見出し画像

Q.商談が上手く行っているのに、最後の最後でいつも検討になってしまいます。どうすれば良いでしょうか?

A.「ここまで大丈夫ですか?」と言いましょう。

こんにちは!本日も張り切って回答していきます!
回答は一見陳腐なセリフになってしまいましたが、この質問は実にクリティカルです。
要は、「クロージングを強くしたいのだがどうすれば良いか?」
という質問なわけですね。
しっかりとお答えしていきたいと思います。

さて、どんなに良い提案でも、クロージング(契約締結)が決まらなければお金になりませんね。営業の仕事は良い提案をすることではありません。会社にお金を持って帰ってくることです。良い提案をするだけは、良い提案を聞くだけ。つまり相手にとっても時間の無駄なのです。

営業のアクションのうち、提案がストレスなく喜んでいただけるアクションなのに対し、クロージングは契約書にハンコを押させるのですから、最もお客さまにストレスを負わせるアクションになるわけです。

この「ストレスを負わせる」ことが苦手な営業マンはとても多いですね。
でも営業力とは何か?私の研修やマニュアルではこのように教えています。

「営業力とは、いかに上手くお客さまにストレスを負わせられるかである」

よく考えてみてください。
新しい会社を理解して信用する、契約書にハンコを押す、お金をよそに振り込む。どう考えてもストレスの連続です。
このストレスフルなアクションたちをいかにお客さまにスムーズに行ってもらえるようにするかが、営業の腕の見せどころというわけです。
「無理な追い込みはお客さまのためにならない」というロジックはクロージングが十分にできるようになってから言うことで初めて意味があるのです。

さて、前置きが長くなりましたので本題に入りましょう。
クロージングを成功させるためのコツは大きくわけて2つあります。
1.テストクロージング含む、布石打ち
2.クロージングテクニック

今回は1の「布石打ち」について学んでいきます。
布石打ちとはなにか?
広義で言うと、最後の最後で検討で終わらないために、クロージングに至るまでに「ほぼ」すべてのネックを解消しておく行動です。

例えば、布石打ちはアポから始まっています。
アポを取得し、電話を切る時、「気に入って頂けたら、是非お付き合い頂ければと思います!宜しくお願い致します!」と、
当日の場が、【とりあえず提案する場、ではないこと】を印象付けておくことが大事です。
このセリフがあるとないとでは、現場の受注率は大きく変わるでしょう。

怖くてこれを言うことをサボってしまう営業が多いですが、勇気を出して言いましょう。これだけで周りと差をつけることができます。

ちなみに私がプレーヤーだった時は、電話の相手が決済権者の時は、「ハンコor予算用意しておいてください」と言っていました。逆に言うと、笑いながらそんなセリフを言え、かつ相手も笑いながら「わかったわかった」といえるような状況まで会話の中で仲良くなる、というのが望ましいわけです。

さて、それでは次に現場での布石打ちです。
まず、どんな布石を打てばよいのか?それを自分の中で整理しましょう。

これから売ろうと思っている商材は、どんなネックで失注になるのか?
必ず頭の中で定義しておくことが必要です。
・高額
・時期ずれ
・お客さま側の使用・運用体制
・ニーズがない

などなど、失注してしまう要因は様々なものがあります。
これらを商談時間中に問題がないことを確認するor潰していく。
これが、布石を打つ、というアクションです。

例を見ていきましょう。テーブルについて、雑談を行って、概要を説明したあと、詳細な提案に入る前のトークです。
「〇〇にお応えするべく、〇〇という商品をリリースしました・・・というわけで、お客さま側にこれから社員の生産性を上げていきたい!という課題がなければ、意味のない時間になってしまいますが、もしもそういった課題が強くおありでしたら、喜んでいただける提案ができると思います。ご提案を進めて宜しいですか?」

はい。上記セリフは最重要です。
これでYESをもらわない限り、詳細な提案に進んではいけません。
そして、
「Aならば意味がありません、しかしBならば役に立てます。進めて良いですか?」
この型を必ず覚えてください。わざわざ2つを並べます。
「生産性を上げていくようなお話になります。具体的には・・」とさらっと進んでいくと、意外とクロージングに進んだ時にそれほどニーズ(欠乏)が強くなかった、、となってしまうと、絶対に決まりません。

布石の打ち損じは、即失注と思って下さい。

必ず上記話法で「Aならばもう帰る、しかしBならばGO」で、
「あなたが先に進めて良いと言った→強いニーズがあると認めた」
という言質をとって先に進めてください。

これは、テストクロージングと言って、受注率を大きく引き上げるテクニックです。必ず覚えてくださいね。

上にあげた失注要因の「時期ずれ」を使ってもう一つ例を挙げます。
「今回、〇〇月限定キャンペーンのご案内ですので、ちょっといまいまの導入は難しいということでしたら、意味がなくなってしまうのですが、全然このタイミングでもいいよ、ということでしたら、喜んでいただけると思います。時期については、大丈夫ですか?」

はい。さきほどの話法で、「時期ずれ」を使ってテストクロージングです。
これを行っておけば、最後の最後に「やっぱり今のタイミングは・・」と言い出しづらい状況を作れるのがわかりますね。

上記話法は一番強めのトークです。
事前の情報や現場の相手の口ぶりで、詰めておいた方が良いなと思うものに使うと良いでしょう。それ以外はライトに、
「導入時期はいまいまでも良いってことですもんね?」
「生産性向上というところで課題感はお持ちなんですもんね?」
と確認をとっていくような形で良いでしょう。

布石打ちのポイントは、必ず商談時間の中の一拍置くタイミングで、
「ここまで大丈夫ですか?」
「ここまで質問などございませんか?」

を差し込むことです。これが大事です。営業はプレゼンの場ではありません。逐一キャッチボールをしなければなりません。
こう聞いて、相手が不安に思っている情報を聞き出せますので、それを逐一潰していき、常に相手が安心した状態をしっかり指差し確認して、次に進むことが大切です。

この、「ここまで大丈夫ですか?」をサボる営業マンはとても多いです。シンプルな言葉でありながら、効果は絶大です。必ず使っていきましょう。


さて、本日は布石打ちのために、
・アポの時点で、「契約するかしないかの場である」ことを印象づける
・あるある失注要因を必ず洗い出す
・確認できていない失注要因については、「Aなら×、Bなら進める」話法で必ずイエスをとっていく
・「ここまで大丈夫ですか?」で逐一不安やネックを潰して進む


ことを学びましたね。

次回はいよいよクロージングです。

また次回に!




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?