株式会社上越タイムス社

新潟県上越市で日刊紙「上越タイムス」「糸魚川タイムス」を発行しています。地域のひと・企業・自然・文化など有形無形の財産に光を当てて、共に夢を語り合えるような紙面づくりを目指しています。電子版 https://digital.j-times.jp は会員登録受け付け中です。

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マガジン

  • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編

    人口減少と少子・高齢化は地域の産業にも大きな影響を及ぼしている。後継者不足、人手不足が叫ばれ、最近では新型コロナウイルスの影響もある中、各業界、企業、団体では、伝統産業や美しい農山漁村を維持し、次の世代へ受け継ごうと懸命に活動している。AI(人工知能)やコンピューターが発達しているとはいえ、人の手によるところは大きい。「地域を守る」第2シリーズは産業面のデータや取り組みを紹介する。

  • 平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―

  • ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉

  • ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈1〉

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〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(9・終)伝統産業 地元の味にファン 山本味噌醸造場 新商品、体験で発信力

 伝統産業は人口減少や後継者不足、中央の大企業の進出などの影響を受けている。伝統を守りたいが、将来の見通しが立たず、子どもには継がせられないというジレンマが立ちはだかる。  上越市ものづくり振興センターは「淘汰(とうた)されているが、今も続いている所は何らかの取り組みをしている」と話す。市が力を入れている発酵食品の一つ、みそを製造している山本味噌醸造場(同市中央1)の山本幹雄代表社員(47)に取り組みを聞いた。 〈写真=伝統の雪ん子みそ(左)をメーンに、タマリーブなど新商

    • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(8)伝統産業 内職から派生 伝統の手工芸 東京に販路求め活路 吉田バテンレース

       上越市の伝統産業として有名なものに、バテンレースが挙げられる。現在も生産を続けている吉田バテンレース(同市東本町2)の吉田節子代表(69)に、時代による変化とその対応について聞いた。  バテンレースは手工芸品のレースの一種で、テーブルクロスやピアノカバーなどに使われている。『地方工業の研究・新潟県上越地方を中心として』(赤羽孝之、西山耕一編著・1990年)によると、上越市での生産は明治31年に始まり、冬場の女性の手内職として広まった。大正3年の最盛期には高田の元請け業者は

      • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(7)事業承継 どう〝外貨〟稼ぐか 「とがった強み」持つ

         上越市は事業承継に関するセミナーの主催や外部機関と連携して相談会を開き、承継を促進するほか、経営を継いだ人に経営やマネジメントを学ぶ機会を設け、後継者の育成を支援する方針だ。「事業者が望む形で引き継げるような意識啓発を推進していく」(市産業政策課)。 〈グラフ=廃業を予定している事業所のうち売上額、収益額、顧客・販路確保の状況(令和2年『上越市中小企業実態調査』の結果をもとに作成)〉  では実態はどうか。2月の同市の調査で「事業承継を検討していない」と回答し、今後につい

        • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(6)事業承継 存続か廃業か岐路 地元の中小・小規模事業者 地域密着企業に難局

           人口減少や高齢化の進行は、地域の産業にも影響を及ぼしている。特に経営者の高齢化と後継者不在は、円滑な世代交代や事業承継の足かせとなっている。背景には競争の激化や企業の将来性、といったいくつもの問題がある。地域の現状と課題を探った。  上越市、妙高市、糸魚川市それぞれの統計によると、3市合計で1万4000を超える事業所があり、従業員数は合計で約13万人。3市とも飲食業や小売業をはじめとする第3次産業の割合が高く、従業員数では建設業や製造業など第2次産業の比重が大きくなる。

        • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(9・終)伝統産業 地元の味にファン 山本味噌醸造場 新商品、体験で発信力

        • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(8)伝統産業 内職から派生 伝統の手工芸 東京に販路求め活路 吉田バテンレース

        • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(7)事業承継 どう〝外貨〟稼ぐか 「とがった強み」持つ

        • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(6)事業承継 存続か廃業か岐路 地元の中小・小規模事業者 地域密着企業に難局

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        • 〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編
          9本
        • 平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―
          4本
        • ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉
          3本
        • ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈1〉
          2本

        記事

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(5)農業 増える耕作放棄地 農地の集約にも課題

           コメの作付面積と収穫量で全国トップクラスを誇る上越市。近年は少子高齢化による後継者不足、農地を手放す農業従事者の増加など、多くの問題を抱えている。  同市高田の市街地から東に約10キロ、同市妙油の農業会社「花の米」はコメの生産、加工、販売を行っている。黒川義治社長をはじめ、長女の松野千恵さんと夫の直人さん、三女の黒川沙希さんが実務の中心となり、黒川社長の妻・薫さんと二女・西山安依さんが事務などの手助けを行う家族経営で成り立っている。後継者の面で心配はない。 〈写真=家族

