こそが秀吉と光秀を両極に表し、物語の軸だったのかなと。
本作品はアドリブが多いとのことでしたが
なるほど確かにアドリブからしか出ない偶発的な表情がシーンの中にあり
それがかえって自然な感じになっているのが作品としての面白みに繋がっているのかなと思いました。
トータルとしてすごく面白い、見てよかった作品でした。
以上!