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ゴキブリ屋敷兼ゴミ屋敷を素人が掃除してみた結果②

※タイトル通り、ゴキブリとゴミ屋敷の話です。
苦手な方は読まないでください。




これまでの話はこちらからも飛んで見ることができます。

隣の義両親宅(戦場)に行く前に腹ごしらえをしておかねばならない。

もしもとんでもない光景が広がっていたら、そのあとは泣きながらでも後始末が待っている。

ご飯が美味しいと思える時に美味しくいただいて、気持ちを整えようと夫と静かに朝食をとる。

コーヒーもゆっくり味わう。


では、いざ。


寝起きドッキリでドアを開けるかのように、そーっとスライドタイプの玄関を開ける。

まず、目の前にあるのは3つのゴキブリホイホイ。

もう、遠目で見ても3軒ともに満室だ。

光の加減で、凸凹のシルエットがびっしり不規則に集まっていることがわかる。

ゴキブリの動きの予想が的中して嬉しい気持ちはあるが、その気持ちは一瞬で流れ去った。

玄関でいよいよ靴を脱ぎ、使い捨てスリッパに履き替えようと先へ進むと、ホイホイの手前でひっくり返っているゴキブリ数匹をはじめ、視界に入る風景のあらゆるところに何十匹もひっくり返ったゴキブリがいたのだ。

100均のゴムのおもちゃのゴキブリが大量にばら撒かれているような状態をイメージしていただきたい。
ゾクッとかザワッとかしないだろうか?

しかも、大誤算は我々の勝手な思い込みだったのもあるが、

「ひっくり返っているだけで死んではいない」

ということ。

手足がよく見るとゆっくりだが動いている。
瀕死ではあるが完全に死んでいるわけではないのだ。

本当かどうかはわからないが、ゴキブリは殺虫剤をかけられた状態で逃げ切ると、かけられた量だけ耐性ができるから、次にまたでてきて殺虫剤をかけるときは、以前かけられた量より多くかけないと退治できないという情報が頭にあった。

だから、瀕死のゴキブリたちは時間が経つと復活する奴もいるんじゃないかと勝手に思い始めて、早くゴミと一緒に片付けて処分せねばと焦る。

見えていない場所にいるゴキブリが耐性などつけて生き延びたなら、そのゴキブリの子孫はバルサンなんてへっちゃらな奴が大量に爆誕してしまうのではないか?

どんどん焦りと恐怖が高まる。

そして、仰向けになっていないゴキブリはゆーーーっくり前進しているものもいて、苦しんでいる姿に情が移りそうにもなった。

こんなに不衛生なところで生活していることをなんとも思っていない義両親の精神状態はやっぱりおかしい。

夫は入院中の舅に、ウジとゴキブリの糞尿まみれになっているものは全て捨てさせてもらうからとLINEし、許可を得た。

服はたんまりある。
どうせ壁に押し付けられた分は使っていないし影響がないことはわかっている。

姑はメールができないし、捨てるというとウジがわこうがなんだろうが発狂するので許可を得ず、全て舅とだけやりとりをすることに。


まずは、満室のホイホイや足元にいる弱ったゴキブリたちを撤去。
外用の箒とちりとりで落ち葉のようにかたづける。

この処理は夫に任せて、私は冷蔵の中身とその周辺の食品の処分をすることにした。

ずっとバルサンを仕掛ける前から気になっていた異臭の根源がどこにあるのかわからず、それを探すのに手間取った。

幸いにも冷蔵庫の中にはゴキブリはいなかったが、化石化した野菜やまともにラップもされていない冷凍の肉、変色した惣菜などは処分。

それでも異臭が消えない。
冷蔵庫の拭き掃除をしていると、死角になっていたところに何かあることに気づく。

開封されたサバ缶だった。

異臭の根源はここだった。
もう全体が青銅のような色のカビに包まれ、液体も粘度があった。

臭いを抑えるゴミ袋に入れてさらに地域専用のゴミ袋に入れる。

アルコールをビシャビシャにふきかけて拭きあげた冷蔵庫からはにおいがしなくなり、作業がしやすくなった。

ほかにも、賞味期限が何年も前にきれた未開封のカレールー、カップラーメン、醤油などがたくさん並ぶ。
本当は全部捨ててやりたい。

でも、「未開封」のものはゴキブリの糞尿で汚れていないもの以外は残さなくてはいけないということはわかっているので、埃をとってまた元の位置に戻した。

姑が「なんで捨てた!たくさんものが並んでいないと私は落ち着かないんだ!!」と壁を殴ったり大声を出して騒いでしまうから。

暴れ方が昔ニュースでみた騒音おばさんのような感じになる。

別な精神病で抗精神薬など服用しているのだけど、診断されていないだけでASDの要素があるのではないかとずっと思っている。

まだ未開封品ならいい。
問題は、前回の記事にも記載したカップラーメンの空き容器タワーだ。

水洗い程度で取ってある容器は、タワーになって密集することでそこもまた異臭の原因になっている。

どうせ健康に気をつけろと言っても退院してくればカップラーメンを食べることはやめられない舅と姑なので、こちらも処分することにした。
またタワーはすぐ再建できるだろう。

タワーになった容器の中一個一個にゴキブリが逃げ込んでいた。

ほかにも、ガス代の下の鍋置き場の鍋の中、引き出しの中の汚れた密閉容器の中、戸棚の光が当たらない死角などあらゆるところにほぼ動けなくなったゴキブリたちが集団で固まっていた。

おそらくすべてクロゴキブリ。

一つの引き出しにつき大小4.5匹の群れで、父と母と子供たちのような構成。

糞尿もひどい。

もう糞尿がひどいものを洗ったりして残すなんてやっていられない。
処分、処分、処分!!!