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(5)農業 増える耕作放棄地 農地の集約にも課題

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(4)農業 6次産業を具現化 若手入り活性に一助 柿崎・中山間地

           農業は従事者の高齢化が著しく、担い手不足が叫ばれて久しい。機械化や農地集積などによる大規模農業が進む中、中山間地域や平野部の農地を守り、耕作放棄地を生かそうと、各法人、団体、個人農家は知恵を絞り、汗を流している。  「柿崎名水農醸」と名付けられたプロジェクトがある。名水は、山あいの柿崎区東横山で湧き出ている大出口泉水(平成の名水百選)のことを指す。農醸は、農業と醸造を組み合わせたもの。東横山の棚田で名水を利用して酒米を作り、それを原料に日本酒を仕込んでいる。 〈写真=柿

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(4)農業 6次産業を具現化 若手入り活性に一助 柿崎・中山間地

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(3)林業 森林整備し次代へ 技術継承、生産加工も

           上越市の面積の55%、妙高市では同73%を占める林野。かつて燃料や資材として木材が使われていた時代は変わり、現在は放置・荒廃している森林が増加、木材価格の低迷も続き、土地所有者や境界の不明など、多くの課題を抱えている。上越地域にはいわゆる、林業を営みとする林家はいない。森林組合と所有者が中心に守っている。昨年4月から新たな森林管理システムがスタート。地方自治体(市)と組合、所有者が一体となった整備が求められる。  上越にはそれぞれ森林組合があり、地域の特色に合った運営をし

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(3)林業 森林整備し次代へ 技術継承、生産加工も

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(2)漁業 担い手育成へ努力 収入増で魅力向上を

           「大変だけど、やりがいはある。新たにやりたいという若い人も相次いでいる」。穏やかな日和の3月下旬の名立漁港。8年前、勤めていた製造業を脱サラして漁師の道に進んだ船主の板谷憲さん(52、名立区名立大町)は、20代の若手と底引き網を修繕しながら話した。  名立漁港には大型船4隻があり、年間の水揚げ額は9764万円。底引き網、ごち網、刺し網、ばい籠などの漁を行い、全量を長野市の卸業者が買い取っている。板谷さんは「経営としてうまくまわっている」とみている。若い〝乗り子〟希望者が続

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(2)漁業 担い手育成へ努力 収入増で魅力向上を

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(1)人手不足、維持に懸命 産業各界・農山漁村 労働生産性は向上

           人口減少と少子・高齢化は地域の産業にも大きな影響を及ぼしている。後継者不足、人手不足が叫ばれ、最近では新型コロナウイルスの影響もある中、各業界、企業、団体では、伝統産業や美しい農山漁村を維持し、次の世代へ受け継ごうと懸命に活動している。AI(人工知能)やコンピューターが発達しているとはいえ、人の手によるところは大きい。「地域を守る」第2シリーズは産業面のデータや取り組みを紹介する。  5年ごとの国勢調査を基に、上越市創造行政研究所が作成した同市の産業別就業者数の1985~

          〈上越タイムス創刊30年 地域を守る〉産業編(1)人手不足、維持に懸命 産業各界・農山漁村 労働生産性は向上

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈4・終〉「インパール作戦」と平和資料館

           1944(昭和19)年、ビルマ(現ミャンマー)からインド北東部にかけて繰り広げられた「インパール作戦」。インド北東部、マニプール州インパールのレッドヒルに6月、日本財団(東京都)が支援して平和資料館が完成した。 ◇戦争の記憶と向き合う  妙高市出身で同財団の和田真さん(39)は、プロジェクトのメンバーの一人。「現地の団体に資金提供し、完成を待つはずだった。しかし、先方の構想は現地で掘り当てた遺品や砲弾を置くだけの軍事史料展示室。これは違う、と。戦争の記憶だけでなく現地の

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈4・終〉「インパール作戦」と平和資料館

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈3〉 上越市の「平和展」事業

          ◇時勢にあったテーマ設定 大半は個人所有物  太平洋戦争当時の上越市の様子を、当時の資料や遺品などで伝えている「平和展」。広島平和記念式典派遣事業と同じく平成8年から、映画鑑賞会と平和に関するポスター展として始まり、同20年から平和展に名称変更。同28年からは出征や当時の遊びなど、テーマを決めて展示を行っている。  市共生まちづくり課の古川浩子共生係長は、「興味を持ってもらうため、時勢に合った内容を考えている。展示内容、展示物はなるべく上越市に関係あるものを選び、戦争体験

