いなかは、どこ？

あたしは、代々東京生まれ、そう東京育ち。
夏休みになっても、いなかがない。
祖母も、みんな東京にいるから、遊びにはいつも行く。

友だちはみんな、お母さんの田舎、お父さんの田舎って
どこかいくんだ。羨ましい。
方言まで話せる、いいな、いいな、
うちも田舎が欲しいな、と思って育った。

高校生までは、東京の私立で、みんな東京の人だった。
もちろん田舎へ帰る子もいた。
いいなぁ、いなかがあって、って言っていたの。

けど、大学に入ったら、田舎から、大学に入学してくる地方の子がたくさん入ってきた。
わー、東京生まれじゃない子ばっかり。話すと訛ったりしてる。
面白い、面白い、ってワクワクしていた。

でね、その子たちに「どこの田舎から来たの？」とみんなに、どこなのか、「いなかどこ？」って聞いて回ってた。
地図を持ってね、へーこんなところからどうして東京に来たの？
なんでなんで？ひとりで？

とかね。
ふーん、と。

であるとき、また、「ねぇね、どこの田舎から来たの？」ってきいたら、
急にこの子が「田舎なんかじゃないもん！！！」って怒ったんだ。
あたしたちは、びっくり。何怒ってんの？
田舎って、言わない？
どいなかとか言ったつもりもないし、聞きたいから聞いたのに。
都会組は、はぁ？何怒ってんの、って感じだった。

たらさ、友達が、「いなか」が嫌だったんじゃない？と言ってきた。
いなか？だって、田舎って言うよね？？
じゃあなんて言えばいいのさ、

そうだね、なんだろねーーー、なんか白けたなぁ、変なの。
こっちきて、怒るのはないよね。なんだあいつ、と思った。

数日後、他の子が「あのね、どこの地方から来たの？」って聞くのがいいらしい、と教えてくれた。

ちぇっ、もうどうでもいいよ、興味ないし。なんなん、あれ。

てな感じで、大学は地方組と都会組と真っ二つに分かれた。
都会組は、クラブも入らず、いつものように、友達とご飯食べて帰るだけ。
特に友だち作る気もないしね。授業が忙しいから。

でも、「地方組」は、まとまって行動している。
いつもお金の話をしている。みみっちぃ。
お金もないのに、何のために都会に出てくるの？
意味不明。話し合わないし、田舎って言うと怒るから、ふんってね、
二度と話すもんか、歪んでる、きんもい、と思った

大嫌いになった。もちろん、仕送りだけでは足らなくて、
勉強をしないで、バイトに励み、訳の分からない彼をつくり、
夜の商売で働き始める。

みるからに、田舎者がキャバ嬢化粧。

見る見るうちに落ちていく。
大学も来れなくなって辞める。

何しに来てんだよ、田舎者。ド田舎者。

あれから私は、「ご出身はどちらですか？」と聞くようにしている。
田舎だったら、話さない。

話も金銭感覚も全く合わないからね。

見栄張るのもいい加減にしろよ。ばっかみたい。

キライなもの、都会に来て、都会をわかった気になって東京の悪口言って、歌舞伎町、池袋、渋谷のどぶ臭いところが好きな人たち。

あたしはもともと、人が嫌い。
好きな友だちは2人。夫1人。それだけで充分。

家族さえも大して好きじゃない。
だから、だれが田舎者を好きになると思う？

どいなかもの、と言ったわけでもないのに、劣等感、歪んでるよな。

それからこれはいいたい。
東京にコネもないのに出てくる人、なんか良いことあるとでも、あると思ってるの？

結局、田舎者は田舎者同志、くっつく。
東京に来る必要なっしんぐ。

おかあさんが、朝昼晩バイトして、あなたの生活費を送ってる。
そんなギリギリの生活の人は、大学に入らなくて良いと思う。

大学は、余裕で入れる人じゃないと、意味ない。
バイトに明け暮れ、男と暮らして風俗に落ちる。

何人か見たね。学校に来なくなって、化粧だけうまくなる田舎者。

田舎じゃないから～～、だったら、田舎に居ればいいじゃん。

ばかなの？