もういちいち入院している相手に許可を取っている場合ではない。
姑も発狂するならすればいい。
知らん。
部屋の掃除もまともにできない人たちにキレられても痛くもかゆくもない。

衛生上問題だし、我々の家にも近隣の家にもゴキブリが流れ込んでくるのも迷惑だし。

台所以外のエリアでは、旦那がほうきとちりとりをもって奮闘していた。
トイレ、洗面所、お風呂場にも大量にゴキブリがひっくり返っていた模様。


だいたい目に見えるところや確認したところにいたゴキブリは片づけることができたが、次の問題はゴキブリの卵(卵鞘)。

一見、あずき豆が落ちているようにも見える。
これがごきぶりの卵だと知らない10代の頃、あずきをよく煮てあんこをつくっていた祖父母宅で何気なく拾って捨てていたことを思い出してぞっとした。

「ばあちゃん、こんなところにまであずき豆すっ飛ばしてなにやってんだか」

と本気で思って捨てていた。

この鞘の中から何十匹と赤ちゃんゴキブリが孵化して出てくるわけだ。

バルサンはたしか卵鞘の中までは効果を発揮できないはず。
だから、卵鞘をこの家から完全排除できればかなりゴキブリの数は減るはずだ。

ところがこの卵鞘。
ゴキブリも子孫を残すために必死だから、目に見えるわかるような場所に産み落としてある分はほんのわずかで、あとは宝探しをするような感覚で見つけ出さなきゃいけない状態。

目に見える場所というのは、例えば障子戸の格子枠とか、部屋のドアの小さな窓ガラスの枠、額縁の枠など。
あと、冷蔵庫や電子レンジの上に四角い筋が入っていて少し凹んでいるところなども。
あとは、石油ファンヒーターの下の溝や、コンビニの割り箸だけが入った箱の中とか。

逆に見えにくい場所というのが、和室の長押のみぞや額縁の裏側など。
額縁をひとつひとつ取り外すことと、長押の溝を覗き込んで取り除くのとは、時間がないので諦めた。

この時点で、義両親の家からゴキブリを全滅させることはできないことが確定した。

長押よりも優先しなくてはいけない場所を見つけてしまったのだ。

それは、舅の段ボールの中にパンパンに入った書類の山の中やデスク周り。
ペーパーレスになっている時代に逆行して、あらゆる気になる情報をパソコンからプリントアウトして見る。
そして、放置。

ファイリングするわけでもなく、ゴキブリの糞尿やウジがついた山になった洋服の隣にそのまま積み上げられていたり、ダンボールの耳を切ってそこにぐちゃぐちゃに入れられていたり。

これらの紙の中をランダムにめくって確認したら、ゴキブリはいなかったものの、卵鞘がいくつか挟まっていたのだ。

本当はこれらも全部全部ゴミ袋にぶちこんでやりたい。
でも、もしかしたら重要な書類も混ざっているかもと思うと捨てられないので、一枚一枚めくって卵鞘の確認をすることにした。

綺麗に揃った状態で積み重なっていたら、ゴキブリが入り込む隙間はないはず。
それが折れたり揃えず積み重ねたことによって隙間ができたことで、ゴキブリが入ってしまっていたようだ。
そしてダンボール底の角はやはり糞もあり、うじらしきものも確認できた。

パソコンが置かれたデスク周りも紙だらけで、この人は現役時代に事務仕事がきちんとできた人なのだろうかと疑うほどだ。

恐らく、デスクに乱雑に置かれた紙の方が重要度が高いだろう。
こちらも捨てずに一枚一枚めくってチェックして揃えておくだけにするしかない。

数を数えたわけではないが、かなりの卵鞘を見つけ処分することができた。
ひとつの卵鞘にクロゴキブリの場合だとマックスで20匹分の卵があるらしいので、軽く200匹分は取り除いた感じ。

購入後一度も洗濯をしたことがないキッチンマットや、玄関マット、畳の上のこたつの敷布団なども糞尿とウジまみれだったので処分。

こんなところで義両親宅のゴミ屋敷清掃とゴキブリ駆除は一旦終了。


これは2021年の5月ごろの話。
コロナで世界が大騒ぎ中の出来事。
本格的に暑くなる前、かつウジもハエになる前に発見できてよかった。

これら一連の作業を業者に頼んだら軽く20万は超えるのではないだろうか?

ただ、業者に頼むと姑の精神病が悪化することは間違いないし、まずこの義両親が、きれいになった部屋でゴキブリを寄せ付けない生活を維持することができないのは目に見えているので、業者に頼んでも無駄。

あと、ゴキブリがどんなところにいるのかなど駆除業者のウェブサイトにいろいろな情報が掲載されているが、ここまでゴキブリが増えたらもう論外。
「こういうところにはいない」という場所にまでいるのでどうしようもない。

とりあえず、今回はこの辺で。

③では義両親が退院して戻ってきたあとの話や夫や私の駆除後の精神状態などについてお伝えします。

駆除や掃除に使ったグッズは楽天ルームの「ゴキブリ駆除グッズとゴミ屋敷清掃グッズ」というコレクションにまとめてあります。









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