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈3〉 上越市の「平和展」事業

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈2〉 上越ゆかりの識者に聞く

           太平洋戦争を実体験した世代が高齢となり、当時をリアルに知ることは難しくなってきた。次世代の平和の担い手を育てる教育現場では、体験者の孫世代が教壇に立つようになり、戦争は遠いものになりつつある。 ◇議論・熟議の場が必要  上越教育大大学院の中平一義准教授(社会科教育)は、平和教育について「平和をどう守るか、について子どもたちの議論・熟議の場が必要」と話す。  子どもと太平洋戦争は時間的に大きく隔たりがあり、イメージしにくいだけでなく、平和を守る手段は複数存在するためだ。

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈2〉 上越ゆかりの識者に聞く

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈1〉 中学生広島平和記念式典派遣

           太平洋戦争終結から74年―。日本では平成年間は「平和な時代」と呼ばれた一方で、戦争体験者は高齢となり、今後実体験をどう語り継ぎ、次世代に恒久平和の願いを伝えていくかが課題となっている。教育の視点や若者の活動を通し、戦争とどう向き合い、どう学ぶべきかを考える。  上越市で戦後50年の平成7年、戦争の記憶を風化させず後世に語り継ぐため、恒久平和に向けて、たゆみない努力を続けることを誓い、「非核平和友好都市」を宣言。同8年から、市内中学生による広島平和記念式典派遣事業が始まり、

          平和の担い手へ―どう伝える 戦争の歴史―〈1〉 中学生広島平和記念式典派遣

          ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉番外編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡 奴奈川姫長年研究・土田孝雄さん(82)語る 出雲政権が特別視 奴奈川の里 ヒスイは霊性の象徴

           糸魚川、上越両市のヒスイ文化を象徴する人物が、3世紀から4世紀ごろにこの地域を治めていたとされる奴奈川姫(ぬなかわひめ、ぬながわひめ)。奴奈川姫を長年研究している土田孝雄さん(82、糸魚川市一の宮3)は奴奈川姫と、ヒスイ加工を行っていた「奴奈川の里」が、古代のわが国において特別な意味を持っていたと語る。  奴奈川姫は『古事記』の中で「高志(こし)の国の奴奈川姫」と記述される。出雲政権を治めていた大国主命(おおくにぬしのみこと)が奴奈川の里を訪れて求婚し二人は結婚。奴奈川の

          ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉番外編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡 奴奈川姫長年研究・土田孝雄さん(82)語る 出雲政権が特別視 奴奈川の里 ヒスイは霊性の象徴

          ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉後編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡上越市の縄文集落に特徴

           縄文時代は湿っている低地に人は住んでいなかった。上越市の吹上・釜蓋遺跡調査指導委員会、小島幸雄委員(66)は、同市縄文遺跡の立地について「平野沿いの丘陵の標高約10~15メートルより上の乾いた土地に住んでいた」と説明する。  集落跡は主に高田平野から高まった部分と海岸の砂丘の上、妙高山麓に立地しており、狩猟・採集を行った縄文人に適した場所が分かる。遺跡は縄文時代草創期から徐々に増えていき、中期が圧倒的に多く、その後減少していく。これは全国的な傾向と同じだという。平野部でも

          ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉後編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡上越市の縄文集落に特徴

          ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉前編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡北陸最大級の規模 糸魚川市の長者ケ原遺跡 ヒスイ大量に発見

           東京国立博物館で昨年、縄文時代の遺物を日本各地から多数集めた企画展「縄文―1万年の美の鼓動」が開かれ、大好評。また、現存する日本最古の歴史書で、神話・伝説と多数の歌謡とを含みながら、天皇を中心とする、わが国の統一の由来を物語った『古事記』は、学者のみならず数多くの読者を獲得している。連載2回目は、縄文時代と古代を取り上げる。糸魚川、上越両市で発掘された縄文時代の遺跡を紹介し、また、糸魚川市に伝わる古代の物語について、研究者に聞いた。  糸魚川市一ノ宮の長者ケ原遺跡は同市の

          ふるさとの歴史 上越、糸魚川、妙高 3市の郷土史を歩く〈2〉前編 縄文時代・古代編 糸魚川市、上越市、中郷区の遺跡北陸最大級の規模 糸魚川市の長者ケ原遺跡 ヒスイ大量に発見