株式会社上越タイムス社
最近の記事
〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(8)伝統産業 内職から派生 伝統の手工芸 東京に販路求め活路 吉田バテンレース
上越市の伝統産業として有名なものに、バテンレースが挙げられる。現在も生産を続けている吉田バテンレース(同市東本町2)の吉田節子代表(69)に、時代による変化とその対応について聞いた。 バテンレースは手工芸品のレースの一種で、テーブルクロスやピアノカバーなどに使われている。『地方工業の研究・新潟県上越地方を中心として』(赤羽孝之、西山耕一編著・1990年)によると、上越市での生産は明治31年に始まり、冬場の女性の手内職として広まった。大正3年の最盛期には高田の元請け業者は
マガジン
記事
ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉番外編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡 奴奈川姫長年研究・土田孝雄さん(82)語る 出雲政権が特別視 奴奈川の里 ヒスイは霊性の象徴
糸魚川、上越両市のヒスイ文化を象徴する人物が、3世紀から4世紀ごろにこの地域を治めていたとされる奴奈川姫(ぬなかわひめ、ぬながわひめ)。奴奈川姫を長年研究している土田孝雄さん(82、糸魚川市一の宮3)は奴奈川姫と、ヒスイ加工を行っていた「奴奈川の里」が、古代のわが国において特別な意味を持っていたと語る。 奴奈川姫は『古事記』の中で「高志(こし)の国の奴奈川姫」と記述される。出雲政権を治めていた大国主命(おおくにぬしのみこと)が奴奈川の里を訪れて求婚し二人は結婚。奴奈川の
ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉後編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡上越市の縄文集落に特徴
縄文時代は湿っている低地に人は住んでいなかった。上越市の吹上・釜蓋遺跡調査指導委員会、小島幸雄委員(66)は、同市縄文遺跡の立地について「平野沿いの丘陵の標高約10~15メートルより上の乾いた土地に住んでいた」と説明する。 集落跡は主に高田平野から高まった部分と海岸の砂丘の上、妙高山麓に立地しており、狩猟・採集を行った縄文人に適した場所が分かる。遺跡は縄文時代草創期から徐々に増えていき、中期が圧倒的に多く、その後減少していく。これは全国的な傾向と同じだという。平野部でも
ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉前編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡北陸最大級の規模 糸魚川市の長者ケ原遺跡 ヒスイ大量に発見
東京国立博物館で昨年、縄文時代の遺物を日本各地から多数集めた企画展「縄文―1万年の美の鼓動」が開かれ、大好評。また、現存する日本最古の歴史書で、神話・伝説と多数の歌謡とを含みながら、天皇を中心とする、わが国の統一の由来を物語った『古事記』は、学者のみならず数多くの読者を獲得している。連載2回目は、縄文時代と古代を取り上げる。糸魚川、上越両市で発掘された縄文時代の遺跡を紹介し、また、糸魚川市に伝わる古代の物語について、研究者に聞いた。 糸魚川市一ノ宮の長者ケ原遺跡は同市の